(以下ネタバレあり、微グロ注意、つっこみ禁止)
小西行長と加藤清正が僧に化けて、朝鮮の国を探りに歩いていると、ただものではない子供に出会います。清正は後に倭国の災いになると思って殺そうとしますが、行長に押しとどめられます。
それから三十年後、清正と行長は八兆八億の兵と共に朝鮮に襲来します。そこに現れたのがかつての子供、金応瑞。金は行長の愛妾の兄と称して近づき、行長暗殺に成功します。愛妾と共に脱出したものの、彼女が行長の子を妊娠していることに気づき、母子もろとも殺すのでした。
朝鮮に伝わる行長の最期だそうです。史実に反してはいますが、それは日本が教える歴史も同じことではないでしょうか?
「英雄は古来センティメンタリズムを脚下に蹂躙する怪物である」との一行が、鮮烈に印象に残ります。
ヒトラーを小英雄と呼んだあの批評家と異なり、芥川は暴力的な英雄に決して好意を持ちませんでした。