核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

周 艶君 「矢野龍渓の中国文化認識 : 福沢諭吉との対比を中心に 」(東アジアの思想と構造)

文部科学省グローバルCOEプログラム 関西大学文化交渉学教育研究拠点[東アジアの思想と構造]

アジア文化交渉研究 = Journal of East Asian cultural interaction studies (12), 243-258, 2019-03

 上記書誌情報と論文はCiNiiより。ここ数年、矢野龍渓についての研究を立て続けに公になさっている、「周 艶君」氏のご論文です。漢学の意義を否定し、日清戦争を礼賛した福沢諭吉と、その高弟でありながら漢学にも通じ、世界平和への志を持ち続けた(ま、日清戦争日露戦争の勝利を寿いでもいますが)、矢野龍渓との対比が、実証的かつ綿密に述べられています。文学屋の私には書けない論文です。以前、福沢諭吉福地桜痴を対比し、後者の平和主義要素を焦点化する論文を書いた(そしてボツになった)ことが私はありますが、書き直すとしたら周論文を大幅に参考にする必要がありそうです。