核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ある思い出と、国民国家論をめぐる感想

かれこれ20年前。うっすらとした記憶によると、大学院のゼミの場で、 「国民国家論の立場からは、平和主義も批判の対象なんですよ」 というような批判を受けたことがあります(そのままの言い回しではありません)。 当時、木下尚江の日露非戦論に入れ込ん…

西川長夫『国民国家論の射程―あるいは「国民」という怪物について』(柏書房 一九九八) その1

本日入手しました。 熟読し、理解した上で感想を述べようと思います。

アトミック日光浴

なんか占領軍のえらい人が、日本国憲法草案を日本側につきつけた時、原子力の日なたぼっこをしていたとか言った挿話。前から気になっていたのですが、加藤典洋『敗戦後論』一九~二〇頁に出典らしきものがありました。加藤著から孫引き。連合軍総司令部民政…

西野勉「斎藤幸平『人新世の「資本論」』集英社新書(2020年9月)に おけるマルクス利用・援用の問題性  「脱成長コミュニズム」主張のための我田引水解釈・捏造・虚言・妄言について」  

『高知論叢』(二〇二一年一〇月)。 やっぱり、マルクスが言う"Erde”は地球じゃなく土地でした。 ※ 「資本主義時代の成果―すなわち,協業と,土地の共同占有ならびに労働そのものによって生産された生産手段の共同占有―を基礎とする個人的所有を再建する。…

そろそろ戦後に手を広げたいところだが

漱石の「夢十夜」と『明暗』で卒論・修論を書き(さんたんたる出来でしたが)、『明治の平和主義小説』という博論を書いた(題は変ですが、こちらはまあまあ満足)私ですが、そろそろ本格的に戦後(1945(昭和20)年以降)に手を広げようと考えていま…

村上RADIO

来週で好きだった番組が最終回になったりもしますが、まだまだ聞くべき番組は残っていました。テレビよりはラジオ派。

西川長夫『国民国家論の射程―あるいは「国民」という怪物について』(柏書房 一九九八)入手予定

はたして国民国家論の射程とは。 24年も前の本ではありまして、とうの昔に熟読しているべきだったのですが。機会に恵まれませんでした。 今更のように気になりまして。たぶん加藤典洋『敗戦後論』への言及もあるはずです。

顔を洗って出直してきます。

小林秀雄と湯川秀樹の対談、「人間の進歩について」を、ここのところ読んできたのですが、どうも今の私にこれで論文を書く力量はないことに気づき、断念しました。 初出、小林全集、湯川編著の異同はつきとめられたので、ただの校訂ならそれですむのですが、…

加藤典洋『敗戦後論』(講談社 一九九七)

敗戦後の平和論の「ねじれ」を突くと称する論説。 ※ 三年前(一九九一年)、湾岸戦争が起こった時、この国にはさまざまな「反戦」の声があがったが、わたしが最も強く違和感をもったのは、その言説が、いずれの場合にも、多かれ少なかれ、「反戦」の理由を平…

関口すみ子『漱石と戦争・植民地 満州、朝鮮、沖縄、そして芸娼妓』(東方出版 二〇一八)

先日入手しました。 水川隆夫『夏目漱石と戦争』(平凡社新書 二〇一〇) 小森陽一『戦争の時代と夏目漱石 明治維新150年に当たって』(かもがわ出版 二〇一八) に続き、このテーマでは3冊目の入手です。 で、関口著ですが、ほぼ同時(ともに二〇一八年…

ちょっと話題を変えるか

研究とは直接関係のない話を。 私は最近、『封神演義』関係に没頭していまして、藤崎竜の漫画方面の展開から、元になった殷周革命の記録まであれこれと検索しています。横山光輝版も気になってはいますが未読。 殷の王妃、妲己(だっき)が実は狐の妖怪で、…

また貴重な一日をむだにしてしまった

論文一本書けるだけの資料はあるのですが。 書き、投稿する意味があるのかどうか、迷いが生じました。 前に書いた論文の書き直しも試みましたが、それも進まず。 後ろ向きな内容ですみません。

「差別の止め方」よりも、「戦争の止め方」を優先する理由

大学院博士課程に進んだ当初は、「差別と文学」を扱うつもりでいました。 反戦文学に軸足が移動したのは、木下尚江や村井弦斎という作家に出会い、入れ込んだせいももちろんありますが(無計画な話です)、より根本的には、差別の止め方よりも戦争の止め方(…

湯川秀樹・小林秀雄対談の再検討

この対談を正面から検討した論は今のところなく、研究にはなると思うのですが。 明日、コピー用紙を並べて、じっくり分析してみようと思います。

笙野頼子『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』(講談社 二〇一七)読了

熟読しました。私は特に愛猫家ではないので、猫の世話関係の描写にはあまり感情移入できませんでしたが。 「文学で戦争を止めよう」という大方針には、まったく賛成であり、茶化したり冷笑する気はまったくありません。が。 この著書のいう「文学」とは、「…

エリシャ事件で検索してたら

「旧約聖書のエリシャとかいうハゲwwwwwwwwwwwwww」というスレで、 以下のようなレスが見つかりました。 ※ 21:名無しさん@おーぷんこれ読んだ時「なんでその場でモワッと増毛して見せんかったんや?」という疑問持ったわ そして「神は全能で…

笙野頼子『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』(二〇一七) 入手予定

うかつにも、こういう題名の本があったことを今まで知らずにいました。 笙野氏の講演は一回聞きに行ったことがありますが、その時は戦争の話題は出なかったもので。 まえがきだけ無料試し読みしました。全文読んでみる価値はありそうです。

はげ熊事件

聖書の非人道性を示す挿話。けっこうネット上で流布しているので、最小限の引用にとどめます。旧約聖書『列王記Ⅱ』2。 ※ エリシャはそこからベテルへ上って行った。彼が道を上って行くと、この町から小さい子どもたちが出て来て、彼をからかって、「上って…

初期キリスト教のカルトっぷりについてーアナニヤ・サッピラ事件ー

「全財産よこせ。でないと殺す」と信者に要求し、実行さえする宗教を、一般的に何と言うでしょうか?「カルト」「反社会的集団」ですね。「邪教」という答えもあるかも知れません。 では、『新約聖書』中の「使徒の働き」5をご覧ください。使徒(初期キリス…

石川明人『キリスト教と戦争 「愛と平和」を説きつつ戦う論理」(中公新書 二〇一六)

キリスト教の一派であるロシア正教が、ロシアの侵略戦争を支持しているという記事があります。 ※ 英国政府は6月16日、ロシアの宗教界の重鎮であるロシア正教会のキリル総主教を制裁対象に追加した。背景にはキリル総主教が軍事侵攻を容認するだけでなく、強…

行くぞ、『世界』を手にするために

いや、埴谷雄高と大岡昇平の対談が載ってる『世界』誌を見に国会図書館に行くかどうかってだけの話ですけどね。それとも単行本で間に合わすか。

関口すみ子『漱石と戦争・植民地―満州、朝鮮、沖縄、そして芸娼妓』(東方出版 二〇一八) 入手予定

漱石と戦争についてあれこれ調べたつもりでしたが、うかつにもこの本は読み落としていました。紀伊國屋書店のサイトより、内容紹介を。 ※ 内容説明漱石は何を悩んでいたのか?―安重根との異常接近がもたらしたものは何か。過去を照射し、現在に問いかけるま…

ぬかった

今日は久しぶりにプレイヤーとしてTRPGに参加でき、充実した一日だったのですが。 図書館に寄りそびれました。モルテス関係は後回しにして、先にできる仕事を片付けていくことになりそうです。

エネルギー・モルテス その2

「モルテス」「mortes」「moltes」などで検索しても、人名らしきものしかヒットせず。グーグル翻訳で「mortes」と入れたら、ポルトガル語で「死亡者(数)」と出てきました。 エネルギーの死亡者。どうもポテンシャル(潜在的な)の対語としては意味不明です…

エネルギー・モルテス

湯川秀樹との対談で、小林秀雄が「エネルギー・モルテス」という、耳慣れない言葉を使っていました。「エネルギー・ポタンシェル」と一対で使っているので、その反対の意味だとは思うのですが、「モルテス」「mortes」などで検索しても出てきません。 湯川秀…

現代物理学復習

小林秀雄と湯川秀樹の対談「人間の進歩について」を扱うとなると、どうしても現代物理学、それも対談が行われた一九四八(昭和二三)年時点の知識が必要になるようです。まず、『湯川秀樹著作集』あたりを読み返してみます。

『社会文学』57号 原稿募集

このところ連敗中ですが、また『社会文学』誌に投稿してみたくなる理由が生じまして。こりずに書きます。 以下、『社会文学』公式サイトより。 ※ 『社会文学』57号・原稿募集 * 社会文学』57号 特集:沖縄「返還」50年 『社会文学』57号の特集は「沖縄「返還…

筒井康隆「最初の混線」

筒井作品はたいがい読んだと自負していましたが、この「最初の混線」は記憶にありませんでした。宮部みゆき「混線」ともども、図書館で探してきます。

宮部みゆき「混線」(『地下街の雨』)

小説と電話機についてあれこれ検索していたら。YAHOO知恵袋で。 ※ 昔に読んだ小説?についてです。 電話機の中には妖精が働いていて、普段は悪さはしないけど電話を使った詐欺師などの悪事を働いた人は受話器の中に吸い込んでしまうっていうストーリーの小説…

・精神医学的にみた近代日本文学・補遺(16)夏目漱石(2)・小林秀雄(3)・三島由紀夫(2)・川端康成(2)・湯川秀樹 高橋 正雄 聖マリアンナ医学研究誌 = Journal of St. Marianna Medical Institute 21 (96), 45-50, 2021

いい感じに、小林秀雄と湯川秀樹を扱った論文が見つかったので、近日中に取り寄せようと思います。 両者の対談を見る限り、湯川秀樹もまた、まじめに提示された諸問題に答えていないように思えるのですが・・・・・・それもまた、小林秀雄の改竄の産物なのでしょう…