核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

評論家が権力者になる一例

 今回は福地桜痴とは関係のない話です。ウィキペディアの「評論家」の項で興味深い事例を見かけたので。

 

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 また、その世界の人気者として知られる特定の人物や団体を激しく攻撃・非難することで評論の世界で名を売ったり、業界内部で実権を持つ特定の人物や団体を持ち上げて交友関係を持ったりといった手法で、評論家がその業界に影響力を及ぼそうとするケースが見られる。具体例としては、落語評論家の安藤鶴夫がいる。安藤は新作落語を手がける落語家を評論という形で徹底的に攻撃・排斥し、一方で古典落語界の権力者である人物はやはり評論で持ち上げ支援し、これにより昭和中期の落語界に大きな影響力を及ぼした人物であるが、自身が嫌う落語家に対しては客席で露骨に「鑑賞拒否」の態度を取るなどという嫌がらせにも近い行為を見せた。5代目春風亭柳昇[5]によれば、安藤は人気が上がって世間から持て囃される落語家を毛嫌いしており、落語評論の世界で名を上げ、落語界への影響力を持つことを目的に、特定の落語家を標的に選んで計画的に喧嘩を仕掛けているという旨の噂が寄席楽屋では立てられていたという

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 ……権力を得るための評論の例。こうはならないように気をつけたいものです。