核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

適菜収『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?』講談社+α新書 2018

 小林秀雄全集を引いて、「小林秀雄はヒットラアの邪悪さを見抜いていた」(一四二ページ前後。コピーはとらなかったので大意)と論じる、無価値な本です。
 当ブログが何度も述べて来たように、小林の一九四〇年の『我が闘争』書評では、ヒットラーを無条件に天才と礼賛しています。「邪悪な」という語が書き足されたのは、戦後の全集版からです。
 一九四〇年の別の座談会でも、小林はヒットラーを「小英雄」と讃え、米国と戦争をしても「大丈夫さ」と放言しています。それも全集未収録ですが、当ブログの過去ログに収録されています。
 近代日本はなぜ暴走したのか?小林秀雄の「警告」を真に受けたからでしょうに。

 今「小林秀雄 ヒットラー」で検索したところ、高橋誠一郎氏のブログがヒットしました。
 当ブログを参照し、小林秀雄が戦時下に実際に放った「警告」がいかなるものであったか、戦後の全集で小林がそれをどう改竄したかをまとめていらっしゃいます。当ブログの過去ログは数か所にとっちらかっているので、高橋氏の方をご覧になることをお薦めします。