核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ボルヘス 「記憶の人・フネス」

アルゼンチンが誇る夢幻と無限の作家、ホルヘ・ルイス・ボルヘス。篠田一士氏の訳による短編、「記憶の人・フネス」(1942)をご紹介します(書誌情報は 「バベルの図書館」「内緒の奇蹟」に同じ)。 「おまえは今までに食ったパンの枚数を覚えているの…

大江健三郎の福島第一原発推進論2

1968年7月30日(福島第一原発建設中)の、大江健三郎の発言。 「核エネルギーを開発することにぼくは不賛成ではありません。わが国でもじつは核エネルギーは現に開発されています。日本人が核アレルギーで萎縮している、と主張する連中は意識してその…

ボルヘス 「内緒の奇蹟」

もし時間を止められたら。 と考える人は多いらしく、SFやまんがにはしばしばそういう能力を持つ人物が登場します(「人間」でないケースもありますが)。しかし、その能力がよりによって死の確定直後に発動したとしたら? 1939年3月29日午前9時に…

ボルヘス 「バベルの図書館」(『集英社世界の文学9 ボルヘス』 1978収録)

1980年代ごろ、南米文学のちょっとしたブームがありました。筒井康隆からポロロッカ(さかのぼり現象)した私も、わからないなりにコルタサルだのカルペンティエールだのを読みふけったものです。中でも、今回ご紹介する、「バベルの図書館」のホルヘ・…

谷沢永一 『完本 紙つぶて』 文芸春秋 1978

このブログでも二回ほど名前の出てきました、谷沢永一(たにざわえいいち。やざわえいきちでもヤザワエーサクでもありません)の代表作、『完本 紙つぶて』をご紹介します。 当ブログは昭和女子大学刊行の『近代文学研究叢書』の装丁につきまして、谷沢永一…

大江健三郎の福島第一原発推進論

あらためて、1968年5月当時(福島第一原発建設中)の大江健三郎の発言を引用します。 「現に東海村の原子力発電所からの電流はいま市民の生活の場所に流れてきています。それはたしかに新しいエネルギー源を発見したことの結果にちがいない。それは人間…

『女浪人』論、結局仕上がりませんでした

大江健三郎の『宙返り』なんてものを読んだばっかりに、ここ数日悪夢とパラライズ状態に苦しみましたが、ようやく正常な精神状態に戻りました。 これほど本を読んだことを後悔したのは、オーウェルの『1984』以来です。あっちは「こういう未来にしてはい…

大江健三郎 『核時代の想像力』 新潮社 2007

「そして翌年(引用者注 1955年)、ヘルシンキでもサルトルは演説をしましたが、それは核兵器の禁止ということは、全面的な軍縮への展望、核兵器のみならず、あらゆる意味での兵器の軍縮という展望にたって論じなければならない、という考えかたを示すも…

ニューヨーカー紙 大江健三郎 "HISTORY REPEATS"

ウィキペディアが出典というのも問題なので、ニューヨーカー紙3月28日のサイトを引用します。 http://www.newyorker.com/talk/2011/03/28/110328ta_talk_oe To repeat the error by exhibiting, through the construction of nuclear reactors, the same …

大江健三郎の発言をめぐって

「東日本大震災原発事故と核兵器との結びつけ 2011年の東日本大震災の福島第一原子力発電所事故に際して米誌「ニューヨーカー」に対して「歴史は繰り返す」と題された寄稿を投稿した。同文において「原発建設は人命軽視の姿勢を示すもので、広島の原爆犠牲者…

perfume 「チョコレイト・ディスコ」

特にperfumeのファンではありませんが、ふと気になったので。 さっきテレビから、「チョコレイト・ディスコ♪ バレンタインが近づいて♪」という一節が流れてきて、はっと思い当たりました。 「ジョジョの奇妙な冒険part7 スティール・ボール・ラン」なるまん…

中将棋3-「鯨睨」くんの愛称、募集します♪

「成長前は前後に無限移動 成長後は前後無限移動に加え、ナナメ後ろ二方向に無限移動が可能」 な存在に心あたりのある方、ぜひとも本日のコメント欄にご投稿をお願いします。 バイオテクノロジーから量子力学まで、出典はなんでも結構です。 いや、私も考え…

福地桜痴 「女浪人」論 投稿します

(2021・1・28追記 またしてもボツになりました。残念) (2021・2・28追記 十年の時を経て、新資料を入手したので再投稿します) 実は「女浪人」論はとある雑誌に投稿して不採用になったことがあるのですが、このたび金土日で全面的に改稿し…

中将棋2―いかに獅子を殺すか

中将棋の指し方と基本戦法のサイトが見つかりました。 http://www.ne.jp/asahi/tetsu/toybox/chushogi/index.html まさか、中将棋文献の翻刻に塩村耕先生とN大関係者が関わっていようとは。一度お手合わせ願いたいものです。 とりあえず、前回紹介しきれな…

中将棋

ものごころついた時からの戦争ゲーム好きな私ですが(平和主義に目覚めたのは小学生以降です)、このとしになって久々に血をたぎらせるゲームに出会いました。日本古来の盤上遊戯、「中将棋」です。 http://sdin.jp/browser/board/chushogi/ 上記のサイトで…

『近代文学研究叢書』 全77巻 昭和女子大学編

ある作家(たとえば村井弦斎)が一生のうちに書いたもの、書かれたものを全部まとめて知りた~い。そんな欲張りなあなたにおすすめなのが、『近代文学研究叢書』。 394名の有名無名の文学者の書誌情報(本人が書いたものと、本人について書かれたものの題…

創作むかし話 「不幸の手紙」

森にすむタヌキの家に、一通の手紙が届きました。差し出し動物は書いてありません。 「タヌキさまへ これは不幸の手紙です。これから4日以内にこれと同文の手紙を4通出さないと、あなたはおそろしい不幸に見舞われます。手紙を出さなかったヤマネコは、が…

花より文献。

日帰り国会図書館行から、ただいま帰還しました。 サクラの花も咲いてたけど、のんびり見てる余裕はありませんでした。なにしろ五時閉館なので。 あちこちの照明や検索端末が停止して、作業中閲覧不可の雑誌がやけに増えてましたけど(今回の目玉、現代思想…

明日、国会図書館に行ってこようと思います

青春18きっぷが一回分あまったので、日帰りで資料漁りの旅に出てきます。 日本文学はアウシュヴィッツを阻止できたかも知れない、という可能性に比べれば、私の悩みなど小さなものです。 今まで何度かあったように、文学研究が迷った私に道を示してくれる…

盗作麻雀小説 「鳴きのブー」

タイトル原案 「哭きの竜」様 盗作 アンタルキダス 動物麻雀小説 「鳴きのブー」 「ブー(あンた、おなかがふくれてるぜ。タヌキさん)」 「鳴きのブー」と異名をとるそのブタ雀士は、鼻の前にやった前足でツモ牌をつかみ、手牌に加えた。 動物ばなれのした…

人生最大のうつ状態から、やっと脱しました

私は物ごころついた時からのうつ気質でして(うつ病ではないと診断されています)、壁につきあたるたびに行動不能(RPGでいうパラライズ)状態に陥るのですが、今回のは最悪でした。 はじめて死の恐怖にめざめた時(今に至るまで、私は来世の存在を信じて…

文学研究者、廃業します

思うところあって、博士号およびプロとしての文学研究を断念することにしました。 「沖中仕の文学研究者」でもめざしますか。

また旅に出てきます

今度は冒険ではなく、気ままな花見の宴です。 名古屋の盛りの桜を見ながら、小林秀雄のことでも考えてこようと思います。 なので、更新はしばらく休みます。 未亡人VS近藤勇の決着が気になる方は、近代デジタルライブラリーで、『女浪人』をご検索ください…

福地桜痴 「女浪人」 前編

全国の未亡人フェチのみなさま、お待たせしました。 明治未亡人SFの決定版、福地桜痴(ふくちおうち)の「女浪人」をご紹介します。 時は幕末。新撰組の芹川鴨(実在のせりざわかもとは無関係、らしいです)に幕臣の婚約者を殺された若き未亡人は、あだ討…

矢野龍渓 「報知異聞 浮城物語」

郵便報知新聞社長、矢野龍渓自らが社の経営危機を救うために書いた、スチームパンク海洋冒険小説、「報知異聞 浮城物語」(郵便報知新聞 1890(明治23年)1~3月)をお届けします。 主砲は36センチ。トン数6500トン。20ノットに8300馬力…

村井弦斎 「匿名投書」

報知四天王、第二の刺客。村井弦斎の新聞小説第一作(別のペンネームで書いてた説もありますが未確認。黒岩さんに聞いとくべきだった)、近未来小説「匿名投書」(郵便報知新聞連載 1890年(明治23年)7~8月)をご紹介します。 189X(明治23…

重大発表!

今まで隠していてすみませんでした。 私はこれまで明治文学研究者のアンタルキダスとか名乗ってきましたが、 実はブタ山田とん平という、ただのブタでした。 ブタ小屋に帰って、修行をやりなおします。 ぶひ。