核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

『日の出島』があったじゃないか

 感染症と文学について考えていたら、村井弦斎の大長編『日の出島』を思い出しました。太陽光・太陽熱エネルギーの発明実用化により、脱炭素社会を実現した、もうひとつの明治日本を描く物語。ソーラーパンクSFとでもいうのでしょうか。

 その「老松の巻」あたりに、太陽灯を応用した殺菌装置の挿話がありました。

 結核をはじめとする感染症が多かった時代。徳富蘆花の『不如帰』とほぼ同時代の作品なのですが、テーマは対極です。結核を宿命的な悲劇と見るか、発明で克服可能なものとみるか。