核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

村井弦斎 『日の出島』「蓬莱の巻」その9 「残る二幕」(最終回)

「アゝ、モー倦厭(あき)た(踊り字)、糸ちやん、ホントに妾(わたし)は倦厭(あき)つちまつたのよ」 唐突にお金夫人の感想が挟まって『日の出島』本編に戻り、劇中劇「日の出島」はここで終わります。 私としては本編より市之丞のその後のほうが気にな…

村井弦斎 『日の出島』「蓬莱の巻」その8 「日の出山」第三幕 後藤又兵衛の反戦論

後藤又兵衛と真田幸村の反戦論。あるいは殉死平和主義。さすがは村井弦斎です。想像の斜め上を行ってくれました。いつもこうならいいのですが。 薩摩藩日の出山の奥御殿で、打倒徳川の妄執を抱いたまま、ひっそりと病死した豊臣秀頼(もちろん、ここから先は…

村井弦斎 『日の出島』「蓬莱の巻」その7 「日の出山」第二幕

『日の出島』の劇中劇、第二幕。 ところ変わって薩摩の国。ここ日の出山の奥御殿には、大坂城で討ち死にしたはずの豊臣秀頼と真田幸村ら家臣一同が、島津家にひそかにかくまわれていました。 島津の態度に疑惑を抱いた江戸方の間者大河内市之丞は、庭師に身…

村井弦斎 『日の出島』「蓬莱の巻」その6 「日の出山」第一幕

長編『日の出島』の主人公たちが観ている芝居、という設定で、挿入される劇中劇「日の出山」です。以前、弦斎の歴史小説は面白くないので後回しにします、とか失礼な事を書いてしまったのですが・・・。 なかなかどうして。江戸時代初期、三代将軍家光の時代…

おちゃめ神物語 コロコロポロン(アニメ 1982~1983)

そういえば、これにもブタが出てきました。 ギリシア神話を舞台にした話なのです。女神見習いのポロンが森でブタをモデルに絵を描いていると、アキレウス(?)か誰かが走ってきてブタをまじまじと見、「む。やはり一味違う」と叫び、ブタは驚いて逃げていく…

ハニーハニーのすてきな冒険(アニメ 1981~1982)

少女漫画の古典的傑作ですが、私が知ってるのはアニメ版の方だけです。それでも30年も前。 ヒロイン(ハニー)の飼い猫(リリー)がお姫様の宝石を食べてしまい、追っ手から逃れるべく世界中を旅する話です。 ウィキペディアを見たところ、土曜日の午後6…

がんばれゴンベ(アニメ 1980年放映)

園山俊二原作のなつかしアニメ。 山から下りてきた子ザルのゴンベが、いなかの人間の小学校に通う話です。 ブタのトン吉がいて、「ぶひーぶひぶひ」しか言わないのに人間と会話が成立する、イクラちゃんのようなキャラでした。 久しぶりに見たくなって画像検…

村井弦斎『日の出島』「蓬莱の巻」その5 「浅草公園」「パノラマ」

そもそも、なぜ当「核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ」が村井弦斎という作家を追い続けているか。食通や家庭小説家ではなく、絶対平和主義者としての村井弦斎を高く評価しているからです。 確かにデビュー作「匿名投書」(1890)での弦斎は(留…

『明治文学全集 94 明治紀行文学集』(筑摩書房 1974)

饗庭篁村・幸田露伴・正岡子規・尾崎紅葉・大橋乙羽・川上眉山・徳富蘆花・大町桂月・田山花袋・遅塚麗水・与謝野鉄幹・木下杢太郎・北原白秋・平野万里・吉井勇・小島烏水。1897(明治30)年前後の名だたる紀行文を集めた一冊です。 村井弦斎の言う、…

村井弦斎『日の出島』「蓬莱の巻」その4 「夏の鶯」  紀行文批判

明治文学研究者以外の方にはどこが面白いんだと言われそうな話です。私も実はそんなに紀行文に詳しい訳でもないのですが、いつかは調査すべき分野なので。 箱根大涌谷での、石橋理学士の馨少年への文学論の続きです。56/177。 ※ 文学者が書いた紀行文…

村井弦斎『日の出島』「蓬莱の巻」その3 「文学論」

近代デジタルライブラリーの55/177コマ。「文学上の事を研究して居ります」と自己紹介した馨少年への、石橋理学士の反応。 ※ 石橋「文学、それは不可(いか)んネ、此頃の様な忙しい社会に斯(か)う気楽な文学者計り殖えられては困る、 (略。この臥…

村井弦斎『日の出島』「蓬莱の巻」その2 「改良ランプ」

蛍光灯というのは弦斎の時代(1900年前後)にも発明はされていたようですが、ここで出てくるのは文字通りの、蛍の光の灯です。石橋理学士の発明シリーズのひとつ。 近代デジタルライブラリー、「蓬莱の巻」(120/177~121/177)より。 ※ …

村井弦斎 『日の出島』「蓬莱の巻」その1 登場人物紹介

令嬢「それだから蚊が一匹も来ないと云ふ様な工夫を仕たら嘸(さ)ぞ人の為めになるだらう(略)小さな薬の玉でも下げて置くと十間四方へ蚊が来ないと云ふ様なものは無いか知らん」 ・・・村井弦斎の描く「明治のお嬢様」はどこか変わった人ばかりなのですが…

関肇「ジャーナリズムのなかの文学 ―村井弦斎『日の出島』とその読者―」

上記論文(『京都光華女子大学研究紀要』39, 25-55, 2001-12-00 収録 Cinii掲載)に、村井弦斎の最長の作品『日の出島』の書誌情報がありました。 1896(明治29)年~1901(明治34)年まで『報知新聞』連載。 単行本刊行年は以下の通り。 『日の…

室井さんキター!

「大正期の村井弦斎はこうじゃない」というツッコミは多々ありますが。

『ごちそうさん』公式サイトのインタビューより 室井幸斎のモデルについて

プロデューサーの岡本幸江氏の発言を見たところ、やっぱり室井のモデルは村井弦斎だったとのことでした。 ※ 岡本 注目というか、他のキャストとは違う発想から生まれたキャラクターはいますね。一人は、『食道樂』の作者・村井弦斎さんにオマージュをささげ…

波平、災難続きの一日(予告)

これも来週ですけど。 よりによってタラちゃんの声で「なみへい、さいなんつづきのいちにちのさんぼんです~」だそうです。容赦ありません。 話のマクラとオチは原作ネタでしょうけど、どのへんでしょうか。 カツオが洗剤を落とした風呂を見て「ほー、クスリ…

ごちそうさん(予告)

あまちゃんからして観てなかったんですけど、今やってる連続テレビ小説に、村井弦斎をモデルにした人物が出てくるそうです。 来週から観なければ。

村井弦斎『朝日桜』下巻(1895)

最後まで読んでも、やっぱり村井弦斎中最低の小説でした。 戦争小説だからけなしているのではありません。戦争小説というジャンルの中としても不出来だから批判しているのです。 たとえば弦斎のデビュー作「匿名投書」には、明治20年代の日本が置かれた地…

村井弦斎『朝日桜』上巻(1895)

近代デジタルライブラリーで、まず上巻だけ読んでみました。 本居宣長ごときの歌をモチーフにしている時点で想像はついていたのですが・・・村井弦斎の作品中、おそらくは最悪の小説になりそうです。 日清戦争(1894(明治27)~1895(明治28)…

新藤通弘「最近のコスタリカ評価について若干の問題」(『アジア・アフリカ研究』2002年第2号Vol.42, No.1 (通巻364号))

Ciniiには登録されていなかったので、下記サイトから参照させていただくことにしました。後日、『アジア・アフリカ研究』該当誌を探すことにします。 http://www.japancostarica.com/Sindo/index.htm コスタリカといえば、「軍隊をすてた国」。平和主義者あ…

「Costa rica rocket launcher」の検索結果

結局、コスタリカの警察はロケットランチャーを装備しているのか。Yahooで下調べしたところ、以下のような画像しか出てきませんでした。 http://www.tripadvisor.jp/ShowUserReviews-g309271-d1869353-r125905723-Pacific_Bungee_Costa_Rica-Jaco_Province_o…

戦争へのアプローチの仕方について

本日いただいたコメントについて、自分なりの考えをまとめてみます。 内務省や特高といった戦前の官僚機構は、言論の自由を弾圧し、戦争や国家主義に逆らえない風潮を作り出してきました。そうした検閲機関への批判的な研究は大いになされるべきだと思います…

無料フラゲーム カルカソンヌ

カルカソンヌのフラッシュゲームが見つかりました。 http://flashgamesp.blog137.fc2.com/blog-entry-2284.html 元はボードゲームなので(非電源系)の書庫に入れておきます。

カルカソンヌ(ボードゲーム)

何というか、らくがき帳に気の向くままに地図をかきちらしてた頃を思い出させる、不思議なゲームです。 カルカソンヌらしき中世の都市と、交差点や三叉路を含む街道、修道院なんかが、ジグソー部分のないパズルのように分割されて、72枚の正方形のタイルに…

カルカソンヌのブタ

一匹のブタが戦争を終わらせたという、ためになる話です。 後に世界遺産に認定される、中世のたたずまいを残した城塞都市カルカソンヌ。 かつてカール大帝がここを包囲し、残された食糧はブタ一匹と小麦一袋となりました。女領主カルカスは一計を案じ、ブタ…

ぬすっとん

唐草模様の巨大なふろしきにほっかむり姿(鼻はむき出し)で、冷や汗をかきながら走るブタ。誰でも思いつきそうなゆるキャラですが、商品化した先例はないようです。 確か私が最初に描いた時は、「借りぐらしのブタエッティ」という名で、「借りすぎだろ」と…

弦斎未読

明治文学の世界は広大でして、村井弦斎に限っても、けっこう読んでない作品があるものです。 せめて『日の出島』ぐらいは通読しようと思いながら、いまだに果たせずにいます。 時代小説は後回しの方針です。正直、『桜の御所』は読んでてつらくなりました。