北原白秋について書いた時、どうも詩はわからない、といったことを何度も書いてしまいました。その通りなのですが、好きな詩、琴線に触れる詩もたまにはあります。
山村暮鳥『聖三稜玻璃』中の「囈語」。題名はむずかしそうですが、身近な事物(チューリップとか)と犯罪(殺人とか)を組み合わせた、奇抜な詩です。とりわけ、
賭博ねこ
の一節がお気に入りです。さらし姿のネコが賭場に集まって、ネコとネズミが描かれたサイコロを振って、
「ニャンかチューか!入ります」
とかやってると、イヌのおまわりさんが来て、
「手入れニャ~!」
といった妄想がふくらみます。