2015-01-01から1年間の記事一覧
私も以前に扱いました、明治の知られざる未来小説『電話機』を新たに研究なさっている方がいるようです。 この機会に、同作品への注目が集まってほしいものです。いずれは岩波文庫とか…。 以下、阪神近代文学会サイト(http://d.hatena.ne.jp/hanshinkindai/…
非難したいわけではなく、こういう感想を持つこともあったということで。 1918年12月6日。 ※ 一寸新聞を見たら、米国が大西洋艦隊を太平洋に移すといふ。癪に障る。 午餐の時、其話をして、日米戦争の避け難い話をする。怒気を発し、踏潰す、と憤る。…
第一次大戦およびシベリア出兵についての、蘆花の心の揺れを示す箇所。 1918年11月14日。 ※ 俺は日本の西比利亜(シベリア)出兵には不同意だった。青嶋(チンタオ)戦も気が乗らなかつた。都新聞なぞが連合国に協力を力説するのを馬耳東風であつた…
1918(大正7)年10月25日。ヨーロッパの平和はまだ訪れる前。 ※ ●余曰く、白耳義(ベルギー)などの何千の女は如何だ、独逸の女は独逸の男の所行について何と思ふだらう、「万国の労働者一致せよ」ではないが、女が世界を通じて一致しないで、国々…
残念ながらまだカラー印刷はありませんでした。 逆さにするとダチョウになるゾウの絵といった、ひとこま漫画があった程度です。
過去の仕事のうち以下の2本が、CiNiiで読めるようになりました。 (2017・6・29追記 現在は本文は読めなくなっているようです) 自衛のための戦争は許されるか : 村井弦斎「匿名投書」が提起する問題(近代部門,第二七回研究発表大会・発表要旨) 菅原…
でも、今度見に行くのは38年じゃないんだよなあ。
以前は寝ながらでも文章が書けたのに、最近は言葉が頭に浮かんでこないで困っています。歳でしょうか…。
いくつもの例外はあるものの、近代日本の文化でも、「男性と戦争、女性と平和」の結びつきは強固なようです。 ※ 私たち西洋人は女性と平和、男性と戦争、という結びつきを当然のことと考える伝統を受け継いでいる。(略)これらの範例的結合は、それ以外の声…
小説『小松島』中の、「元来今の世の文明」で始まり「平和の生産物でなければなりません」で終わる、軍備廃絶論を引用して。 ※ 併し、既う時代は此時彼のものではなかつた。時代と共に生きた彼は、早晩時代と共に置去られる運命に在つたのである。 蛯原八郎…
「【心得 四九】 反戦平和は女性の専有物にあらず。(254ページ)」より。 ※ 「わたしたち女性の手で」というピンクカラーの反戦論は、そろそろ卒業してもいいのではないか。 一方的に「殺されるのはイヤだ」という被害者の論理から、「殺すのも殺される…
村井弦斎「婦人の脳力には男子に異れる長所あり」の掲載号を、『婦人世界』1922(大正11)年11月号と何度も書いてしまいましたが、再調査の結果、正しくは『婦人世界』1921(大正10年)11月号でした。訂正してお詫びします。
前者はいくらでもヒットするのに、後者は一件たりとて出てきません。 私は後者の方向からジェンダー秩序を撹乱したいのですが。男性平和主義者を主人公にすえて商業的に成功(つまり、多数の人にそうなりたいと思わせた作品)が少ないのは確かです。そういう…
考えがまとまらず、読む気力さえ起きません。このブログももうしばらく休みます。
「国立国会図書館は平成28(2016)年5月末(予定)をもって、近代デジタルライブラリー(http://kindai.ndl.go.jp/)のサービスを終了いたします。」とのことです。お世話になりました。 今まで利用可能だった資料は引き続き可能だそうです。
久しぶりの投稿案内でした。 以下、日本社会文学会サイトより転載。 http://ajsl.web.fc2.com/toukou.html ※ 「社会文学」43号 特集:貧困×ジェンダー×戦争 〈時代閉塞〉に立ち向かう言葉 「社会文学」43号の特集は、春季大会を反映させた「貧困×ジェンダー×…
アナゴさんは無事だったようです。祭りに乗りそびれました。
星一『三十年後』(1918)からさらに九十年後。あのテーマを極限まで追求した作品、という印象を受けました。 政府ならぬ「生府」によって、平和と健康を理想とし、酒もタバコも禁止するユートピア。そんな健全すぎる監視社会に堪えられず、集団自殺をは…
単行本『松が浦島』に、政治小説「軟骨議員」が収録されていると、『古書の森』の過去ログで知りました。 汚職の限りを尽くした悪徳議員たちが、最終回で政権を民党に奪われて没落するという、打ち切りのような終わり方の小説です。紹介する価値があるかは不…
少し調子がもどったので、軽いものでも読んでみることにします。 大正時代のヒーローまんが「正チヤンの冒険」シリーズの一作品。 http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1717943 いつも正チヤンのおともをしているリスが、「青イシロ」に単独で潜入します…
どうも書く気力が出ません。
見えない壁の中にいる感じで。今日は何も書けませんでした。
戦争観と女性観、の変遷あたりを少し書いてみます。
題名通り、武を尚(とうと)ぶ、強兵策の提唱でした。 「今日各国交際の状態は恰も春秋戦国之時」の「虎狼世界」で生き残るためには、日本も無防備なひつじであってはいけないといった趣旨(「第七章 外勢」)。 書いた尾崎行雄も褒めた矢野龍渓も若かったの…
『尾崎行雄全集』第1巻、近代デジタルライブラリー(177/432)より。 「本篇は、明治十二年、新潟新聞記者時代の作。当時、矢野文雄氏は、本篇を読んで大にその思想文華に傾到し、ために、国会開設準備事務官に尾崎氏を推薦したと言はれてをる。―編…
「国民皆壮武なるに非ずんば究極今の争奪世界に処して、国家の体面を全ふする能はざる也」。 大体、そのあたりが主題です。個人レベルでの名誉をかけた決闘場面にしても、清国への戦争も視野にいれた強硬策にしても、主人公たち(少女一名含む)の行動原理は…
まだ通読していませんが、「平和主義」の四字が眼に入ったので。 ※ 「曼人尚武の気象は天下に卓絶し、其平和主義を遵奉すること北米連邦の如きを以てするも、尚ほ人民私に武を練て緩急国に効(?)さんことを勉む」 (近代デジタルライブラリー『尾崎行雄全…
今更ながら、尾崎行雄が小説も書いていたことを思い出しました。 英国の政治家ディズレーリの伝記『経世偉勲』と、オリジナルの『新日本』。 どちらも未読。『新日本』の最初のほうを読み始めたところです。 政治小説というのは「小説」として読むと退屈なも…
尾崎行雄の伝記をきっかけに、大正デモクラシーやら政党政治について復習してみることにしました。 複雑な政党の離合集散も、「尾崎がいる側」かどうかで区別すると、少しはわかりやすくなったような気がします。少数派の場合がほとんどなのですが。
一言で言うと「世界戦争の仲間入りはよせ」。ドイツやイタリー(イタリア)との同盟を戒めた著です。 両国の心酔者に遠慮したのか、「ムツソリニ首相やヒツトラー総統の仕事には学ぶべきところも多いが、無理もある」といった調子ではありますが、ユダヤ人へ…