核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

カズオ・イシグロ 土屋政雄訳 『日の名残り』(中公文庫 1994)

 すでに各方面(作者含む)で論じられた作品でもあり、あらすじを三行でまとめるにとどめます。

 私(スティーブンス)は親の代からダーリントン家に仕えた執事。ダーリントン卿が対独協力のかどで第二次大戦後没落した後は、アメリカ人のファラディ様に仕えるが、小さなミスや行き違いを繰り返すようになる。休暇を機に私は、品格ある偉大な執事とは何かを問い直す旅に出るのであった。

 「信頼できない語り手」「空所」といった術語に通じていなくても、なんか本音を隠してるんだろうな、ぐらいのことはわかります。
 書かれざる五日目には何があったんでしょうか。海に「ダーリントン卿のバカヤロー!」とか叫んでたりして。