核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

トルストイ 『戦争と平和』 その1

 実はいまだに読んでなかったのでした。
 しばらくは学会発表もないし、速読能力のリハビリもかねて、一気に読んでみることにします。中村白葉訳。河出書房『カラー版 世界文学全集 第19巻 トルストイ 戦争と平和1』1966(昭和41)年。原著は1869年だそうです。
 とにかく壮大なスケールの群像劇で、のっけから長ったらしい名前のロシア人がぞろぞろ出てきます。
 
   ※
 一八〇五年七月、皇太后マリヤ・フョードロヴナ側近の女官として有名なアンナ・パーヴロヴナ・シェーレルは、彼女の夜会へ第一番に乗りつけてきた、ときの顕官ワシーリイ公爵を出迎えながら、こういった。
 第1巻 第1編 6ページ
   ※
 
 名前+父称(父の名前+ヴィッチなど)+苗字+爵位。全部覚えてられないので、「主要人物」のページを読み返しながら少しずつ読み進めるわけですが、それでもロシア文学に暗い私にはきついところです。さっきまで「ああ、アンドレイ・ニコラーエヴィッチ!」とか呼ばれてた人が、別の場面では「ボルコンスキイ公爵」になってたり。
 現在143ページ(第1巻 第2編)。冒頭のパーティーで話題になったナポレオンとの戦争が現実になり、主要人物の何人かは従軍します。同盟国オーストリアが敗北し、いよいよ次はロシアが危機に。
 「主要人物」を参考に、現時点での重要そうな人物だけ軽く紹介します。
 
 アンドレイ公爵 正義感あふれる青年貴族。副官をつとめていた将軍が戦死し、現在オーストリアの宮廷に滞在中。主人公っぽいポジション。ピエール(下記)にも同情的。
 ボリース 母親のコネで近衛連隊の士官になった貴族。やる気なさげ。
 ピエール 貴族の私生児らしい。パーティー会場でナポレオンをほめたたえ、周囲をどん引きさせた。
 エレン ピエールの嫁(追記 フライングでした。143ページの時点では結婚してません)。絶世の美人。現時点での正ヒロイン。
 イッポリート エレンの兄。「暗愚な男」と書かれているが、上記のパーティーでシュールなコントを披露して場をおさめた。意外と空気が読める人。
 ドーロホフ ピエールの悪友。窓際でラム酒を一気飲みなどの無茶で上流階級を追われ、兵隊やくざに転落。
 マック オーストリアの将軍。ダメだった。彼の敗北でロシアまでが窮地に。
 モリオ僧正 「永久平和策」の提唱者。勢力均衡と国際公法による平和を訴える。核通一押し。
 
 ここから先のストーリーは知らないので(ロシア遠征のてんまつぐらいは知ってますけど)、かなり見当はずれなことを書いてるかもしれません。もう少し読み進めたらまた続きを書きます。