憲法九条で国が守れるか、と改憲派は問います。私は、憲法九条「だけ」で国が守れるとは思わず、それを補完する、軍事力ではない何かの必要を痛感してはいますが、護憲派なりの戦争の止め方を示さなければとも思っています。その一例を。
改憲派は戦争といえば外国からの侵略だけを恐れていますが、私がそれと同時に恐れるのは日本が侵略戦争の当事国となることです。それを防ぐためには、日本国内の戦争を扇動しかねない者たちを、選挙やリコールや言論などの民主的な手続きによって権力から遠ざけること、それが必要だと考えます。
天皇を元首と規定し、内閣総理大臣を国防軍の最高指揮官とする自民党改憲案では(それだけが問題ではないのですが)戦争を扇動しかねない者を権力から遠ざける仕組みが有効に働かないのではないかと、私は憂慮します。民主主義と平和主義はイコールではありませんが、親和性があるのは確かです。少なくとも独裁制と平和主義よりは。
「戦争を扇動しかねない者」といっても、戦後生まれの方には(私も戦後生まれですが)、ぴんとこないかもしれません。リアルに戦争を扇動した者の典型例を。