核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

トルストイ 『戦争と平和』 その2 アウステルリッツの空編(仮)

 中村白葉訳。河出書房『カラー版 世界文学全集 第19巻 トルストイ 戦争と平和1』1966(昭和41)年。原著1869年。ひとまず一冊目を読み終えました。
 フランス、ロシア、オーストリアの三皇帝が対峙するアウステルリッツの会戦。アンドレイたちも戦場に出ます。
 ひとまず、前回紹介しきれなかった主要人物を。
 
 ナターシャ 現時点ではまだ端役の伯爵令嬢A。映画『戦争と平和』ではオードリー・ヘプバーンが演じ、ポスターではアンピエを左右に従えて不動のセンター。後の真ヒロイン。
 ロストフ ナターシャの兄。栄えあるロシア騎兵の将校として先陣を切るが、落馬して逃走。なおフルネームは「ニコライ・イリイチ・ロストフ伯爵」なんだけど、主要人物だけでニコライが三人アンナが二人いるため、当ブログではロストフと表記。嫌なフルハウスだな。
 マリヤ 主人公アンドレイの妹で公爵令嬢。美人ではない(と度々書かれる)数学少女。
 ブリエンヌ嬢 マリヤのメイド。令嬢より美人でしかもフランス人のため、とかくセクハラの対象となる。
 クトゥーゾフ将軍 ロシア軍の指揮官。陛下相手でも言うべきことは言う老将。
 アレクサンドル ロシア皇帝。ロストフら将兵が絶対忠誠を誓うカリスマ。ひそかに戦争嫌いな面も。
 ナポレオン フランス皇帝。人類の敵(と作中で度々言われる)。「ミュラー元帥よ。余は卿に厳命したはずだ」とか言われると、つい堀川りょうの声で再生したくなるのは私だけか。本作品のラスボス。
 フランツ オーストリア皇帝。前二者に比べ影が薄い。
 トルストイ伯爵 ロシア皇帝侍従長。名前だけちょい登場。作者トルストイはまだ生まれてないので先祖か。
 
 結果はフランスの勝利。ロシア・オーストリア同盟軍の敗北。
 ロストフは負傷しつつも生還。アンドレイ公爵は捕虜となります。この時見たアウステルリッツの空とナポレオンの姿が、彼の心身に深い傷を残すことになるのです。
 次回、『戦争と平和』その3。ご期待ください。