核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

小島英俊〔対論〕東郷和彦『合理的避戦論』(イースト新書 2014) 予告

題名にひかれて買ったものの、扱われている人物の顔ぶれに納得できず、いまだに完読していません。 斎藤隆夫・桐生悠々・水野広徳までは理解できるのですが、北一輝・石原莞爾を「合理的」と評しているのは、どうにも納得できません。書評らしきものを書くの…

北川実「非殺傷兵器―その開発動向について―」

『陸戦研究』1994年6月号。著者は陸自二佐の方です。 20年以上も前の論ですが、現状分析はともかく将来への提言は決して古びていません。特に日本の防衛政策に関するくだりは。 ※ 「大規模な破壊や環境汚染を伴わないで被害局限を狙いとする非殺傷兵…

東大、3人の博士号取り消し

STAP細胞事件以来、不正への対応が厳格になったのでしょう。いいことです。 ※ 3人の博士号取り消し=東大の論文不正で 東京大学分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授の研究チームが発表した論文に画像の改ざんがあった問題で、東大は27日、博士論文に不…

非殺傷兵器という思想

「核兵器および通常兵器の廃絶をめざす」なんて大層な題をかかげていながら、非殺傷「兵器」を推奨するようなことを書くのは矛盾であるか。自分では、「前進のための妥協、一歩後退」のつもりでいます。

バリアー実現?(YAHOOニュースより)

また怪しいニュースに飛びついてしまいました。 ※ ITmedia ニュース 3月24日(火)17時32分配信 SF的“プラズマシールド”が現実に? Boeingが特許取得 特許文書より “プラズマシールド”で軍用車などを守る技術の特許を米Boeingが取得したことが分かり、米メディ…

木下尚江『火の柱』再読

この反戦小説で論文を書いたのはもう十年前ですが、わけあって読み直してみました。 あのころの新鮮な感動は失われていませんでした。 ただ、当時の私を突き動かした、クライマックスの、 「力を以て来るものには、只だ温順を以て応接する外無いでせう」 に…

逆バガヴァッド・ギーター

1990年代から2010年代にかけて、非殺傷兵器は急激に進歩してきました。 とはいえ、それらは現場での兵士・兵器を殺傷せずに無力化するといった戦術レベルのものであって、戦争そのものを阻止するものではなく、むしろ戦争遂行を容易とする道具になり…

アルジュナの葛藤

山際素男編訳『マハーバーラタ』第三巻(三一書房 1993)より。畏敬するビーシュマとの対決を避けられなくなったアルジュナの葛藤場面。 ※ 「あの立派な老人とどうやって戦えようか、クリシュナ。小さな頃、泥だらけの体で祖父さまの膝によじのぼり、衣…

「化学原理を利用した これが新しい非致死性兵器だ!」(『防衛技術ジャーナル』2007年2月号)

「イラストでよむ将来兵器!(第23回)」。文 木村潤一 絵 清水香代。 前回紹介した江畑論文から十年。ゴム弾やスポンジ弾程度しかなかった非致死性兵器の、21世紀の進歩ぶりを示す文献です。 以下、要約で。 ・車両テロ対策 燃焼促進剤によるエンジンの…

江畑謙介「ボスニア配備「非致死性兵器」の効果」(『世界週報』1997年12月9日)

もう18年も前の論ではありますが、問題提起は現代に通じるものがあります。 「武力衝突の当事者が一般住民である場合、平和維持・執行部隊は本来、それらの一般住民を助けるために赴いているのに、その人々に銃を向けるのであるならば、何にもならなくなっ…

地球少女アルジュナ

「アルジュナ」で検索すると、そういう名前のアニメがむやみと出てきます。 問題作らしいけど、今回の問題意識とはちょっと違うかな。

『マハーバーラタ』主要登場人物紹介

ただいまビーシュマ最期まで読み終えました。そのあたりまでの登場人物を、『平家物語』になぞらえてまとめてみます。よけいわかりづらかったらすみません。 ・五王子軍 ユディシュティラ パーンドゥ五兄弟の長男。総大将格。『平家物語』でいえば源頼朝。 …

「バガヴァッド・ギーター」 その2

開戦直前に敵を殺すのが嫌になったアルジュナへの、クリシュナの答え編。 ※ 汝は嘆く要のない者について嘆いた。 しかも思慮あるような言葉を語る。 死者のことをも生者のことをも、 識見ある人は嘆きはしない。 「バガヴァッド・ギーター」『ヴェーダ アヴ…

「バガヴァッド・ギーター」 その1

平和主義者必読の問題作です。 インドの古典『マハーバーラタ』に語られる、五王子と百王子の戦争の一場面。 五王子の一人アルジュナは敵味方の軍勢を眺め、両軍いずれもにも親戚知人がいるのを見て(五王子と百王子はいとこ同士なのです)、かたわらのクリ…

村井弦斎の絶対平和主義宣言(初出より)

前に紹介した時は改造社の現代日本文学全集版(1928(昭和3)年)でした。今回は『婦人世界』1918(大正7)年5月号の初出版で。星一『三十年後』とほぼ同時期で、新聞の同じ面に広告が出てたりもする小説です。 ※ 「小夜子さん、復(ま)たしても…

小林秀雄「事変の新しさ」(『満洲新聞』1940年8月27日~8月31日)

『すばる』2015年2月号掲載文より抜粋要約。 (一) 政治家には非常時の政策というものがあるが、文学者には非常時の思想などない。 (二) 文学者は表現がすべてであり、「表現は拙いが内容はいい」などということはない。 (三) 政治家が歴史の表面に現…

小林秀雄「北京だより」(『満洲新聞』1938年11月29日)

『すばる』2015年2月号掲載文より箇条書きで要約。 ・清朝のデカダンスの遺物にはただもうあきれるばかりです。 ・こまごました宝物には少しも美しさがありません。 ・承徳のラマ寺には全く感心しました。 ・北京にはあの程度の強いものも恐らくありま…

小林秀雄「歴史に就いて」(『満洲新聞』1938年11月29日~12月3日)

『すばる』2015年2月号掲載文より要約。 (一) 歴史は決して二度繰り返さない。母親にとっての子供の死と同じように。 (二) 「歴史は繰り返す」という言葉は、歴史家の合理的な解釈にすぎない。 (三) どんなに客観的であろうと努めても、歴史観と…

「満洲新聞」所載三篇再録

『すばる』2015年2月号に掲載された、新発見の小林秀雄三篇、やっと入手しました。 「歴史に就いて」「北京だより」「事変の新しさ」の三篇です。 よく知られている「歴史について」や「事変の新しさ」とあまり変わらないように見えますが、土日にじっ…

やや不調

本日も考えがまとまらないのでおやすみします。

三笠の巻

横須賀に行ってきました。めあては記念艦三笠です。JR横須賀駅から30分ほど歩きました。 予想していたよりはだいぶ小さい気がしましたが、艦内の展示品は充実してました。新旧連合艦隊の模型がずらーっと並び、バルチック艦隊のも。水上機を見て、「これ…