2020-06-13 今夜の一節 三島由紀夫『天人五衰』(新潮文庫)より。 ※ 「あなたには特別なところなど一つもありません。私があなたの永生きを保証するわ。あなたは天から選ばれてなど決していないし、あなたとあなたの行為が一体になることなどは決してなく、そもそも神速のスピードで自分を滅ぼす若さの稲妻のような青い光りなど具わってはいない。ただ未熟な老いがあるばかり。あなたの一生は利子生活にだけ似合うのだわ」 (二六四頁) ※ この小説を書き終えた直後、三島由紀夫は割腹自殺に至るわけですけど、どんな顔で書いてたもんでしょうか。