核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

尾崎行雄『尚武論』

 題名通り、武を尚(とうと)ぶ、強兵策の提唱でした。
 「今日各国交際の状態は恰も春秋戦国之時」の「虎狼世界」で生き残るためには、日本も無防備なひつじであってはいけないといった趣旨(「第七章 外勢」)。
 書いた尾崎行雄も褒めた矢野龍渓も若かったのでしょう。こうして国防について考え抜いた結果後の平和主義に至ったのであり、その過程としての価値はあります。
 私は晩年尾崎と同じ非軍備論者ですが、心の尚武、気概、覚悟といったものは失わずにいきたいとつねづね思っています。