前回までの文学話とは無関係な、TRPGというゲームの話です。
地下迷宮を主な舞台とするTRPGには、トラップ(ワナ)が不可欠なのですが、そのトラップに特化したシナリオを思いつきまして。
別に珍しい発想ではなく、去る一九八九(平成元)年にはすでに、安田均・グループSNE『トラップ・コレクション』(富士見文庫)という名著が出ています。罠の数々を、ショートショートと解説パートで交互に語る構成ですが、二八八頁のゴブリン私小説が特に秀逸です。モンスター側から見たトラップというアイディア、もしかしたら山本弘氏ではないでしょうか。
冷静に考えたら、地下迷宮のトラップも、まめにメンテナンスするやつがいなければいざという時に機能しないわけです。上記小説のゴブリンのような仕事熱心なモンスターばかりとは限らないわけで、アンデッド(ゾンビとか骸骨とか)のほうが向いているのでは。そういえば、ゲームブック『火吹山の魔法使い』でも、骸骨さんたちがせっせとボート作ってました。
アンデッドの私小説は新しいかもな。
「わたしもアンデッド」
「赤毛のアンデッド」
「ポリアンデッド物語」
ハ×ス食品様にシチュー引き回しの刑にあう前にやめておきます。