核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

ムフもなあ……

 私はここ数か月、ご承知のようにシャンタル・ムフという政治思想家に入れ込んでいるのですが。
 蜜月時代を過ぎると、粗が見えてくるものです(だんなのラクラウ氏に怒られそうだ)。大戦略としてはムフの闘技的民主主義に賛成なのは変わらないのですが、ムフの戦術に疑問を感じまして。
 ハーバーマスとかロールズとか、ネグリ&ハートといったいわゆるリベラルな思想家に、ムフは論争をふっかけることが多いわけですが、どうも闘技の相手を間違えてないかと。上記のような方々は方針は違えど本質的には民主主義の味方であり、ムフが本当に相手にすべきは民主主義のルールを認めない者たちではないかと。
 (2018・12・17追記 ネグリ&ハートの『マルチチュード:』上下巻を読んだ限り、彼らはリベラルとはいえないと判断しました。詳細は12月17日のブログにて)
 余計なお世話かも知れませんが、つまり私はムフの可能性をそれだけ高く評価し、国内政治のみならず国際政治(ひいては世界平和)のために貢献できる思想だと思っているわけです。