核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

福沢諭吉に英語を教えた子供

 福沢諭吉オランダ語の限界に気づき、英語学習を志した一八五九年。

 

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 いよいよ英書を読むというときに、長崎から来ていた子供があって、その子供が英語を知っているというので、そんな子供を呼んできて発音を習うたり、またあるいは漂流人で折節帰るものがある、

 慶応通信版『福翁自伝』 九一頁

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 ……漂流人ってのは中浜万次郎でしょうけど、子供が問題です。長崎?

 福地桜痴は一八五八年に咸臨丸で長崎から江戸へ。翌一八五九年、『福翁自伝』にも出てきた森山太吉郎の塾で英語を学んでいます(山田俊治『福地桜痴』年表より)。福沢諭吉との初対面と考えていいのでは。福地は当時満一九歳、福沢は二五歳。

 翌一八六〇年、福沢や勝海舟中浜万次郎らを乗せた咸臨丸がアメリカへ出発。福地は載り損ねました。後の「双福」の、そして近代日本の分岐点となったようです。