核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

文学者の責任(村井弦斎『食道楽』より)

このところロックの『統治論』と並行して、岩波文庫版の『食道楽』上下巻を読み返しています。 村井弦斎を知ったのは十年近く前ですが、読み返すたびにつくづく、弦斎の人柄に親しみを感じます。この『食道楽』にしても、本当に「味がある」のは料理と関係な…

カビヤ、ホアグラ、トリッフェ(村井弦斎『食道楽』より)

『食道楽』「秋の巻」冒頭の口絵説明に、世界の三大珍味がまとめて出てきます。 「明治三十六年十一月三日帝国ホテルに開かれし天長節夜会の食卓を写せしなり」とあり、十三種の献立が紹介されています。 ※ カビヤは魯西亜(ろしあ)産鱒魚(ます)の卵の製…

村井弦斎『食道楽』より「我が覚悟」

前々回はらちもない愚痴を書いてすみませんでした。Ciniiで読めるだけでも、名誉革命の文献はけっこうありました。反省の意をこめて、村井弦斎の名言を引用します。 ※ 言わないでもいい事へ一々不平を言うのは愚痴だ。(略) 何ほど愚痴を漏(こぼ)しても愚…

ロック『寛容についての書簡』(1689)

17世紀イギリスの宗教事情は実に複雑でして、国教会・カトリック・ピューリタンその他の宗派がなぜかくもお互いに争ったのか、日本人には理解しがたいものがあります。 そんな時代に一石を投じたのがロックの『寛容についての書簡』。 反乱者や犯罪者は、…

名誉革命の資料が見つからない・・・。

今回は資料紹介ではなく、ただの愚痴です。 自由だ平等だと立派なかけ声で始まった革命が、結局は大量粛清と独裁者出現で終わった例はいくらもあります。 この1689年の名誉革命は逆に、議会と外国勢力の密約でのクーデターという、あまり立派でない始ま…

河北稔編『新版 世界各国史 11 イギリス史』(山川出版社 1998)より「王政復古から名誉革命へ」

一冊まるごと名誉革命の本はなかったので、通史から入ることにしました。 岩井淳著「第五章 革命の時代」より。 きっかけは、国王ジェイムズ二世が1688年に出した信仰自由宣言でした。名前だけだと進歩的に思えますが、その目的はカトリック化と絶対王政…

しあわせな気分。

自分一人しか興味がないと思っていた話に、ほかの人が思いがけず興味を持ってくれた時とはいうのは、本当にしあわせな気分になるものです。

「王権神授説への批判」、もうちょっとだけ続けます。

デカルトの時は長くかかりすぎたので、今回はもうちょっと手短にして、きりのいいところで終わらせます。 そろそろ、日本文学関係も書きたくなってきましたので。

ヒューム「原始契約について」の名誉革命批判

『世界の名著32 ロック ヒューム』(中央公論新社 1980)に収録された、ヒュームの1748年刊行の論文です。 ヒューム(1711~1776)は名誉革命(1689年)を体験してはいない世代ですが、名誉革命や社会契約論の過大評価に疑問を持ち、…

ロックの王権神授説批判

『世界の名著 32 ロック ヒューム』(中央公論新社 1980)収録の『統治論』より。 『統治論二篇』または『市民政府二論』(原題は"Two Treatises of Government"。1688刊行)の後半部分にあたります。 フィルマーの王権神授説を批判しているのは前…

ホッブズ『リヴァイアサン』におけるノストラダムス

小ネタを一つ紹介して、『リヴァイアサン』を終わりにします。 第1部第十二章「宗教について」。異教徒の神官や巫女の予言は、「できごとが二様にとれるようにわざとあいまいにされていたり」「人を酔わせる蒸気によって、つじつまの合わないものにされてい…

ホッブズ『リヴァイアサン』における平和観の問題点

ホッブズの言う平和とは国家「内」の平和に限られており、国家「間」の平和ではない。それが問題点です。 「自然状態は万人の万人に対する戦いであり、コモン‐ウェルス(国家)とはその状態を脱するために設立された」というのが『リヴァイアサン』の主題で…

『世界の名著 32 ロック ヒューム』(中央公論新社 1980)

私の数少ない蔵書の一冊です。名誉革命やホッブズに興味が出てきたので、この機会に読み返すことにしました。 まず、代表作である『統治論』(『市民政府二論』)と、名誉革命との関わりについて。 ※ 第二論文は、名誉革命の準備が進行していた八十七年か八…

ホッブズと名誉革命

前に書いた通り、私は王権神授説も社会契約説も信じていません。日本国も大日本帝国も江戸幕府も、軍事力を背景に、ホッブズの言う「獲得によるコモン‐ウェルス」として生まれています。世界の歴史を見ても、自然状態にある人間どうしの社会契約「だけ」によ…

ホッブズ『リヴァイアサン』(水田洋訳『世界の大思想 13 ホッブズ リヴァイアサン』河出書房新社 1966)

2013年2月24日の記事で、私は以下のように書いてしまいました。 ※ ホッブズといえば王権神授説、というのは高校世界史レベルの常識でして。神授説というからには神を信じているはずなんですけど、デカルトへの反論を読んでると、本当にそうなのか不安…

久保勇「明治期の『平家物語』研究 : 福地桜痴から館山漸之進、山田孝雄へ 」

2012年には福地桜痴関連の論文が三本発表されていますが(Cinii調べ)、そのうち最新の論文がこちらです。 久保勇「明治期の『平家物語』研究 : 福地桜痴から館山漸之進、山田孝雄へ 」 『千葉大学人文社会科学研究 no.25 page.1-12 (20120930)』 http:/…

ホッブズ『リヴァイアサン』(予告)

ホッブズについても以前にあやふやなことを書いたようなので、近日中に日本語訳を読み、訂正すべき点は訂正することにします。ただこちらは、デカルトが四元素説ではなく明確に三元素説だった件と違い、異論が生じる余地がありそうです。

デカルトの三元素説(『デカルト著作集 4』収録 『宇宙論』より)

ガンジーについて書くと長くなりそうなので、先に懸案事項を片付けておきます。 以前に、デカルトを四元素説だと書いたのは、以下にあるように三元素説の誤りでした。訂正します。 ※ 私は自分の流儀で元素の記述をしなければならない。 私は、火の元素と名づ…

ガンジーと日本

非暴力主義について語る以上、いつかはガンジーについても語らねばと思ってはいました。 本名モハンダス・カラムチャンド・ガンジー(1869~1948)。よく使われる「マハトマ・ガンジー」というのは敬称です。「ガンディー」と表記されることもあり、…

非暴力戦術と非暴力主義

宮沢賢治の『ビジテリアン大祭』という作品は、菜食者を「予防派」と「同情派」に分類しています。自分の健康のために肉を食べないのが「予防派」で、動物がかあいそうだから食べないのが「同情派」。 それと同じように、非暴力論者も分類が可能だと思うので…

藤間真「『図書館戦争』における非暴力的戦いについての考察」(2008)

http://ci.nii.ac.jp/els/110006615991.pdf?id=ART0008633174&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1370168775&cp= ↑上記アドレスで全文が読めます。 『桃山学院大学環太平洋圏経営研究』 ((9), 213-229, 2008-03-25)収録。 た…

非暴力戦争―田河水泡『のらくろ大尉』(『少年倶楽部』1938年11月号)を読んで―

当ブログは開設当初より、「核兵器および通常兵器の廃絶」を訴え続けているのですが、困ったことになりました。 もし核兵器も通常兵器も使わない、非暴力戦争が実現してしまったら、絶対平和主義者はどう対応したものでしょうか。現実にはあり得ないにしろ、…