核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

ハリスに直接聞いてみた福地桜痴

 福地桜痴『幕府衰亡論』(筑摩書房『明治文学全集11 福地桜痴集』)より。

 アメリカの総領事ハリスというと、無知な江戸幕府要人を脅して、無理やりに不平等条約を押し付けたみたいなイメージがあります(少なくとも明治二五年にはそうだったようです)。以下にハルリス(ハリス)自身の弁明を。

 

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 其後明治四年余が亜国に至りし時新約克(ニューヨーク)にてハルリスに面会し談この時の事に及びしに、ハルリスは当時余は一方に於ては亜国の利益を謀り一方に於ては日本の利益を損ぜざる事を勉めたり。治外法権の如きは勢の止を得ざるに出たれども固より両国全権の素意には非ざりき。

 (上掲書一八四頁 傍点省略)

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 ……ハリスに直接聞いたから正しいってもんでもないでしょうけど、わざわざ面会しに行った福地の行動力には驚かされます。