2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧
カタカナだから読みづらいのではなく、戸田博士の文章が読みづらいのではないかと、不遜にも考えてしまいます。
(判読困難。要約は後日) 2018・1・15追記 結局あまり必要ないと判断したため、判読は無期延期とします。
カタカナノ論文トイフノハ、コノヤウニ読ミニクイワケデス。以下ヒラガナデ要約シマス。 ・本誌二号での戸田(海市)博士の不換紙幣の強制通用力説に対し異見を述べたい。 ・強制通用力は不換紙幣の流通を支持する一原因に留まり、主要なる流通根拠ではない…
何でどれもカタカナなんでしょうか。読むのに労力がかかります。明日集中して読んでみます。
ケインズの管理通貨制度論について。 ※ ケインズの経済学は、経済社会を自由に任せることから、人間の知性によってコントロールする社会へと移行させようとした。そのためには金本位制度否定が前面に出た。自由主義の経済、それは十九世紀のそれがそうである…
1918(大正7)年頃の実際の物価がどんなもんかと思って借りてきました。貝島が就職した年の初任給も。 1900(明治33)年 小学校教員の初任給 10~13円(398ページ) 1918(大正7)年 牛乳 200ml1瓶 5銭(69ページ) 192…
マーシャル、ピグー、ロバートソン、ホートレー、ケインズの5人を、列伝形式で書いた経済学史です。 今回は1918年前後の貨幣論に的を絞って読んだのですが、ホートレーが目にとまりました。 ※ また貨幣と信用の関係を考察する上で、貨幣の起源に関する…
不換紙幣だとばかり思っていましたが、勅令の条文に「「小額紙幣は通貨を以て之を引換ふ」とありました。 額面が小さくなると紙幣のサイズもそうなるのは、「小さな王国」と一緒ですね。
国立国会図書館デジタルコレクション様より画像引用。50銭20銭10銭の小額紙幣発行に関する勅令です。 この小額政府紙幣が、谷崎潤一郎に小学生の紙幣というアイディアを思いつかせたのだったら面白いのですが、憶測の域を出ません。次はもう少し実証的…
貝島先生の小学校に転校してきた少年沼倉は、その卓越した統率力で学級を支配し、「沼倉共和国」の大統領となる。生活苦に苦しむ貝島は沼倉の家来となり、彼が発行した紙幣を受け取る。そしてその紙幣を、一般の商店で出してしまうのだった……。 以上、谷崎潤…
また文献探しの日々に戻ります。
『中央公論』1918(大正7)年10月号93ページ。「小さな王国」を語る上で欠かせない文献です。 ※ 谷崎潤一郎氏の『小さな王国』は我国現代の社会問題に関し頗る暗示に富む作物である。小学生の単純な頭脳から割り出された共産主義的小生活組織の巧み…
近代経済学の古典に手を出してみましたが、目指す不換紙幣論は見つかりませんでした。代わりに平和論を。 ※ 私は先に付随的にではあるが、新しい体制は古い体制に比べて平和にとっていっそう望ましいものであろうと述べた。この点はもう一度繰り返し、強調す…
マンネリ化してきました。資本論入門の「小さな王国」否定論もこれで最後です。 ※ だから、谷崎の『小さな王国』の紙片は、生産を土台にした社会関係をもたない遊びごとで、紙片に書かれた数字は、要するに数字であるだけで、価値尺度の機能をもつことはでき…
「貨幣の必然性」と題した章でも、「小さな王国」がひきあいに出されています。 ※ (『小さな王国』は谷崎の作品としてとくにすぐれたものとも思われないと前置きして) この「小さな王国」を社会と考えてはいけない。生産的労働がないからである。家から盗…
向坂の「小さな王国」批判はさらに続きます。 ※ われわれは、『小さな王国』にかえろう。この「王国」は、突如としてある少年の不可思議な統率力によって生まれる。しかし、現実の歴史は、このようにしては生まれない。むろん、歴史の上で偉大な事業をなした…
14ページにわたる一節を割いて、谷崎潤一郎「小さな王国」のほぼ全文が紹介されています。ただし完全な引用ではなく、いくらか飛ばしている箇所もあります。 その上で、向坂は「小さな王国」を以下のように論じています。 ※ この小説の小社会が、何か共産…
「小さな王国」関係の記事がふえたのでまとめました。 載る論文になるかは別として、大きな絵がかけそうな作品ではあります。
すでに各方面(作者含む)で論じられた作品でもあり、あらすじを三行でまとめるにとどめます。 私(スティーブンス)は親の代からダーリントン家に仕えた執事。ダーリントン卿が対独協力のかどで第二次大戦後没落した後は、アメリカ人のファラディ様に仕える…
谷崎潤一郎の『小さな王国』に一章を割いてはいるのですが、地域通貨のすばらしさを説くばかりという印象でした。そういう作品でもないように思うのですが、参考にはとどめておきます。
せめて1918年の水準までの、不換紙幣についてだけでも。
これも『小さな王国』発表前。以下ウィキペディア「小額政府紙幣」の項より。 ※ 大正時代まで日本では10銭、20銭、50銭は銀貨で発行されていた。しかし第一次世界大戦で日本は欧州戦線から遠く離れていたこともあり戦争特需で大幅な貿易黒字をもたらされた反…
CiNiiで検索したところ、不換紙幣流通の根拠をめぐる議論があったようです。谷崎潤一郎『小さな王国』発表の少し前に。 (追記 10月29日に要約を書きました https://blogs.yahoo.co.jp/fktouc18411906/archive/2017/10/29
日本政府はノーコメントだったそうですので、この零細ブログでささやかに祝意を表させていただきます。
『日の名残り』だけは縁あって本棚にありました。読み返してみます。