核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

内田樹「マルクスはいいぞお」の支離滅裂

 マルクスの是非はおくとしても、以下の文章はそれだけで誤っています。

 マルクスはいいぞお - 内田樹の研究室 (tatsuru.com)

 より引用。

 

   ※

 私は社会理論としてのマルクス主義の政治的有効性にはひさしく懐疑的であるが、カール・マルクスというひとの天才的知性には高校生のときから変わらぬ敬意を抱いているからである。
 その人の立てた理論が歴史的反証事例によって失効しても、その人が独力で美しいほど端正な理論体系を打ち立てた力業に対する敬意は失効しない。
 そもそも「社会主義圏が崩壊したという歴史的事実がマルクス主義の終焉を告知しているではないか」という言葉遣いそのものが、「歴史という審級において理論の当否は検証される」という “俗流マルクス主義” にのど元まで浸かった人間の言い草だからである。
 歴史はものごとの当否を検証することもあるし、そうでないこともある。
100年単位で見た場合に、人類の選択はおおむね適切な方向に向かっているが、10年単位で見た場合には、そうではない。

   ※

 

 カール・マルクス(1818~1883)の名を冠した国や政権は、一つの例外もなく虐殺と独裁をもたらしました。まさに「100年単位」で見てです。一つの成功例もありません。

 「100年単位で見た場合に、人類の選択はおおむね適切な方向に向かっている」のであれば、人類はもはやマルクスを捨てる選択をしたとみるべきでしょう。