核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

幸徳秋水「遠征」をめぐる雑感

昨日は休んでしまいすみません。 「遠征」について書きたかったのですが、伊勢田論の読み込みに時間がかかってしまいました。ここしばらくは私の雑感ということで。 「遠征」が反戦小説か否かは別として、この作品は私が近来考えてきた、「チキンホーク」や…

遅塚麗水「電話機」研究にまた新たな展開?

大道晴香氏という方が、以下のような研究をなさっておられるようです。 ※ 「電話」と「死者」, 大道晴香, 國學院雑誌, 122, 6, 2021年06月15日, 國學院大學 電話、その宗教的なるもの : 近代メディア機器をめぐる宗教的リアリティーについて (第71回学術大会…

幸徳秋水が書いた小説「遠征」

幸徳秋水という名を出すと、左右を問わず「あの大逆事件の」と身構えてしまう方が多いとは思いますが。これは日清戦争期に彼が書いた戦争小説です。 『家庭雑誌』一八九四(明治二七)年、第三七号付録。以下、あらすじを。 明治二七年九月〇〇日。日本軍ま…

内田樹「マルクスはいいぞお」の支離滅裂

マルクスの是非はおくとしても、以下の文章はそれだけで誤っています。 マルクスはいいぞお - 内田樹の研究室 (tatsuru.com) より引用。 ※ 私は社会理論としてのマルクス主義の政治的有効性にはひさしく懐疑的であるが、カール・マルクスというひとの天才的…

内田樹「私と資本論 自由に読み、語れる言論環境」への批判

まず、内田樹(うちだたつる)氏の文章を引用します。 私と資本論 内田樹さん - 「しんぶん赤旗」 (jcp.or.jp) より転載。 ※ 私たちの『若者よマルクスを読もう』は中国語訳されて、中国共産党の「党幹部必読図書」に指定された。申し訳ないような話だが、そ…

内田樹「マルクス再読」(白水社のサイトより)への批判

内田樹という方は哲学者と称しているそうですが、非論理的な文章を書く方です。 内田樹「マルクス再読」 - 白水社 (hakusuisha.co.jp) より抜粋。今回は引用部分が長い上に、私とは真逆の意見なので、いつもの「※」印に加えて、引用箇所は文字の大きさを変…

TRPGで10分間は短すぎた

D&Dの本を買ったのはいいのですが、なかなか遊ぶ時間がとれずにいます。 構想だけは、次々シリーズまでふくらんでいるのですが。

戦後エンターテイメントと核エネルギー

このテーマでは多くの方が書いていますが、自分なりのまとめを。エポックメイキングと思われる作品に絞ったので、ガンダムがないドラえもんがないといった批判は甘んじて受けます。 まず、1950年代。『鉄腕アトム』のような、核エネルギーを輝かしい科学…

村井弦斎『写真術』のカラーな挿絵

ヤフオクに、鰭崎英朋という人の口絵がついた、『写真術』が出品されていました。 裏表紙(能面の絵)はカラーでした。色まで写る写真の発明を扱った同作品にふさわしい装丁です。 中の挿絵もカラーなのかは気になるところですが、落札価格は36100円。…

ムフ先生のアゴニスティクスを読みたい……

SEAリサーチラボ様より、同書の内容紹介を引用。 ※ 反ネオリベラリズムの論客の一人で闘技的民主主義(agonistic democracy)を主張している政治学者、シャンタル・ムフが、自身のこれまでの議論を簡潔に集大成したもの。universeではなく、pluri-verseであ…

福地桜痴『仙居の夢』再考

この作品については十年以上前に書き、博士論文の第一章に収録もしたのですが、ムフをはじめとする民主主義の諸理論を学んだ今の視点で読み直してみたくなりました。 一八九〇(明治二三)年の第一回衆議院選挙を扱った政治小説なのですが、この作品の特異さ…

『明治文学全集 11 福地桜痴集』中の日本文学不振論

初出は『東京日日新聞』明治八年四月二十六日。古すぎではありますが。 江戸時代にはそれなりに小説があったという文脈で。 ※ 然るに十年以来ハこの小説も又微々として振ハず、今日に及びてハ全く廃絶したる姿と成り、実に文学の大衰微の兆を世上に顕ハした…

ヤンガス、342階を行く

999階は遠いです。

文学は終わらず、小説は死せず

2004年頃、『近代文学の終り』とか、『小説の終焉』とかいう批評本が出て、当時の私は気が重くなったものです。今の私はそれほど素直ではないので、文学や小説が終わったなどとはまったく思っていません。 『小説家になろう』というサイトの隆盛でも解る…

伊勢田哲治「フィクションはいかにして理由つきの主張を行うか」(Nagoya Journal of Philosophy Vol. 15 (2021), pp. 14-32)

私の今の問題意識と直接に関わるご論文です。 虚構作品はいかにして、たとえば「戦争はよくない」といった主張を行うか(そもそも行えるか)という問題。私も博士論文の序論でフィクション論めいたものを展開したことはありますが、深入りはしませんでした。…

アドルノは結局理解できませんでした

私の今の問題意識と直接に関わるものではなさそうなので、残念ですが後の宿題ということにしておきます。

文学極衰論についての論文

文学の終りをめぐる言論は今日に限ったことではなく、明治期にも文学極衰論が存在した……といった論を書くために、CiNiiで検索してみました。 三本ではありますが、これらを手掛かりに原史料をあたるとけっこうな時間がとられそうです。本筋ではないので、深…

投票したい党がない

現在に限ったことではなく。 第一回衆議院選挙を扱った、福地桜痴の政治小説『仙居の夢』(一八九〇)も、立候補者四人がいずれもろくでもない政党人ばかり、という事態を描いていました。 私も投票したい党がなく、さりとて棄権もしたくないという、困った…

日生ファミリースペシャル「坊っちゃん」

私がはじめて夏目漱石に出会ったのは。記憶をたどり検索して、アニメの「坊っちゃん」だったと知りました。1980(昭和55)年6月13日。 日生ファミリースペシャルという枠で、日本古典文学をアニメ化していました。懐かしい思い出です。文学全集で「…

今は待つ時

11月には国会図書館に行きたいものです。

「クトゥルフ」とか「アブドゥル」といった、「ゥ」を含む固有名を発音する際。 私の発音は字にすると「クトゥールフ」「アブドゥール」だったことが、実況動画の類で気づかされました。間違ってたようです。

はねおきた

けっこう強い地震がありました。

ファンタジーじゃがいも警察

中世ヨーロッパをモデルにしたファンタジー世界に、新大陸原産のじゃがいもが出てくるのはおかしい、と問題になるケースがたまにあって、ファンタジーじゃがいも警察と呼ばれているようです。 私は「じゃがいもはあってもいい」派です。中世といってもルネサ…

ダンジョンもののアイディアは思いつかない

そのために以前から迷路作成ツールやシナリオ作成表を作ってたわけですが。 いざとなると、それらにプラスアルファが欲しくて。センスオブワンダーが。 旧ソードワールドの『石巨人の迷宮』はまさにそれでした。ああいう目が覚めるようなシナリオを作りたい…

密室殺人のトリックを思いついた

といっても、D&Dモンスターマニュアルに出てくる、あるモンスターを使用した反則トリックですが。外側から「アーケイン・ロック」(鍵を閉じる呪文)をかけるとかではありません。 魔法捜査官みたいなのが存在するとしたら、一発でばれそうなトリックではあ…

メーテルの母がラーメン屋でバイト?

不朽の名作SF『銀河鉄道999』の、続編の一つである『アルティメット・ジャーニー』(作画は松本零士先生ではなく別の方)の、第七巻を読んでいたら。 昭和30年代雰囲気の惑星で、大事なパスを盗まれ、鉄郎とメーテルはラーメン屋「やよい軒」で生計を立…

ドラゴンだけでも40種

D&D世界のドラゴン(ワイヴァーンとかドラゴンタートルは除外した、トゥルードラゴン)は、善の傾向を持つメタリック・ドラゴンと、悪のクロマティック・ドラゴンに分れています。前者がゴールド、シルヴァー、カッパー、ブラス、ブロンズ、後者がグリーン、…

D&DなどTRPGの「第〇版」について

これが広辞苑とかなら、第何版でもそれほど劇的に違うことはないのですが。 D&Dの初版(いわゆる「赤箱」)と現行の第五版では、それどころか第四版と第五版でも、ルールがまったく違いまして、互換性がないわけです。知ってる人には常識かも知れませんが、T…