核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2024-10-01から1ヶ月間の記事一覧

村井弦斎『小猫』と、スラヴォイ・ジジェク氏の発言との共通点

あるのか。あるのです。決して、五日に一回は弦斎ネタというノルマを無理にこなそうとしているわけではありません。 平和主義への無理解にもとづく嫌悪、がそれです。まずジジェク氏の発言を再掲。 「哲学者のスラヴォイ・ジジェク氏は世界を席巻するのは「…

スラヴォイ・ジジェク氏の発言には同意できない

『日本経済新聞』のサイトで、スラヴォイ・ジジェク氏の発言の冒頭部分を読むことができました。 ※ 〈直言〉強さを誇示し「平和」を守れ スラヴォイ・ジジェク氏現代思想家 2024年10月27日 2:00 [会員限定記事] ウクライナ、パレスチナを巡る2つの戦争が世界…

エジプト・ヒッタイト平和条約 覇権的でない平和の一例

紀元前1269年頃、ラムセス2世の治世21年に、エジプトとヒッタイトとの間で結ばれた、 1 互いの領土を侵略しない。 2 他国から、どちらかの国が侵害されたらお互いに助け合う。 3 互いの国に亡命希望者が来たら、すみやかに帰すこと。 という、世界…

多元的平和と覇権的平和

それぞれ古代ギリシア語とラテン語で「平和」を意味する、 「エイレーネー」 「パクス」 が多元的平和と覇権的平和に相当するのではないかと私は思っていますが、不勉強なので今回はそこまでは断言しません。いずれ専門書でその二つの語源を確認しておきます…

古代ギリシア語での平和、エイレーネー

アリストパネスの反戦喜劇の題名にもなっている、『エイレーネー』(平和)。 ネット上の辞書で語源をたどってみると、「献酒」というのが古い意味らしいです。 平和の成立を祝い、酒を献じて記念する、といったところでしょうか。いずれ専門書で調べてみま…

オリゲネス、テルトゥリアヌス、ラクタンティウスなど

初期のキリスト教指導者である彼らは、検索して出てきた論文によると、キリスト教徒が兵役につくことを否定していたそうです。それを論拠に、絶対平和主義の起源はキリスト教にあると論じる人もいます。 しかし、キリスト教がローマ帝国から迫害されなくなり…

松元雅和「戦争終結の正義」(読む予定)

『法と哲学』 = Law and philosophy = Droit et philosophie = Recht und Philosophie (10) 75-94, 2024-06。 CiNiiであれこれ検索していて見つけました。 松元氏のお仕事、ことに「絶対平和主義」が宗教に由来するというご意見に対しては、当ブログで…

ブラックベース。

ホワイトベースって艦も、名に反してブラック案件ですけどね。休むと殴られるし。 『アクシズの脅威V』というガンダムの仮想歴史ゲームでは、ティターンズで白いホワイトベースが作れ、ジャミトフやバスクを艦長にできます。最初から上位互換のアルビオンが…

「高く飛ぼうというには、飛べるだけの装置を考えたうえでなければできないにきまっている」

夏目漱石『三四郎』より、野々宮の発言。 そんなわけで、数日前に思いついた「飛行機文学論」ですが、同じようなテーマの論を書いている方はもう何人もいらっしゃるので、国会図書館で先行文献を読み、自分の論の独自性があるかを確認してから、着手するかど…

SHAKATAK「NIGHT BIRDS」

私はボサノヴァ以外の洋楽は全然知らなくて、このシャカタクというグループも、youtubeであれこれ検索しているうちに偶然知ったのですが、気に入りました。 かなり古い曲らしいので、どこかで以前に聞いたことがあったかも知れませんが、私にとっては新鮮で…

「飛行機」「文学」でCiNii検索すると

けっこう、そのテーマの論は見付かりました。例えば、 飛行機の文学 : 鴎外・漱石・啄木・芥川・志賀 村岡 正明 文星紀要 7 89-108, 1995 先行研究にない独自性を出すためには、扱う作家を変えてみる必要がありそうです。

「飛行する文学」の章立てなど考えてみる

論文の題名としては、「飛行する文学 飛行機は文学をいかに変えたか」といったところでしょうか。 はじめに 飛行機は文学をいかに変えたか 一 滑走する文学 夏目漱石『三四郎』中の空中飛行機をめぐる(?)対話 二 離陸する文学 星一『三十年後』に描かれた…

夏目漱石『三四郎』中の空中飛行機

青空文庫様よりコピペ。ふりがなは省略し、斜体にしてお送りします。 ※ しばらくすると、美禰子が、「野々宮さんは、理学者だから、なおそんな事をおっしゃるんでしょう」と言いだした。話の続きらしい。「なに理学をやらなくっても同じ事です。高く飛ぼうと…

村井弦斎の戦争否定論、飛行機否定論

「元来今の世の文明と称するものは人類の暗黒な方面が進歩したものです。飛行機が天を翔り、潜航艇が海を潜るのも、戦争といふ殺人事業が進歩した事ではありませんか」 村井弦斎『小松嶋』(『婦人世界』1918年5月号掲載) 飛行機文学論といえば、まず…

飛行機文学論を書く夢を見た

夏目漱石『三四郎』中の、「空中飛行機」への言及あたりから始まり。 飛行機が一家に一機の時代となった、星一『三十年後』。 光線列車で火星に移住する、賀川豊彦『空中征服』。 江戸時代の飛行機発明家と昭和の飛行機事故を重ねた、筒井康隆『空飛ぶ表具屋…

ブログ上で将棋の盤面を表現するには

先手駒は何の問題もないのですが、後手番の駒(下向きになってるやつ)はどう表現したものか、と考えて、ふと思いつきました。 後手 持ち駒 なし 香桂銀金玉金銀桂香 飛 角 歩歩歩歩歩歩歩歩歩 歩歩歩歩歩歩歩歩歩 角 飛 香桂銀金玉金銀桂香 先手 持ち駒 な…

四間飛車対策、後手番亜急戦7二飛型

歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩銀歩 角玉金金銀飛 香桂 桂香 こんな感じの定跡を、阿久津主税六段(当時)の本で勉強しました。

今日は将棋日

対四間飛車対策を中心に、あれこれ勉強してみました。 私が持っている本はかなり古いので、実戦で通用するかどうかですが。

『将門記』に『春秋左氏伝』からの引用があった!

将門戦死の段に、『春秋左氏伝』を引用した一節がありました。他の漢籍からの引用も豊富ですが、これは『将門記』の著者が、『春秋左氏伝』を(つまり、向戌の戦争否定論も)読んでいた証拠になり得ます。 しかしそうではなく、『将門記』の著者が向戌の故事…

『将門記』、現代語訳で読んでみる

国文学者なのに現代語訳というのも情けない話ですが、デジコレで手軽な注釈つきの原文が見当たらなかったもので。 私が昔読んだまんがのあとがきでは、『将門記』は平将門を逆賊として書いている、とあったのですが、そうでもないような。将門と平貞盛(将門…

佐倉由泰「『将門記』に学ぶ―不戦を願う記述に着目して」(『日本文学』2024年10月号)

平将門(たいらのまさかど)の乱を扱った軍記『将門記』。 佐倉論によれば『将門記』は他の軍記物語と異なり、戦闘そのものを否定し、不戦を念願する特質があるとのこと。 私もそうした不戦論を求めて、『承久記』などいくつかの軍記物語を読んできたのです…

今日も雑事多く

ろくに論文を読めませんでした。お休みします。

『日本文学』10月号 特集「戦争と文学」、届きました

いろいろと語りたいことが増えたので、『小猫』感想文を一時中断しようと思います。『小猫』も、戦争を扱う文学ではある(残念ながら非平和主義で)のは確かなのですが。

『小猫』、なおも読み進め中

村井弦斎らしい奇抜なアイディアの小説ではありませんが、千葉県から東京に出てきた少年が少しずつ世間に慣れていく様を、じっくりとした筆致で描いています。こちらも気長に読み進めるつもりです。 小猫が死んじゃう場面だけは、もう少しどうにかならなかっ…

大山のぶ代さんがお亡くなりになりました

先代ドラえもん役の声の方。先ごろ小原乃梨子さんが亡くなられた時にも書きましたが、私はドラえもんとのび太の声にはげまされて幼少時を送ってきました。 原作まんがの話ですが、ドラえもんとのび太がアニメ映画を制作する挿話で、声優をだれにするかの話に…

日本被団協(=日本原水爆被害者団体協議会)、ノーベル平和賞受賞。核兵器の廃絶を訴える

核兵器の廃絶もめざす者の一人としては喜ばしいことです。 核兵器の廃絶を現実にするためには、軍備による抑止力という思想そのものを否定しなければならないと、私は考えています。それゆえに私は「核兵器および通常兵器の廃絶」をこころざしているわけです…

まだ『日本文学』届きませんでした

明日は文学と戦争について考え直す一日にしようと思います。

今日は不毛な一日でした。

雑事に追い回され、『日本文学』も届きませんでした。

『小猫』読み進まず

20%ほど読んだはずなのに、ようやく少年が郷土を旅立ったところです。

『小猫』でも読んでみるかな

エジプトといえば猫の女神。猫といえば村井弦斎の出世作『小猫』。強引に近代日本文学に関心を向けてみます。 しつこいようですが、『子猫』ではなく『小猫』という題名です。『郵便報知新聞』復刻版で途中まで読んでいながら、かんじんの小猫が早い段階で死…