核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

石原莞爾『最終戦争論』(一九四〇(昭和一五)年)

 前回までの経済話とは無関係です。唐突に必要が生じて、青空文庫で読み返しました。満州事変のきっかけを作った陸軍軍人の、代表作とされる講演。

 最終核戦争を予言しているとか、その後の世界平和まで予言しているとかいって石原を天才扱いする傾向もあるようですが、過大評価でしょう。

 彼の「予言」と称するものは、一九四一年以降の歴史と比べると、何一つ当たっていません。軍事史の粗雑で恣意的な分析と、神秘主義がかった仏教思想がごちゃまぜになった、評価しようのない代物です。