核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

IPひろば

このところ迷惑コメントが目に余るので、迅速かつ前向きに善処することにしました。その第一弾。 一連の迷惑メールを検索してみたところ、すべて同一と判明しました。 わかったのは、せいぜい国名と県名ぐらいでして、しかも国名はアメリカ合衆国。 まさかア…

村井弦斎 「写真術」

写真屋の看板を眺めていた二人の青年。一人は写真の娘の美しさに感心します。もう一人の感想は。 「僕は第一斯様な不完全なものに向て写真などと云ふ名を下すのが癪に障る、是は唯人の形のみを写してあるから写形術とか写影術と言はなければならん、苟(いや…

カフカ 「使者」

カフカのたぶん最も短い小説です。 引用どころか、紹介するだけで著作権にふれかねないほど短いので、感想だけ手短に。 「研究王に、おれはなる!」(ど~ん) わからない方は、本日朝9時30分からフジテレビ系列の番組をご覧くださいませ。

カフカ 「メシアの到来」

ある朝起きたら虫になっていた話、『変身』。 仕事を求めて城のある村にやってきたけどらちがあかない、『城』。 身におぼえのない裁判に巻き込まれる、『審判』。 といった不条理(わけわからん)小説でおなじみのフランツ・カフカ(1883~1924)。…

寺島良安 『和漢三才図会』(てらじまりょうあん わかんさんさいずえ 1712)

ボルヘスのトレーン百科事典に限らず、百科事典をながめるのは楽しいものです。 今回ご紹介するのは、江戸時代中期の医師が作った絵入り百科事典『和漢三才図会』です。 http://kindai.ndl.go.jp/BIBibDetail.php 現物は大きな図書館にしか置いてありません…

馬場のぼる 「ぶたたぬききつねねこ」 こぐま社 1979

しりとり絵本、「ぶたたぬききつねねこ」を紹介します。 http://www.amazon.co.jp/%E3%81%B6%E3%81%9F%E3%81%9F%E3%81%AC%E3%81%8D%E3%81%8D%E3%81%A4%E3%81%AD%E3%81%AD%E3%81%93-%E9%A6%AC%E5%A0%B4-%E3%81%AE%E3%81%BC%E3%82%8B/dp/4772100601 満面の笑み…

大江健三郎論まとめ―私は平和を「祈ら」ない

前回前々回に大江健三郎の思想をメシアニズムと呼びましたが、むしろデリダのいう「メシア的なもの」のほうがふさわしいかもしれません。歴代ギー兄さんや師匠は、オウム真理教の教祖のように自らキリストと称しているのではなく、自分は前キリストの一人、…

もうちょっとで終わります

『日常生活の冒険』はずっと前に持ってたんですけどね。 『原爆文学研究』9号所収の論文で、同作品に被爆者問題が扱われていることを今さら知らされ、とっとけばよかったと後悔しております。昔から、本を手放すと後で必ず後悔する性格でして。 大江健三郎…

『宙返り』読了!

お・い・らはブ~ロガ~↓怠惰なブ~ロガ~↑大江~で書いた~ら~荒~らしを呼~ぶぜ~!いえい! というわけで読み終わりましたが、…きつかった。 ひたすらカルト新興宗教の内輪もめに終始する話でして、誰一人感情移入できる登場人物がいないのです。 錯時…

『宙返り』ただいま再読中

大江健三郎の良いところも悪いところも見逃すまいとじっくり読んでいるため、いましばらく時間がかかりそうです。 おかげで、昨夜は非常に憂鬱な夢を見ました。 そもそもは、ニューヨーカー紙での大江健三郎のなんの具体的な解決策も示さない原発批判に、「…

村井弦斎  「猟道楽」(1902)

『食道楽』・『酒道楽』などの「百道楽」シリーズで知られる村井弦斎。 今回はネット上で読める短編「猟道楽」(1902)をご紹介します。 http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/888108 51から57ページまでです。報知新聞1月2日号では一ページで…

ウィキペディア項目より 「フォーセリア」

TRPG(テーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム)なるものをご存知でしょうか。 「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」などのCRPG(コンピューターRPG)なら、あるいはご存知かと思います。剣と魔法(と、たまに怪しい科学)の世界…

村井弦斎・遅塚麗水 合作 「美少年」 (予告編)

2024・2・14追記 同作品を入手しました。書誌情報および内容紹介に一部誤りがありましたので、訂正してお詫びします。 1890年代を騒がせた報知四天王の二人、弦斎(玄斎でも弦際でもなく弦斎)と麗水がタッグを組んだ! といっても何のことやらな…

大江健三郎ファンクラブサイト

http://www.ops.dti.ne.jp/~kunio-i/personal/oe/oe.html リンクフリーとありましたので、無断で遠慮なくご紹介させていただきます。 このブログの存在を知らせた上でリンクをお願いするほど、私も厚顔無恥ではないのです。炎上はそれほど恐れていないのです…

大江健三郎 「懐かしい年への手紙」

いまだに、谷間と「在」とテン窪と森の位置関係がつかめないアンタルキダスです。 フォークナーの「アブサロム!アブサロム!」みたいに、作者みずから描いた地図をのせるわけにはいかないんでしょうか。右回りとか左回りとか、文章で書かれてもわけわからん…

大江健三郎 「治療塔惑星」

5月12日の記事で「治療塔」を紹介した時に、恒星間移民宇宙船の動力についてふれてないのは無責任だ、と書きましたが、訂正してお詫びします。書いてありました。 「スターシップ公社がロケット打ち上げに向けて反対の態度を崩さず、最終段階の燃料積み込…

斉藤由貴 「海の絵葉書」

今をさかのぼること20数年前(あえて正確な年代は伏せます)、私は斉藤由貴の熱烈なファンでした。 レコードを買うお金のなかったアンタルキダス少年は、同級生の女の子にテープをダビングしてもらい、すりきれるほど聴いたものです。 その中でも特別の思…

ボルヘス 「不作法な式部官 吉良上野介」

いくらボルヘス好きとはいえ、毎度毎度ゼノンのパラドックスめいた話を読まされると、いささか閉所恐怖症めいた沈うつな気分になってきます。 聞くところによるとボルヘス殿は、晩年のインタビューで、「鏡とか迷宮にはもううんざりだ」と発言したそうです。…

小谷野先生。円本にプロレタリア文学は入っています

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/ 上記ブログ「猫を償うに猫をもってせよ」で展開中の、大衆文学をめぐる論争につきまして。 私は昭和期大衆文学は情報不足なので、議論に参加する資格があるかどうかわからないのですが、とりあえず事実関係をはっきりさ…

仰げば尊し我が師の恩

案の定、道に迷ったアンタルキダスです。案内板のある渋谷方面から行くんだった。 係りのお姉さんがぎりぎりまで待っててくれたおかげで、どうにか必要文献はすべて入手できました。 ただ、入館料300円、コピー代一枚100円はないよなあ。ここしかない…

めざせ!日本近代文学館

はじめて行くとこなので、道に迷わないかが問題です。 ブログの更新は二日ほどお休みします。 無事帰ってきたら、収穫を報告します。

大江健三郎 『治療塔』(1990)

想像力想像力言ってるわりに、いつも四国の森と親戚一同のことしか書かない大江健三郎。 …そう思ってた時期が、私にもありました。 『治療塔』が扱うのは、局地的核戦争と原発事故多発で荒廃し、政治・宗教・科学のエリートたちが宇宙へ「大出発」していった…

また上京

今度は国会図書館ではなく、日本近代文学館あたりが狩場になるかと思います。 今日明日中に読むべき文献リストを作成しなければ。 それと、神田・秋葉原での買い物リストも。

ゆうべは眠れなかった

いつの間にか蚊の出る季節になりまして。 何機撃墜しても新手が現れるので、夜中に電気蚊取りをひっぱり出すことになりました。 明治の平和主義者木下尚江(きのしたなおえ)は、蚊の死骸にさえ痛ましさを禁じえなかったそうですが、私はそこまで博愛主義者…

祝☆1000HIT!

ただいま、このブログのご来訪者の方々がのべ1000人に達しました。 皆様、ありがとうございます。 あれこれ手を広げすぎた感はありますが、これからも「核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ」は初心を忘れることなく、気長にやっていきたいと思い…

おだてブタ

本当は今日あたりに、大江健三郎の「取り替え子」を紹介したかったのですが、 これが私小説だかメタフィクションだか、とっつきにくい代物でして、かなり大江作品を読んできたはずの私でも、初見の登場人物が多く、もう一回は読まないとどうしようもなさそう…

プレイステーション2用ソフト 「ドラゴンボールZ3」

いや、実はドラゴンボール好きなんですよ。 平和主義者にあるまじきことかも知れませんが、あの作品の主人公たちは核兵器も通常兵器も使ってないということでひとつ(如意棒は?トランクスの剣は?ミスターサタンの爆弾は?といった問題はありますが)。 で…

「燃えあがる緑の木」三部作、読み終わりました

いくら大江嫌いでも、これだけ長い小説(『大江健三郎小説 10』一冊にまとめて収録されてます)を一気に読み終えると、それなりに感慨深いものがあります。別にRejoice!とか叫ぼうとは思いませんが、読んでる間は語り手サッチャンにどっぷりと感情移入して…

大江健三郎 「燃えあがる緑の木 『救い主』が殴られるまで」(1993)

こんな時間ですが、大江健三郎の「燃えあがる緑の木 『救い主』が殴られるまで」を読み終わりました。 昼間のうちに読め?電気代のムダ?ごもっともですが、つい夜中に目が覚めてしまいまして。 しかし、京都の老舗料亭かなんかのように(そんなとこ、実際に…

ボルヘス 「トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス」

もし○○が無限だったら。 といったテーマを追求しつづけるアルゼンチン文学の雄、ボルヘス。 ご紹介したい作品はいっぱいあるんですけど、紹介=ネタバレになるようなのは避けたいんですよ。 ブラウン神父の最終回「とけない問題」を思わせる「死とコンパス」…