2020-11-23 小説の主人公が書いた小説 村井弦斎の『小説家』(一八九〇~一八九一)という作品で、作中の小説家が書いた『大福帳』という小説を、『小説家』連載終了後に作中小説家の名義で刊行する、という試みが行われていました。 面白いアイディアだと思ったのですが、福地桜痴はその三年前の『もしや草紙』で、主人公が書いた『焼芋の煙』をやはり主人公名義で連載していました。 ただし未完のため、刊行されることはありませんでした。福地桜痴は未完の作品が多い人です。最後の小説も含めて。