十年以上前、博士論文の副題を決めかねていた時期に思いついた三語ですが、実際には使いませんでした。とはいえ、研究方針は今でもさほど変わっていません。
私小説に対して、社会公共の問題を扱う公小説。
純文学に対して、文学以外の分野の達成を貪欲に取り入れる不純文学。
無理想・無解決の自然主義に対して、理想と問題解決を掲げる不自然主義文学。
「不自然主義」という言葉は、私が尊敬していたある漫画家が別の文脈でお使いのようですが、残りの二つは今のところ検索しても出て来ないようです。
戦争協力に流れてしまった主流派文学に対して、そうではないタイプの文学を研究対象とすること。それが私の方針です。