核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『ギレンの野望 アクシズの脅威V』「グリプスの嵐」編

今日はゲームの話です。 私の中のティターンズがうずうずしてしまいまして、ついプレイステーション2のゲーム、『アクシズの脅威V』に没頭してしまいました。言い訳はしません。 そもそも『ギレンの野望』シリーズというのは、『機動戦士ガンダム』シリー…

今村仁司『貨幣とは何だろうか』(ちくま新書 一九九四)

平和論と文学と経済を行ったりきたりの当ブログですが、今日は経済、それも貨幣論にしぼって読書する一日にしようかと思います。 この『貨幣とは何だろうか』も、谷崎潤一郎「小さな王国」論を書こうとしていた時に買った本です。本棚の奥から引っ張り出して…

おこたった。

今日は研究をさぼってしまいました。 明日は時間をとって、まじめに取り組もうと思います。 買ったけど読み込んでいない本もまだあることだし。

ベーム=バヴェルクのマルクス批判への再批判論文など読んでみた

ここで報告するほどの内容ではありませんでした。 やはり私は原典にあたるほうがわかりやすいようです。

ミーゼス『貨幣及び流通手段の理論』(一九八〇 読む予定)

こちらも国会図書館デジタルコレクションの検索で出たのですが、ネット上では読めませんでした。要調査です。

ミーゼス『自由への決断 今日と明日を思索するミーゼスの経済学』(広文社 一九八〇)

著者名がミーゼスなのに、「ミーゼスの経済学」という副題なのは何でかなと思ったら、講演録のようです。数式のたぐいは出てきませんが、ミーゼスの主張ははっきりと示されています。 マルクスへの徹底した否定、計画経済への批判に始まり、政府は小さいほど…

よく学び、よく遊んだ

今日はしあわせな一日でした。

アナルコ・キャピタリズムとリバタリアニズム、その是非

木村貴『反資本主義が日本を滅ぼす』のあとがきに、以下のような一節がありました。 「現在のリバタリアニズムには政府の存在そのものを認めない無政府資本主義(アナルコ・キャピタリズム)という急進的な一派を含み、私自身それに共感しているが、元来は別…

平和>自由>平等

とりあえずの、私にとっての優先順位です。 平和でありさえすれば自由も平等もなくていい、と考えているわけではありません。自分にとっての、すべきことの順番です。

最近、文学から遠ざかっててすみません。

そもそも私は経済学の単位など一つも取ったことがなく、大学四年生ごろに独学で近代経済学を学び、その後「小さな王国」論を書いた時にマルクス経済学とメンガー(新古典派)経済学を、これも独学で学び直した程度です。 今回はこれまで学ばなかったケインズ…

石原莞爾『最終戦争論』(一九四〇(昭和一五)年)

前回までの経済話とは無関係です。唐突に必要が生じて、青空文庫で読み返しました。満州事変のきっかけを作った陸軍軍人の、代表作とされる講演。 最終核戦争を予言しているとか、その後の世界平和まで予言しているとかいって石原を天才扱いする傾向もあるよ…

アリストパネスの『プルートス』は、「パターナリズム」を論じていたのでは?

古代ギリシアの喜劇詩人アリストパネスの最後の作品、『プルートス』(富の神)については、以前に扱いました。 アリストパネス『プルートス』(紀元前三八八年 『ギリシア喜劇全集4』(岩波書店 二〇〇九)より) - 核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブ…

命がけの危険を冒す自由(ハイエク『自由の条件』より)

ハイエク『自由の条件』はデジタルコレクションでは読めなかったので、柄谷行人『〈戦前〉の思考』(講談社学術文庫 二〇〇一)から孫引きします。 ※ 自由主義者のハイエクはこういっています。《われわれは自由であっても、しかし不幸であることがありうる…

ハイエク『隷従への道』は、デジタルコレクションでは読めませんでした

ガソリン代高くて。それハイオク。ハイエク『隷従への道』は、新自由主義の原典とされる本です。ケインズと読み比べてみたかったのですが、こちらは国会図書館へ行かないと読めないとのことでした。 さらに検索すると、『新自由主義とは あすを語る』という…

中野剛志氏によれば、MMTが立脚しているのは信用貨幣説でした

前回、MMTは貨幣法制説に依拠すると書いてしまいました。確かにMMTを批判する立場の木村貴『反資本主義が日本を滅ぼす』の一九六~一九七頁にはそう書いてあったのですが、MMTを推進する中野剛志氏自身によれば、 「MMTが立脚しているのは「信用…

紙幣にしぼるか

ケインズの『貨幣論』も最初のほうだけちらっと読んだのですが、どうも、 「貨幣とは何か」 という問いは、私ごときの手には余るようです。原稿用紙35枚でおさまるとも思えないし。 そもそも私の貨幣への関心の出発点は、谷崎潤一郎の「小さな王国」。沼倉…

デジタルコレクションでケインズが読める!

中野剛志氏がMMTの論拠としているケインズの、代表作とされる、『雇傭・利子および貨幣の一般理論』(東洋経済新報社 1955)が、おなじみ国会図書館デジタルコレクションで読めることが判明しました。 ありがたいことなのですが、経済学素人の私がす…

ゲーテ『ファウスト』第二部におけるMMTとそのてんまつ

「皇帝 金が足りぬというなら、よいわ、金を造るがいい」 ゲーテ著・相良守峯訳『ファウスト』第二部(岩波文庫 1958 26頁) なんかMMT研究所の門に書いてありそうな文句ですが、『ファウスト』の一節です。「金」がゴールドなのかマネーなのかが気…

MMT入門

そもそもMMT(現代貨幣理論)とは。木村貴『反資本主義が日本を滅ぼす』から、中野剛志氏のMMT論を引用している箇所を孫引きします。 なお私は以前、中野氏の『小林秀雄の政治学』を批判したことがありますが、文学論や政治学が間違っているから経済学…

谷崎潤一郎「小さな王国」とMMT(現代貨幣理論)

昨日の記事の末尾で、ちょっと志の低いことを書いてしまいました。 マルクス否定論などはあくまでも「手段」なのでした。 「目的」は、貨幣の謎を解き、経済学の進展に貢献することです。 そして「小さな王国」、ことにその最後の一行が示しているのは、 一…

木村貴『反資本主義が日本を滅ぼす』(コスミック出版 二〇二二) その1

題名は副題込みで正確に表記すると 『反資本主義が日本を滅ぼす 官民癒着の毒、社会主義の嘘』 表紙、背表紙、帯ともに、反資本主義という部分が赤字です。 前回紹介したN・フレイザーの著書とは真逆の、資本主義を正面から擁護する本。これはこれで異論も…

ナンシー・フレイザー著・江口泰子訳『資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか』(ちくま新書 二〇二三年八月)

あるご論文の参考文献に挙げられていたので読んでみたのですが、残念ながらまったくの期待はずれでした。 「資本主義」という概念をマルクス以上に大きくとり、現代の諸問題をなんでもかんでも資本主義のせいと定義した上でその資本主義を非難し、そこからの…

厭戦感情を、持続可能な戦争否定の論理へつなぐ言葉

前々回、前回と、戦争中に参加者たちを襲った「爆笑」や「痛ましさ」という感情が、戦争を一時的に和らげたこと、しかしそれは持続可能な平和にはつながらなかったことを書きました。 たとえば熊谷直実は、捕まえた平敦盛が自分の子と同じくらいの若者である…

熊谷直実の厭戦情動

前回は、戦争を止めうる情動の一つとして、「笑い」「爆笑」について書きました。ハプニングによって、敵も味方も爆笑してしまう場面は確かにあったものの、それは一瞬であって、宇治川の合戦を止める力にはならなかったことも。 今回は、それと逆に見える情…

異質な共同体の間の、持続可能な平和を求めて

『平家物語』は私にとっては専門外の分野ですが、まんざら興味本位やゲーム化のためだけに読んでいるわけではありません。 「異質な共同体の間で、持続可能な平和はいかにして可能か」 といった問題意識を持ちつつ、『平家物語』を読んでいます。 源氏と平家…

怖しき者の末、緒方三郎惟義

講談社文庫版『平家物語』下巻、巻第八の登場なので、だいぶ遅い登場ではありますが。この緒方惟義(おがた これよし)という人物、九州に逃げてきた平家を追い出し、同じく九州に逃げてきた源義経には協力する(でも海難ではぐれる)、あまり知られていない…

『平家物語』、アニメ化してたんだ

時勢にうとくてすみません。私がその面白さに気づくよりずっと前に、『平家物語』はアニメ化されていたのでした。 公式サイトで、主要人物のキャラデザインを一通り見てきました。平宗盛は原作通りの面白キャラに造形されています。宗盛をも上回るおもしろ武…

核通、『平家物語』を読む

前から講談社文庫版、高橋貞一校注『平家物語』上下巻を持っていたのですが、このたび必要あって冒頭から通読し、その面白さを再認識しました。 軍記ものにこういうことをいうのは不謹慎かも知れませんが、すごく「笑える」のです。作中人物たちの一挙一動が…

弦斎の小説が千篇一律だとは思いませんが

どうも弦斎の作風は、結婚で作品を終わらせることにこだわりすぎな気がします。作中でカップルが一組も結婚しない『食道楽』は、むしろ例外なのです。 トロフィーワイフという言葉があります。弦斎がそれを知っていたかどうかまでは知りませんが、貧しい青少…

村井弦斎『深山の美人』感想

初期設定というか、アイディアはよかったと思うんですよ。 幕末から明治元年のままの感性を持った女性が、明治二十年代の東京に出て、文明開化の世を批評するという設定は。デジタルコレクションでは読めない作品ということもあり、『都新聞』縮刷版で読む前…