核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

トドロフ読破計画

ウィキペディアによると二〇一七にお亡くなりになったとか。惜しい話です。 そんなトドロフの厖大な著作の中から、これは読みたいと思った本を記しておきます。 ※ 『小説の記号学―文学と意味作用』(1967年) - 邦訳:1974年、大修館書店、菅野昭正・保苅瑞…

外池力「トドロフの思想と他者系列」(『政経論叢』 77(5・6), 749-775, 2009-03 )

トドロフという方、ただの構造主義者ではありませんでした。思想家です。 外池論文より、スターリン主義(全体主義)について。文中の「コルイマ」とは、アウシュヴィッツに匹敵するスターリン政権下の強制収容所だそうです(ウィキペディアより。不覚にも最…

兵備の平和と真正の平和

百年以上前、福地桜痴はこう書きました。 ※ 欧州今日の平和は真正の平和に非ず兵備の平和なるのみ 一八八四(明治一七)年一〇月二日『東京日日新聞』社説「欧州の侵略主義」 ※ 軍事力の均衡による平和など、「真正の平和」の名に値しない、という趣旨です。…

ツヴェタン・トドロフ『民主主義の内なる敵』(予告)

構造主義者としてしか知らなかったあのトドロフが、21世紀の民主主義について論じた書物があると知りました。 日本の福島原発災害にも言及しているようです。 『批評の批評』と合わせて、次回はトドロフ祭りになりそうです。ムフに不満なわけではありませ…

多元的物語論序説 福地桜痴『仙居の夢』を例に

昨日はPC不調で休んでしまいました。また多元的物語論の続きを。 主人公や視点人物がいっぱいいたって、結局目先がちょっと変わるだけで、平和主義とかデモクラシーとは何の関係もないんじゃないの?という疑問はあるかもしれません。私は大いにかかわると…

複数主人公型の物語論に向けて

院二病、とでもいうのでしょうか。静岡大学大学院修士課程のころ、既成の物語論や構造主義が妙に気に食わなかった時期がありまして。特にその単線的な主人公中心主義が。ロシアの魔法昔話ならともかく、近代日本文学がそんなんで解釈できるものかと(解釈で…

火星探検ロボット(?)

昨日はついなまけてしまいました。今日もらちもない話になりそうです。 火星探検ロボット。AI内蔵とかいった高度なやつではなく、約四十年前にそういった商品名のブリキのおもちゃがあったわけです(検索しても出て来なかったので、商品名はそのままではな…

絆(ほだ)す

「ほだされる」という語をなんとなく使ってしまいましたが、「ほだす」という原型はあまりつかわないな。そう思って調べてみました。「絆」(きずな)という字で「絆す」。自由を束縛するという意味だそうです。 芥川の「将軍」に描かれているのは、まさにこ…

優しい顔をした軍国主義

芥川龍之介「将軍」の手柄の一つは、軍国主義の優しい顔の面を描き出したことにある、と思います。 軍国主義というものはしばしば軍靴の響きとか、部下を殴る上官とか、反政府主義者を連行していく憲兵という風に、恐ろしい顔の面を強調されがちでして(実際…

弦斎くん

弦斎ひげを生やしたカレーパンのゆるキャラ。 高久製パン(株)様の公式キャラだそうです。リンクは貼りませんが、「弦斎くん」で画像検索すれば出てきます。 一弦斎ファンとしては、こうした流れを好ましく思う者です。 が、弦斎の美食家としての面「だけ」…

批評の批評、批評の批評の批評…

とうぶん研究テーマとして扱う気はないので、「雑記」の項にいれておきますが、「批評の批評」ないしはメタ批評とでもいうべき問題が最近気になっています。 なぜ日本の文芸批評家たちは、戦争に対してその批評精神を向けることができなかったのか……といった…

もっとシノビガミっぽく

「絵本読んで」 「桃太郎」 「もっとシノビガミっぽく」 「犬 秘密 実は鬼側のスパイ 本当の使命 鬼退治を阻止せよ 猿 秘密 スパイの存在を疑っている 本当の使命 スパイを摘発せよ 雉 秘密 実はチキン 本当の使命 鬼退治完了まで生き残れ 桃太郎 秘密 実は…

花粉症ようやく治る

思えばこの三月四月は、ずいぶん貴重な時間をむだにしたものでした。 なんとか今度の大型連休で、変な具合にてこずった芥川論を片付け、次の大きな論文に進みたいものです。 人間にとって平和とは何か。「戦争に対する戦争」ではない平和追究のしかたはあり…

コンバート。

トンネルズ&トロールズ用のシナリオをシノビガミ用に移植するという、版権無視の試みに時間を費やしてしまいました。T&Tはシナリオや背景世界は好きなのですが、現代のTRPGとしてはバランスに問題があって。 迷路を行ったりきたりする型のTRPGと…

批評が権力となる瞬間。

この話題は、もしかしたらブーメランかも知れません。お前がやってる文学研究とやらも、結局のところは業績とか研究職とかいう権力をめざす営為なのではないかと。 そうかもしれませんが、それでも小林秀雄と自分は違う、と思いたいです。業績は確かに欲しい…

批評欲。

検索しても、批評欲とか批評欲求とかいう言葉は出てきませんが、そうした欲動は存在すると思います。 やたら怖い夢を見た時の、無性に誰かに話したくなるあの気分(私もさっきのうたた寝で怖い夢を見たところですが、本題に関係ないので書かないでおきます)…

壺井繁治「頭の中の兵士」(『戦争に対する戦争』(一九二八)

反戦小説集『戦争に対する戦争』の、最後に収録された短編。 反抗的な兵士が憲兵に頭を撃たれると、頭の中から小さな兵士たちが現れ、近くの建物に去っていくという話です。今のところ意味不明ですが、戦争に対する暴力的抵抗を扱った同書の中では、小川未明…

真銅正宏『偶然の日本文学』

横光利一の「純粋小説には偶然が必要」という問題提起を受け止め、小説における偶然について論じた一冊。 私にとっても重要な問題です。「おわりに」から引用。 ※ 小説を読む時、読者は、現実世界にはとても起こりえないような事件でも、それを予想すること…

大澤聡『批評メディア論』(岩波書店)

小林秀雄はいかにして「批評の神様」的存在となったのか。そのあたりを知りたくて読んでみたのですが、情報量の多さに圧倒され気味でした。場合によっては買って読む必要がありそうです。 とりあえず、最も示唆に富むと思われる一節をコピーしてきました。 ※…

大澤聡『批評メディア論』(岩波書店) 予定

今回いただいたコメントについて、いろいろ思うところがありまして。 そもそも、批評家が実作者より偉いという風潮とか、一部批評家が神様のようにように崇められる悪習はいかにして生じたのか。そのへんの問題意識に応えてくれそうな本が見つかりました。 …

創作意欲爆発

論文は進まないのに、TRPGシノビガミのシナリオ作成のほうはアイディアが数十本単位で湧き出て困っています。東京編・戦国偏・異世界編・幕末編……。 もともとこのシノビガミは、シナリオ作成のためのツール(私が以前没頭したような、サイコロをふって名…

もっと芥川龍之介っぽく

「絵本読んで」 「桃太郎」 「もっと芥川龍之介っぽく」 ……というネタが流行っているらしく、やってみようと思ったら、芥川にはすでに「桃太郎」があるのでした。さすが。

枝葉末節

どうも末梢的なことに入り込み過ぎたようです。 「核兵器および通常兵器の廃絶をめざす」大望から遠ざかり過ぎているようです。反省。

三浦篤「デューラー、レンブラント、クールベから現代まで 自画像の変遷」

『芸術の窓』二〇一五年八月。 自画像を「列席型」「変装型」「研究型」「独立型」の四つに分類し、デューラーらの自画像を最後に成立した「独立型」と位置付けています。 ※ 三浦 自画像をとにかく多く描いたのはレンブラントです。油彩、版画、デッサンも含…

悪筆乱筆

二日間のごぶさたすみません。花粉症をはじめ体調不良で。 このところ手書きでメモをとることが多いのですが、自分で読み返しても読めないのは困ったものです。 ほんと、論文が多少書ける以外は、何の役にも立たない人間です。