2022-03-15 『日の出島』があったじゃないか 感染症と文学について考えていたら、村井弦斎の大長編『日の出島』を思い出しました。太陽光・太陽熱エネルギーの発明実用化により、脱炭素社会を実現した、もうひとつの明治日本を描く物語。ソーラーパンクSFとでもいうのでしょうか。 その「老松の巻」あたりに、太陽灯を応用した殺菌装置の挿話がありました。 結核をはじめとする感染症が多かった時代。徳富蘆花の『不如帰』とほぼ同時代の作品なのですが、テーマは対極です。結核を宿命的な悲劇と見るか、発明で克服可能なものとみるか。