核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

「決戦下精神上の問題 日本文化の知的参謀本部」(『日本学芸新聞』一九四三(昭和一八)年四月一日) その7 福田恒存

 「述べさして戴きたいと思つたことを小林さんが御話になつて、小林さんの御考に依ると」と、小林秀雄への追従に前半の発言は割かれます。

 そして後半は、「私最近満洲支那の方を廻つて参つたのですが、その中でも一番感激したのは旅順」と、乃木将軍の名をしきりに連呼し、乃木将軍の苦しみ、悲しみに共感する言葉が続きます。乃木の指揮下で戦わされた兵士たちへの苦しみや悲しみへの共感は、福田の発言には見られません。

 五人の発言者の中でも、最も空疎無内容な発言です。この発言で唯一資料としての価値があるのは、「私最近満洲支那の方を廻つて参つたのですが」の部分だけです。果たして福田恒存の年譜にあるかどうか(ウィキペディアにはありませんでした)、調べてみます。