核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

ちょっと話題を変えるか

 研究とは直接関係のない話を。

 私は最近、『封神演義』関係に没頭していまして、藤崎竜の漫画方面の展開から、元になった殷周革命の記録まであれこれと検索しています。横山光輝版も気になってはいますが未読。

 殷の王妃、妲己(だっき)が実は狐の妖怪で、天竺の華陽夫人や日本の玉藻前(たまものまえ)と同一存在であるという伝承があるのは知っていましたが。

 華陽夫人(天竺)→妲己(殷)→玉藻前(日本)と真東に移動したのかと思ったら違うようです。高井蘭山『絵本三国妖婦伝』(一八〇三ー一八〇五)を孫引きすると、

 

 「唐土(もろこし)殷の紂王の后妲己と変じ、紂王を蕩かして国を亡ぼし、夫より天竺に渡りて班足(はんぞく)太子の愛妃華陽夫人と号し、政道を擾(みだ)り再び唐土に帰り、周の幽王の后褒似となり周室を傾け、其後日本に来り玉藻前(たまものまえ)と現じ、鳥羽院の玉体に近寄奉りし・・・・・・」

 

 引用は関口すみ子漱石と戦争・植民地 満州、朝鮮、沖縄、そして芸娼妓』(東方出版 二〇一八 四四頁)より。東奔西走、行ったり来たり、妲己ちゃんも大変です。

 小説『封神演義』(集英社文庫)では妲己は最後に退治されているので、その先は風評被害ということに。まあ、名前ありキャラだけで三六五名も巻き添えを出して、張本人には逃げられましたじゃ、読者も納得しないだろうし。

 と思ったら、それに近い結末のサブカルもありました。あれも『絵本三国妖婦伝』にはつながりそうもない結末ですが。