核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

魔王の母が綺麗な着物をたくさん持っている件

 ゲーテ作詞、シューベルト作曲の「魔王」(Erlkönig)を、ドイツ語独唱日本語字幕つきのyoutube動画で見てみました。いろいろと発見が。

 魔王が子供を誘惑する言葉の中で、

 

 「私の母は綺麗な着物をたくさん持っている」

 

 と言っていますが、魔王に母っているものなんでしょうか。でウィキペディアの同項を見たら、この魔王はサタンとかキリスト教系の悪魔ではなく、妖精の王らしいです。んで娘たちもいると。

 それにしても、中二病的な想像力をくすぐられる詩と曲です。転生した子供が魔王一家と暮らすラノベに挑戦する方はいないもんでしょうか。

 昔、筒井康隆が出してた同人誌の文庫化、『ネオ・ヌルの時代』の何巻かにも、この「魔王」のパロディを投稿した方がいまして。残念ながらボツですが、筒井氏の選評に、

 

 「この題材で載るには、ゲーテなみの筆力が必要」

 

 とまで書かれており、小説のきびしさを思い知りました。