2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧
以下の点に注意して読んでくるつもりです。 ・闘技的民主主義のルールを守らない者(独裁国家・テロリスト・重犯罪者・カルト宗教等)にどう対処するか? ・闘技的民主主義のルールを守れない者(幼児・新生児等)に対しては? ・ムフは平和主義をどう考えて…
「世界は一家、人類はみな兄弟」的な思想は、どうも私にはなじめないものがあります。 (毛沢東やポルポトを兄弟とみなせるでしょうか?) かといって、友と敵を峻別するシュミット的な思想は、平和主義者である私にはもっと受け入れがたいものです。「敵は…
松本重治責任編集『世界の名著 33 フランクリン ジェファソン ハミルトン ジェイ マディソン トクヴィル』(中央公論社 一九七〇)より。 デモクラシー論の古典ということで読んでみたのですが、私には難解でした。論文の締め切りが迫っていることもあり、…
書庫「近代化言説」は、「福地桜痴」と改名して残しておくことにします。 『空中征服』論の時のように、再起の機会があることを信じて。
全国の慶子さんごめんなさい。というわけで、今回はらちもない雑文にします。 ムフは「シュミットとともに、シュミットに抗して」という言い方をしているそうですけど、謙遜に過ぎる気がします。シュミットの「友/敵」論とムフの「対抗者」論では、『ドラゴ…
矢野龍渓『経国美談』中にも、ムフ的な闘技的民主主義の体現者がいないもんかと探したら。 それに近い人が見つかりました。『経国美談』後篇の登場人物、阿善(アゼン)純正党の若手政治家、カリストラチウス。平等主義者ヘージアスに対する批判者として登場…
「アレント、ムフ、ランシエール」という副題の論文が見つかり、にわかにやる気が出ております。理論苦手の私ですが、今回の『経国美談』論ではそのあたりを避けて通れないので。 で、シャンタル・ムフの民主主義観のあらましを。『民主主義の逆説』第4章「…
クセノフォーン『ソークラテースの思い出』(岩波文庫 一九五三 原著は紀元前三八五年頃)より。 今回は長音あり表記で。『経国美談』よりも古い時代ですが、ヘージアスのモデルはアルキビアデースだという説もあり、まんざら無関係な話ではありません。 で…
コピーしてきたわけですが。正直混乱気味です。 「多数者の専制をいかにして防ぐか」といったあたりの問題意識を軸に、明日整理してみようと思います。
有名歴史作家の紀行文ではなく、今作成中のTRPGのシナリオです。 ダンジョンではなく、街道・草原・森林・山岳といった屋外で、どれだけバリエーションに満ちたドラマを作り出せるか。といったことを念頭においてます。 『経国美談』からの影響は受けて…
確かに「人民に政権」と書いてデモクラシーとふりがなした箇所はありますが。 実際に政治を動かしてるのは、主人公三人を中心とする「名士」たちであって、名も知れない民衆の動向がつかみづらい、という批判は考えられます。 たまに民衆が出て来たと思った…
ランシエールの『民主主義への憎悪』あたりを参考文献にしたとしたら。 『経国美談』の主人公三人組がやってることはせいぜい、上からのポリス的統治であり。 乱民・暴民(と作中では名ざされる)計算外の者たち、分け前なき者たちの平等を叫ぶヘージアスの…
今回は龍渓の第二作『浮城物語』から。 海外雄飛を夢見て日本を脱出した主人公一行は巡洋艦を奪取し、「浮城」と名付けたわけですが。 当然のように、立ち寄った港の税関でひっかかるわけですね。どこの国だと。 一行はかねてから用意していた「海王国」の名…
片っ端からリストアップしています。つかないけど関係ありそうなのも。
『経国美談』後篇。阿善の国で、「純正党」(民主派)と「乱党」(平等派)が争った時の挿話。 阿善にはかねてから「専制党」と「曖昧党」がいて、「純正党」と政権を争っていたわけですが、「乱党」は「純正党」が共通の敵なのをいいことに、イデオロギー的…
龍渓という人が、「福沢の高弟」や「穏健な立憲改進党」という枠におさまらない、激しさを持っていたことを示す一例。明治一〇年、西南戦争の時の話です。 ※ かゝる時に於て、当時まだニ十歳代である先生の胸奥にひそむ革命的志士の熱血が湧き出ずにはゐない…
以前、『浮城物語』で発表した時にも参考にさせていただいたことがある、表世晩氏の学位論文です。 従来の説にあるように、『経国美談』は立憲改進党のイデオロギー的宣伝なのかと、物語がスパルタ王政制に対するセーベ共和制の勝利になっていること、過激な…
デモクラシーについて根本から考えようと思い、読んでみました。が、戦後(特に平成以降)の話題がメインで、期待していた内容とは違うようでした。 「おわりに」にはこんな言葉が。「民主主義が日本にもたらされたのは、第二次世界大戦後のことでした」。矢…
今年もまた、弦斎まつりの季節がめぐってきました。平塚市のサイトより転載。 ※ 「第19回村井弦斎まつり」の開催日が決まりました 平成30年9月23日(日曜日・秋分の日) 午前10時~午後2時30分(予定) 小雨決行 村井弦斎公園(平塚市八重咲町22-5) ※ 休日…
矢野龍渓の『経国美談』は、立憲改進党的(あるいは反自由党的)な思想で貫かれているというのが、柳田泉以来の伝統的な評価なのですが。 しかし、自由党系の活動家にも愛読されていたとか、そもそも作中に描かれている斉武は共和国であるとか、疑問の余地は…
ゲームをやる気力さえなく、無為に過ごしてしまいました。 『経国美談』作中の「曖昧党」のこととか、考えはしたのですが。
T&T用シナリオ作りに一日を費やしてしまいました。やりだすと止まらなくて。
私は読書ノート代わりに、読んだ本を簡単なまんがにする習慣がありまして。 『経国美談』を8コマ(ノート見開き)にしたところ、周囲からはわりと好評でした。 村上春樹の『騎士団長殺し』の時は「?」な感想しか返ってこなかったのに。 作品の優劣というわ…
今回の論文の副題は、「ジャーナリストはいかなるデモクラシーを描いたか」あたりでいこうと思います(細かい変更はあるかもしれません)。 「ジャーナリズム」でないのが残念ですけど。新聞小説だったらよかったんですけどね。 比重は「いかなる」の部分で…
博士論文の序論で『経国美談』を扱った時は、後篇後半の平和主義をめぐる部分が中心でした。 今回、『経国美談』全篇を視野に入れた論文を書くにあたっての切り口は、 政 権 交 代 で行こうと思います。読み返して気づいたのですが、善玉悪玉問わず、ことあ…
『経国美談』の先行研究はわりと豊富なのですが、中韓への翻訳され方を扱った研究や、文体論に比重をおいた研究が進んでいるようです。 もちろんそれらは重要なことなのですが、語学力のない(どころか、返り点なし漢文の作中評さえろくに読めない)私が今さ…
『国文学論考』(18), p24-31, 1982-02。前から探していたのですが、このたび国会図書館内のデジタル検索で入手できました。 作中の「〈N将軍=乃木将軍〉という安易な短絡を避け」(同論文24ページ)るのは、今日の「将軍」研究の主流となっていますが、…
あの『現代思想』でマルクス特集とか思ったらマルクス・ガブリエルでした。 私の出る幕はなさそうです。
『経国美談』と「小さな王国」をいったりきたりしていると、つい変な感想を抱くものでして。 前者の登場人物ヘージアスと、後者の沼倉は、ともに「民主的に選ばれた専制者」でして。多数派が専制者を民主的手続きのもとに選んでしまった場合、民主主義を守ろ…
本を読んでいる夢。この手の、夢の中で本やゲームを見る夢を私は勝手にメタ夢と呼んでいます。 地球が実は球体ではなく、ドーナツが二つ連なった形だったという新説が発表された大航海時代。 その仮説を証明(?)するために、三層船アレクサンドリア号で旅…