2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧
いつか手をつけて放棄した、小林秀雄と湯川秀樹の対談も、かろうじて範疇に入りそうです。 なぜ「かろうじて」なのかというと、例によって『小林秀雄全集』収録の同対談は、小林の発言はもちろん湯川の発言すら大幅に改竄されているからでして。〈共同性〉と…
文学における〈共同性〉というテーマ、持ちネタはいくつかあるんですよ。 ひとつは村井弦斎と遅塚麗水の合作「美少年」。さっきデジコレで検索したけど出てこず、東大の明治新聞雑誌文庫まで行かないと読めない『庚寅新誌』収録の作品ですが、確かアイヌの美…
興味はありますが、今回は見送りか、自由論文で投稿することになりそうです。 以下、『日本文学』公式サイト様より転載。 ※ 9月号特集 文学における〈共同性〉の力学 近現代文学における共同制作という視座は、これまで作家主義やオリジナリティを相対化する…
Yahooニュースの画像で。私もドドリアさんならできるかな。
ま~た核通のキャラに合わないことをとも思われるかもですが、「走れメロス」、今の私はけっこう気に入っています。発端が暗殺未遂なのは、ちょっとまずいですが。 批判の多い作品であることは知っています。星新一も「走れメロス」を、「愚作であり、ゆえに…
いい論文はいいね。ですけど、かんじんの自分の論文が進みません。 書くべきことはわかっているつもりなんですけど、なまけていたせいか、うまく文章化が進みません。小説から詩に浮気したのもよくなかったようです。 今週末には、論文を形にしたいものです。
夢の話なんかしてる場合ではありませんでした。デジコレでも自爆し体あたりし差し違えしまくりです。 あの迷作、ひのまるとほうだんとひこうきを絵心経で表現した詩もありました。晩年の北原は視力を失っていたはずですが、あれは自分で描いたのでしょうか。…
姪(この夢だけの存在)を連れて、駅前で映画を観に行くという設定。 題はうろおぼえですが、『星空の夢』だったと思います。日が暮れ、夜空に「宇宙」の文字や、いくつかの広告が浮かびます。主人公の少年は、楽しみにしていた大サーカスに出かけます。暴徒…
まず、芥川龍之介「侏儒の言葉」の一節を引用します。 「道徳は便宜の異名である。「左側通行」と似たものである。」 「歩行者は右側通行」というルールが戦後にGHQの手でできたのを知らない後世の読者には、誤解している人もいるのではないでしょうか。少な…
一九四五年の原爆投下以前に、皇居にパラシュートで降下し、昭和天皇に「戦争をやめてください」と直談判する計画を立てていた、在米日本人坂井米夫。 坂井米夫「裕仁さん」 - 核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ (hatenablog.com) その坂井米夫が一…
太平洋戦争期、建艦運動のさなかに編まれたらしく、「軍艦を造ろう」「献金しよう」「供出しよう」の詩が目立つ『辻詩集』で、異色の詩がこれ。 ※ 神 高橋新吉 此の現実の生活を知り尽くして 初めて過去の事もわかるのである。 神とは過去である。 現実との…
ああ、なんて節分の日にふさわしい話題なんだ。 オリジナルラブの原曲もすばらしいのですが、このSOTTEBOSSEのアレンジも大好きです。もとの曲と全然違うけど、これはこれでよし。 これも名古屋のヴィレッジヴァンガードで延々と流れてた曲でした。ちーらっ…
法学や現代哲学の最先端がどうなのかは知りませんが、私なりの意見を述べてみます。自分自身を危険にさらすかも知れない、愚行権は認められる。他人を危険にさらすかも知れない、悪行権(これは今考えた造語です)は認められないと。 何が善で何が悪かは、し…
またしても国会図書館様に感謝です。デジタルコレクション万歳。 すばらしい詩集だから、というわけではありません。 太平洋戦争に「協力」する詩を集めた、悪名高いアンソロジーです。 「戦争詩」というジャンルを考える上では、熟読せねばならない本です。…
村井弦斎の代表作『食道楽』に、以下のような詩論があります。青空文庫様より引用。 ※ 「新体詩なんぞに汝なんじと書いてナと読ませてナの俤おもかげとかナの姿とか読ませる。文字を見ずにただ聞くと菜なの花はなが幽霊になったようだ。少年時代に散々困難し…
高木茂男訳。現代”Flatland”。数学の本みたいな題ですが、小説です。 静岡大学の図書館から借りて読み、面白かった記憶がありますが、今でもあるかはわかりません。私が静岡大学に籍を置いていたのは二十年以上前ですので。以下、ウィキペディア「フラットラ…
水谷豊&寺脇康文が刑事を演じる番組ですが、『相棒』シリーズではありません。そのプロトタイプといったところでしょうか。題名は「でかきぞくすりー」と読みます。 この頃の水谷豊氏は敬語口調の知性派ではなく、熱血教師のような雰囲気の体あたり刑事で、…
もう少しだけ、北原白秋よりの話を続けます。伊藤野枝論に軟着陸するために。 「邪宗門秘曲」から絢爛たる南蛮趣味の語彙をとり去り、構造のみを三行でまとめると、以下になります。 「われは思ふ、末世の邪宗、切支丹でうすの魔法。 いざさらばわれらに賜え…