核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

ホッブズと名誉革命

 前に書いた通り、私は王権神授説も社会契約説も信じていません。日本国も大日本帝国江戸幕府も、軍事力を背景に、ホッブズの言う「獲得によるコモン‐ウェルス」として生まれています。世界の歴史を見ても、自然状態にある人間どうしの社会契約「だけ」によって生まれた「設立によるコモン‐ウェルス」なんてものは見当たりません。
 ただ、比較的それに近い例はあります。ホッブズの死後に起きた名誉革命は、完全な無血革命ではないものの、国王の処刑や大規模な内乱を伴わずに革命が成し遂げられた数少ない例です。以下に年表を。
 
 1642年 清教徒ピューリタン)革命
 1649年 国王チャールズ1世の処刑
 1651年 ホッブズリヴァイアサン』刊行
 1660年 王政復古
 1688年 名誉革命
 1690年 ロック『市民政府二論』
 
 この名誉革命、手元にある世界史の本ではえらく簡単に片付けられてまして(フランス革命ロシア革命と差がありすぎます)、私も実態をよく知りませんが、もしかしたらホッブズの思想がなんらかの影響を及ぼしていた可能性はあります。少なくとも、ロックやモンテスキューの本はまだ刊行されていないのですから。
 Ciniiで調べたところ、以下の論文が見つかりました。
 
Onnekink David
東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻紀要 (別冊1), 87-104, 2009-00-00
 ネット上では読めませんが、この号は名誉革命特集らしく、それ関係の論文のあと二本掲載されています。『リヴァイアサン』を読み終えたら、こちらも必ず読みます。
 
 (2013・6・15追記 下の方にコピー&貼り付けの消し忘れがあったので削除しました。また、ロックの名誉革命への影響についても、より正確な資料を見つけ次第訂正する予定です)