核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

谷内 悠「フィクションから生まれた宗教、無神論、科学 : 分析哲学から(第一部会,研究報告,<特集>第74回学術大会紀要) 」 宗教研究 89(Suppl), 167-168, 2016

 論文ではなく学会発表なので概要しか読めませんでしたが、それにしても刺激的なタイトルです。

 「フィクションから生まれた宗教、無神論、科学」というのは。

 同概要によると、イギリスにはスターウォーズ由来の「ジェダイズム」という宗教を名乗る方が39万人もおられるそうで。

 当ブログもつねづね、「文学は宗教に先行するのでは?」といった問題提起をしていまして、その一例として小説『封神演義』をあげたりもしました。同作品の創作人物だった黄飛虎や聞仲や趙公明が、だんだん中国の民間信仰に浸透し、道教の神々として祭られている(まさに「封神」ですね)ことなど。

 「すべての宗教はフィクション由来である」とか、「宗教はフィクションに帰るべき」とまで言うつもりは(今のところ)私はありませんし、谷内氏も同様でしょう。しかし、気になる問題提起ではあります。