核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

テセウスの船の問題

ちくま文庫『プルタルコス英雄伝(上)』(1987)の「テセウス伝」31ページより。 三浦俊彦『論理パラドクス』(二見書房 2002)にもとりあげられていた問題です。 ※ テセウスが若者たちと一緒に乗って出帆し、無事にもどって来たその三十(木偏に…

村川堅太郎編 『プルタルコス英雄伝(上)』ちくま文庫 1987 「テセウス伝」

著者のプルタルコス(プルターク)は紀元50~120年頃、ローマ帝国時代のギリシア人です。あまりにも有名な古典ですが、連休のひまつぶしに、読めるところまで読んでみることにしました。最初の(ちくま文庫版での最初であり、プルタルコスが最初に書い…

マッハな動画

マッハの『認識と誤謬』が何回読んでも理解できません。で気分転換。 http://www.youtube.com/watch?v=cPR45cBkRq4 最後のシーンは彼が自転しているのではなく、視点が公転しているのです。私が今度カラオケで歌う時は、華麗な4分の1ターンで再現してみる…

『江戸川乱歩全集 第21巻 ふしぎな人』光文社文庫 2005

「あらっ。おじさんだわ。おじさんがとんでいくわ。」 裏表紙に小さく書かれたこの一文を見て、名古屋栄の三省堂書店で衝動買いした本です。装丁・註釈・解説のすべてから、怪人二十面相ものの魅力をわかっている感が伝わってきます。 特に『たのしい二年生…

1962年の囲碁機械―渡辺一夫 「昨日今日」より

文中に「この雑文を書いた頃(一九六二年)」とあります。出典は、『渡辺一夫著作集12 偶感集 下巻』筑摩書房 1970 58~59ページ。 ※ 一 精神とウォトカ 有名な理論物理学者のS先生(1)とお話をする機会が与えられましたが、談たまたま電子頭脳…

トルストイ 『戦争と平和』 その6 ピエール救世主伝説編

『カラー版 世界文学全集 第20巻 トルストイ 戦争と平和2』河出書房新社 1966(昭和41)年。第3巻第1編、56~57ページ。 ※ ある時ピエールは、共済組合員の一人から、使徒ヨハネの黙示録からひきだされた、ナポレオンに関するつぎのような予…

北大路魯山人『春夏秋冬 料理王国』(中公文庫 2010)より 黒岩比佐子「解説」

すでにご指摘がありましたが、当ブログが2012年3月29日に紹介しました、 (http://blogs.yahoo.co.jp/fktouc18411906/archive/2012/03/29) 『月刊食道楽』1905年8月号(以前に4月号と書いてしまいましたが8月号の誤りでした)、村井弦斎「鮎…

野口啓子+山口ヨシ子編 『ポーと雑誌文学―マガジニストのアメリカ』

彩流社、2001年。巻末に引用文献リストがあります。"Maelzel's Chess-Player”の原文が収録されているのは、 Harrison,James A. "The complete works of Edgar Allan poe" 1965 Thompson,G.R. "Edgar Allan poe:Essays and Reviews” 1984 の2つなのです…

小林秀雄訳 「メエルゼルの将棋差し」

『新青年』1930(昭和5)年2月号。E・A・ポオ「メエルゼルの将棋差し」とだけあり、訳者の名前はありませんが、随筆「常識」で小林自身が訳者であることを明かしています。 Poeはポオかポーか、Maelzelはメエルゼルかメルツェルか、Camusはカミユスか…

第14回 ブタさんイラストコンテスト

5月25日締切り。詳細は下記のサイトをごらんください。 http://www.kfsnet.co.jp/contest/buta2012.php

デモクリトスの円錐問題 解決編―三浦俊彦『論理サバイバル』(二見書房 2003)より

同書26ページ、「デモクリトスのジレンマ」より。 ※ はっきり言えることは、(略)円錐としてどのような円錐を考えているのか―A.物理的な円錐か、B.数学的な円錐か―について曖昧だということである。(略) A. 物理的円錐を物理的に切断したとすれば、…

実りの多い旅でした。

念願のメルツェルズチェスプレイヤー原文を手に入れました。詳細は近日中に報告します。 そして遅塚麗水のメガネっこ小説「初鮭」。これはもしかしたら論文が書けるかもです。 黒岩比佐子さんの魯山人本の文庫解説も入手しました。まったく同じ文献をもとに…

トルストイ 『戦争と平和』 その5 読了編

こんなはずじゃなかった。それが正直な感想です。私は何を期待していたのでしょうか。 2日ほど旅に出ます。さがさないでください。

トルストイ 『戦争と平和』 その4 歴史上の宿命論編(仮)

まさか、「フジテレビの~」氏まで来なくなるとは。不人気にもほどがあるこの企画ですが、始めた以上は最後まで続けます。「核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ」に期待してくださっていた方々には申し訳ないのですが、私にとってはトルストイを読む…

トルストイ 『戦争と平和』 その3 ピエール自重しろ編(仮)

中村白葉訳。河出書房『カラー版 世界文学全集 第19巻 トルストイ 戦争と平和1』1966(昭和41)年。原著1869年。 今回は第2巻(254ページ以降)。ナポレオンとの「戦争」がひとまず終わり、心に傷を負ったアンドレイたちの「平和」が語ら…

トルストイ 『戦争と平和』 その2 アウステルリッツの空編(仮)

中村白葉訳。河出書房『カラー版 世界文学全集 第19巻 トルストイ 戦争と平和1』1966(昭和41)年。原著1869年。ひとまず一冊目を読み終えました。 フランス、ロシア、オーストリアの三皇帝が対峙するアウステルリッツの会戦。アンドレイたちも…

トルストイ 『戦争と平和』 その1

実はいまだに読んでなかったのでした。 しばらくは学会発表もないし、速読能力のリハビリもかねて、一気に読んでみることにします。中村白葉訳。河出書房『カラー版 世界文学全集 第19巻 トルストイ 戦争と平和1』1966(昭和41)年。原著は1869…

日本文学協会発表、今回は見送ります。

2012年の研究発表大会は4月15日締め切りなのですが、今回は公募しないことにしました。 別に同協会への不満からではなく(それは不満もありますけど)、博士論文審査の時期と重複するという理由が一つ。もう一つは、予定していた碧川企救男関係の資料…

遅塚麗水 「初鮭」(予告)

以前にも紹介しました森崎光子氏の論文「眼鏡をかける女・かけない女」、このたび全文入手しました。 近代日本文学では一貫して、眼鏡をかけた女性が否定的に描かれる、という論旨ですが、唯一の例外が遅塚麗水の「初鮭」(『女学世界』1903(明治36)…

今日のアナ中島

「フグタく~ん。飲みに行かないか」 「いその~。野球やろうぜ」 というセリフはよくあるのですが、実際に野球やったり飲みにいったりする描写はあまりなかったようです。今回は珍しくていねいにその両方が描かれてました。 しかしジミーって誰だ。昭和40…

マッハ著 廣松渉訳 『認識の分析』 創文社 1966(昭和41)

超音速およびジェットの先駆的研究者(訳者序文より)、エルンスト・マッハの著書を紹介します……と言いたいところですが、今回の調査ではマッハの理論自体を読み込むには至らなかったため、アインシュタインへの影響についてだけ報告するにとどめます。たし…

「マルクスの悟達」の異同について

小林秀雄の 「マルクスの悟達」なる文章について、初出(『文藝春秋』1931(昭和6)年1月号)と第五次全集(『小林秀雄全集第二巻 Xへの手紙』新潮社 2001(平成13年))収録文の異同一覧を作りかけたのですが、「1」(初出では「上」)を終え…

碧川企救男 「文明史上より見たる日露戦争」

『小樽新聞』1904(明治37)年3月4日~6日一面最上段連載。碧川企救男(署名は「碧川生」)の評論「文明史上より見たる日露戦争」を紹介します。 「一個の老衰国と二個の瀕死国と二個の未知国」この五国の将来が、十九世紀が二十世紀に残した疑問だ…

大江健三郎「抵抗の意思を示す時」

『世界』2011年11月号62ページ。9月19日の、東京明治公園「さようなら原発 5万人集会」にての発言だそうです。なおこの記事自体の題名は、「『さようなら原発』 6万人集会の記録」、となっております。 ※ 二つの文章を引いてお話します。第一は…

ハンガリー大統領、論文盗用で辞任

論文盗用疑惑の大統領辞任=オルバン首相に打撃―ハンガリー 時事通信 4月2日(月)21時36分配信 【ベルリン時事】論文盗用疑惑が浮上していたハンガリーのシュミット大統領(69)は2日、議会演説し、辞任を表明した。シュミット氏は2010年、オルバン首相の後押…

ネットで読めるMAELZEL’S CHESS-PLAYER

原則として、インターネット上の資料は、よほど公共性のあるサイトを除き学術研究ではうかつに使用してはいけないことになっています。なので、これは参考程度に。 http://www.eapoe.org/works/essays/maelzel.htm もとの雑誌(?)や全集は国会図書館にな…

「穴子さんの教室」(エイプリルフールではありません)

ア~ナゴさんアナゴさん(たたんたんたん)アナゴさ~んはゆっかいだな~♪というわけで、2012年4月1日放映の『サザエさん』より「穴子さんの教室」のあらすじを紹介します。基本的にサザエさんは再放送しないし。昔の火曜日はよかった。 三本立ての三…

さ~て、本日のサザエさんは(エイプリルフールではありません)

「穴子さんの教室」というサブタイトルを発見。 「フグタく~ん。ボクは教師になるよ~」 「ま、待ってくれアナゴくん。海山商事はどうなるんだい!?」 必見です。裏番組の東浩紀なんか見てる場合じゃないです。