核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

ロルフ・デーゲン著 赤根洋子訳 『フロイト先生のウソ』(文春文庫 2003) その2

 「人間の性質に関する説明は、たとえそれが似非科学的説明であっても歴史の流れを変える力を持っている。カール・マルクスジークムント・フロイトが引き起こした流れがこれを物語っている。キリスト教や仏教、イスラム教など歴史を変えた世界宗教も同じだ。その教義には、人間の性質に関する理論が含まれている」

 (同書10頁 「はじめに」より アメリカの科学ジャーナリスト、ジョン・ホーガンの言葉)

 

 ・・・・・・いくらなんでも、マルクス世界宗教と一緒にするのは、フロイトに失礼じゃないでしょうか。ホーガンがあげた他のやつと異なり、フロイト派は戦争や飢餓や大量殺戮は引き起こしていないのですから。

 私はフロイトを読んで腑に落ちたためしが一度もない、とこのブログでも何度も書きました。フロイトの説がすべて疑似科学だったとすれば一応は説明がつくのですが、その科学もどきがなんで世界中に広まったかは、フロイト以外の心理学でも説明はついていないようです。さらなるフロイト批判が望まれます。