核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

村井弦斎「軟骨議員」(予告)

単行本『松が浦島』に、政治小説「軟骨議員」が収録されていると、『古書の森』の過去ログで知りました。 汚職の限りを尽くした悪徳議員たちが、最終回で政権を民党に奪われて没落するという、打ち切りのような終わり方の小説です。紹介する価値があるかは不…

小星 作(他)「正チヤンの其後」(1926)

少し調子がもどったので、軽いものでも読んでみることにします。 大正時代のヒーローまんが「正チヤンの冒険」シリーズの一作品。 http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1717943 いつも正チヤンのおともをしているリスが、「青イシロ」に単独で潜入します…

少し休みます。

どうも書く気力が出ません。

閉塞感。

見えない壁の中にいる感じで。今日は何も書けませんでした。

弦斎論少しだけ進展

戦争観と女性観、の変遷あたりを少し書いてみます。

尾崎行雄『尚武論』

題名通り、武を尚(とうと)ぶ、強兵策の提唱でした。 「今日各国交際の状態は恰も春秋戦国之時」の「虎狼世界」で生き残るためには、日本も無防備なひつじであってはいけないといった趣旨(「第七章 外勢」)。 書いた尾崎行雄も褒めた矢野龍渓も若かったの…

尾崎行雄「尚武論」への矢野龍渓の評価

『尾崎行雄全集』第1巻、近代デジタルライブラリー(177/432)より。 「本篇は、明治十二年、新潟新聞記者時代の作。当時、矢野文雄氏は、本篇を読んで大にその思想文華に傾到し、ために、国会開設準備事務官に尾崎氏を推薦したと言はれてをる。―編…

尾崎行雄『新日本』(1887)

「国民皆壮武なるに非ずんば究極今の争奪世界に処して、国家の体面を全ふする能はざる也」。 大体、そのあたりが主題です。個人レベルでの名誉をかけた決闘場面にしても、清国への戦争も視野にいれた強硬策にしても、主人公たち(少女一名含む)の行動原理は…

尾崎行雄『新日本』における「平和主義」の用例

まだ通読していませんが、「平和主義」の四字が眼に入ったので。 ※ 「曼人尚武の気象は天下に卓絶し、其平和主義を遵奉すること北米連邦の如きを以てするも、尚ほ人民私に武を練て緩急国に効(?)さんことを勉む」 (近代デジタルライブラリー『尾崎行雄全…

尾崎行雄の政治小説

今更ながら、尾崎行雄が小説も書いていたことを思い出しました。 英国の政治家ディズレーリの伝記『経世偉勲』と、オリジナルの『新日本』。 どちらも未読。『新日本』の最初のほうを読み始めたところです。 政治小説というのは「小説」として読むと退屈なも…

大正史復習

尾崎行雄の伝記をきっかけに、大正デモクラシーやら政党政治について復習してみることにしました。 複雑な政党の離合集散も、「尾崎がいる側」かどうかで区別すると、少しはわかりやすくなったような気がします。少数派の場合がほとんどなのですが。

尾崎行雄『咢堂放談』(1939)

一言で言うと「世界戦争の仲間入りはよせ」。ドイツやイタリー(イタリア)との同盟を戒めた著です。 両国の心酔者に遠慮したのか、「ムツソリニ首相やヒツトラー総統の仕事には学ぶべきところも多いが、無理もある」といった調子ではありますが、ユダヤ人へ…

賀川豊彦と尾崎行雄

そもそもは賀川の比較対象として尾崎を調べ始めたのが、評価が逆転しつつあります。 晩年に屈しなかったかどうかは重要です。

伊佐秀雄『尾崎行雄』(吉川弘文館 1987)

人物叢書新装版の一冊。憲政の神様と呼ばれた尾崎行雄の伝記です。 青年時代、西南戦争の少し前には「討薩論」を曙新聞に投稿するなど、むしろ正戦論者だった尾崎を平和主義者に変えたのは、第一次大戦後の欧米視察でした。 ※ 尾崎は漸く青年に達した頃「尚…

「脚本 食道楽」(1905)の末尾

『食道楽 続篇』以上に知られていない、「脚本 食道楽」。歌舞伎座でシュークリームを配った挿話ばかりが知られていますが、その結末は、日露戦争での連戦連勝ぶりを祝うトンヤレ節で終わります。 ※ 正義の前に敵は無し、進んで行くのは人の道、驕る露西亜を…

司法省調査課『報告書集 二』「反戦運動」(1930)

大正期の平和主義文学は、官憲の側からはどう見られていたのか。気になって検索してみました。 田山花袋「一兵卒」、与謝野晶子「君死にたまふことなかれ」、武者小路実篤『或る青年の夢』などの既成文壇による反戦文学への言及はごくわずかで、プロレタリア…