核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

芥川龍之介『上海游記』より「十四 罪悪」

『坂の上の雲』なんかには絶対出て来ない、日露戦争の暗部。青空文庫様より転載。 ※ 青蓮閣なぞと云う茶館へ行けば、彼是かれこれ薄暮に近い頃から、無数の売笑婦が集まっています。これを野雉イエチイと号しますが、ざっとどれも見た所は、二十歳以上とは思…

小林秀雄「芥川龍之介の美神と宿命」(『大調和』1927(昭和2)年9月)

冒頭の「僕はこの小論を始めようとして」から「如何んなに鮮い事だらうと」の六行をはじめとして、初出との異同多数あり。第五次小林秀雄全集一巻、別巻、補巻のいずれにも言及なし。 (2018・4・2追記 第六次は第五次の誤りでした。第六次にも言及は…

芥川龍之介『追憶』より

青空文庫様より転載。 ※ 三五 久井田卯之助 久井田ひさいだという文字は違っているかもしれない。僕はただ彼のことをヒサイダさんと称していた。彼は僕の実家にいる牛乳配達の一人だった。同時にまた今日ほどたくさんいない社会主義者の一人だった。僕はこの…

『社会文学』最新号が待ち遠しい……

そろそろとは思うのですが……。

『マクロス7』雑感

全話を観たわけではなく、ところどころフォールド(すっとばし)しながらの感想なので、あまりあてにならないかもしれません。 前から気になっていた、ビームやミサイルで戦うのではなく、「オレの歌を聞け!」と、勝手に戦場に出て歌う若者を主人公にしたロ…

ネーミング作成表

「ダイスに聞け!」様に影響されて、組織名や通り名、屋号に使えそうな名前表を作ってみました。 使用するのはふつうの6面体サイコロのみ。D26やD66とある表は2回ふります。 ※ 【その1 修飾語表 D6 2・3や3と合わせて各種組織名や屋号、人物の…

ダイスに聞け!

「2ちゃんねるの卓ゲ(卓上ゲーム)板より、TRPGのランダムチャートを作るスレをまとめてみた」サイト、「ダイスに聞け!」を紹介します。 ttp://www.geocities.co.jp/Playtown-Rook/3224/chart/ (2023・4・2現在リンク切れ) 「酒場にはどんな…

たぶん明日もTRPG日

なつかしのTRPG、トンネルズ&トロールズ(略称T&T)のブームが再燃してきたので、明日も研究はお休みしようかと思います。ごめんなさい。

飽和状態

「小さな王国」論の時にも同じようなことが起きましたが、先行研究を読んでいると、自分の最初の構想がいかにも幼稚に思えてきまして。立て直す時間が必要なようです。

日露戦争の二十年余り後が大正七年?

明治37年が1904年で、大正7年が1918年。 作中の年代が合わない気がしますが、論文ではふれないことにします。

『近代文学研究叢書 27』

上記の本にはたびたびお世話になっていたのですが、それは村井弦斎の研究書としてでした。 このたび、同時期に亡くなった芥川龍之介も収録されていることに、うかつにもようやく気付きました。 もったいない使い方をしていたものです。 なんといっても一番も…

昨日はTRPG日

実プレイではなく、「6面体ダイスのみで生活感ある都市を作り出す」試みに没頭し、一日を費やしてしまいました。

芥川龍之介「金将軍」

(以下ネタバレあり、微グロ注意、つっこみ禁止) 小西行長と加藤清正が僧に化けて、朝鮮の国を探りに歩いていると、ただものではない子供に出会います。清正は後に倭国の災いになると思って殺そうとしますが、行長に押しとどめられます。 それから三十年後…

キリ番

おめでとう!私が60000人目の訪問者です。

芥川龍之介『澄江堂雑記』より「将軍」

青空文庫様より。 ※ 三 将軍 官憲くわんけんは僕の「将軍しやうぐん」と云ふ小説に、何行なんぎやうも抹殺を施ほどこした。処が今日けふの新聞を見ると生活に窮した廃兵たちは、「隊長殿にだまされた閣下連の踏台ふみだい」とか、「後顧するなと大うそつかれ…

人間にとって将軍とは何か

とりあえず、上記の副題でいこうかと思います。行き詰ったらまた考えるとして。

芥川龍之介『侏儒の言葉』より「暴力」

青空文庫様より。 ※ 暴力 人生は常に複雑である。複雑なる人生を簡単にするものは暴力より外にある筈はない。この故に往往石器時代の脳髄しか持たぬ文明人は論争より殺人を愛するのである。 しかし亦また権力も畢竟はパテントを得た暴力である。我我人間を支…

芥川龍之介『侏儒の言葉』より「武器」

青空文庫様より引用。 ※ 過去の廊下には薄暗い中にさまざまの正義が陳列してある。青龍刀に似てゐるのは儒教の教へる正義であらう。騎士の槍に似てゐるのは基督教の教へる正義であらう。此処に太い棍棒がある。これは社会主義者の正義であらう。彼処かしこに…

エヌ将軍

芥川龍之介「将軍」にはNという将軍が出てきて、乃木将軍を暗に指しているのは間違いないのですが、むしろ星新一の「エヌ氏」的な普通名詞として読む手もあるかと思ったり。

先行研究史をたどる

N(乃木)将軍への個人攻撃ではなく、より普遍的な反戦作品という評価に向かいつつあるようです。 私もその方向ですが、独自性を出せるかどうか。

書庫追加

芥川龍之介「将軍」についての書庫を追加しました。

「小さな王国」論、一月中に完成せず

誰に迷惑がかかるというものでもありませんが、自分で決めた締め切りを守れませんでした。 こうなったら焦らず、次の論文と並行して、ぼちぼちとやっていこうと思います。