死刑執行直前のソクラテスを描いた、プラトンの対話篇『パイドン』で。
シミアスとケベスという弟子が、魂の不死説を語るソクラテスに、
「魂とは音楽のようなものであって、楽器(肉体)が壊れれば音楽(魂)も消滅するのではないでしょうか?」
と問いかける場面があり、ソクラテスに反論されていました。
私としては、ソクラテスより、シミアスだかケベスの論のほうがしっくりきます。魂とは楽器に対する音楽、ハードウェアに対するソフトウェアのようなものではないかと。
脳をはじめとする肉体が壊れれば魂も損なわれ、最終的には失われる。痛ましく恐ろしいこととは思いますが、魂の不死説がそれより恐ろしくないかというと、なんとも言えません。