2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧
前から気になっていた、伊藤野枝「傲慢狭量にして不徹底なる日本婦人の公共事業に就て」、ようやく入手できました。 ※ 例へば戦争がはじまる、慰問袋を造って兵士達に送るとか金を出すとか飢饉に際して金をとか品物を送るとか云ふことは普通の人にも気のつく…
そもそも小林秀雄という批評家は、過去の評価が定まった大作家を讃えることはできても、同時代の新しい才能を正当に評価することはできない批評家でした。 その好例が、小林秀雄の太宰治観です。正宗白鳥との対談「大作家論」(『光』一九四八(昭和二三)年…
一、二月になまけた報いが来そうです。 最低限、伊藤野枝論は三月上旬で完成させねば。
なぜ小林・湯川対話があんなに難解に見えたのか。湯川秀樹のせいではありませんでした。同じ一九四八年に湯川が出した『思考と観測』を読む限りでは、(数式は飛ばして読んだことを告白しますが)、決してしろうとがついていけないほど難解ではありません。 …
これもデジタルコレクションで読める本。小林秀雄との対談よりも前に刊行された本ですが、かなりの内容が同対談とかぶっています。同対談とは比較にならないほどわかりやすく。つまり、小林秀雄が間に入ることで対談はわかりづらくなっているのです。 これを…
研究に戻れるまでには回復しませんでした。予定は来週に回すことになりそうです。
遅れを取り戻さねば。
日本国憲法第九条が定めた、いわゆる「戦後平和主義」に、なぜか欺瞞や違和を感じる人もいるようです。武力保持の禁止とはいっても、それは在日米軍の圧倒的な武力による押し付けではないかと。そこまでは理解はできます。本当に日本国憲法遵守を掲げるので…
東愛知新聞のサイトより。2022年7月27日掲載記事とのこと。 村井弦斎の偉功を知って 豊橋に研究会が発足 | 東愛知新聞 (higashiaichi.co.jp) どうも豊橋市民の方限定のようですが、来年(2023年!)の生誕160年に偉人伝発刊も計画中とのこと。…
効いてくるのを気長に待ちます。
コロナ2019ではないようですが、三七度七分の熱が出ました。 当分は静養に専念します。
今回は初出『新潮』から引用しますが、この箇所に限っては全集等との異同はありません。 ※ 小林 私ちょうど原子爆弾が落つこつたとき、島木君がわるくて、臨終の席でその話を聞いたとき、ぼくは非常なショックを受けた。人間も遂に神を恐れぬことをやり出し…
ウィキペディアには戦争への抵抗者だったように書いてある、渡辺慧という科学者。 彼が実際に戦時中に書いた巻頭言がこれです。デジタルコレクションより。 ※ 要するに吾人の念願してやまざる点は次の一事に尽きる。大東亜戦完勝の暁に全世界が瞠目して曰く…
湯川秀樹との対談で小林秀雄がやたら持ち上げていた、渡辺慧という人物。 ウィキペディアで読める略歴にはこうありました。 ※ こうした理論的活動にとどまらず、実践的な著作も少なからず発表しており、戦時中においてもリベラリズムを貫き、『科学日本』、…
あの北原白秋も反戦詩を書いていたことだし、人への批判というものは慎重にやらなければいけないことはわかっています。しかし、小林湯川対談(一九四八)の、 ※ 小林 デカルトの持っていた延長という考え・・・・・・物質即ち延長という考え、ああいう着想もだん…
特に終戦直前、直後のあたりを。小林秀雄も出てきます。
また北原白秋の爆発ネタ、戦争賛美か。と思ったら裏切られました。いい意味で。 長い詩なので要約でお送りします。北原白秋『白秋全集』(アルス 一九三〇(昭和五)年)収録。 第一次世界大戦下の青島(チンタオ)が舞台。二人の中国人が畑仕事をしながら、…
これもデジコレで発見したもので、酷評があったから即対談の価値が下がるというものではないのですが。 ※ 編集者 すこし前に、湯川秀樹博士と小林秀雄氏が「人間の進歩について」という対談をおこないましたが、それが広汎な知識人たちの間に相当な反響をひ…
国会図書館になく、『日本の古本屋』で検索しても高価な雑誌『サンス』。 これが入手できないために論文執筆をあきらめかけていたのですが、渡辺の単著『時間』の中に、『サンス』一九四七年十二月初出の論文、「Ⅸ ベルクソンの創造的進化と時間」が収録され…
例のごとくデジコレで検索すると、太平洋戦争下の、『軍事と技術』とか、『言論報国』とかいう物騒な雑誌にも、湯川秀樹は科学解説記事を載せています。 湯川の名誉のために急いでつけくわえますが、彼の言動は反戦的では決してないかわりに、小林秀雄らのよ…
北原白秋関係をデジタルコレクションで検索していたら、「北原白秋の反戦詩」という、気になる語句を見つけました。 松本恭輔「「聖戦」を鼓舞した詩人たち」(『新日本文学』一九九五年一二月)という論文で、「北原白秋の反戦詩」として紹介されている、一…
私が湯川秀樹という名前を知ったのは、小学校低学年の頃にまでさかのぼります。 たしか『○年の科学』という学研の雑誌のふろくで、題名は失念しましたが、科学のえらい人の発明・発見を、一人につき見開き二ページぐらいのまんがでまとめた、分厚い大判の冊…
「核」の字で始まるブログなのに、原子核についてろくに知らなかったことを今さらながら思い知らされました。 「中性子」について検索していたら、「中性子だけでできた原子番号ゼロの原子核」なんてものが観測されたという、半年ほど前のニュースを発見しま…
毎度、ばかばかしい論文裏話を。 自分の書いた論文を、また自分の新しい論文で言及する場合、「拙論「○○」によれば・・・・・・」と書く習慣が文学研究にはあるんですが、あれがどうも私苦手で。謙遜を通り越して卑下になってそうで。「拙は核通亭廃絶でやす」なん…
今日一日の空いた時間で、書けるところまで書いてみます。
小林秀雄の書いたものが無価値であることに変わりはありません。 「様々なる意匠」も、「私小説論」も、「無常という事」も後出しの改竄だらけなのですが(そして、すべての戦後の小林秀雄全集はそれを隠蔽しているのですが)、そうした異同がなかったとして…
小林秀雄週間と宣言しておいて何ですが、「走れメロス」のことが頭にひっかかって。もとネタとされるシラーの「人質」が、検索したらネットで読めました。 ほぼ、「走れメロス」。山賊の数が3人+αで、素手のメロスが武器を奪って3人を倒したところで残り…
伊藤野枝論はすぐ解凍できる程度に凍結して、今週は小林秀雄週間にしようと思います。湯川秀樹との対談「人間の進歩について」をめぐって。 『新潮』初出と『小林秀雄全集』収録版では長さも内容も大幅に違うのですが、ひとまず一番気になってるところを。 ※…
注 意 ! ネ タ バ レ を 含 み ま す ! さて、ウィキペディアの、ある推理小説の項より引用。 ※ 日本ではアンフェアだという声はかなり高かったらしい[10]。雑誌『宝石』誌上の江戸川乱歩と小林秀雄との1957年の対談[11]において、小林は次のように批判し…
4本ほど、「文学と共同性」論文のネタを提示しましたが、うちひとつは手持ちの資料だけで書けることに気づきました。日曜日の残りを費やして、書けるとこまで書いてみます。暗礁に乗り上げた伊藤野枝論は一回休みとして。