核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

国会図書館の館内電子書籍

かなり充実してました。特に『近代文学研究叢書』をぱっと見られるのはありがたいです。

歌より小説。

土御門院だろうと村井弦斎だろうと、戦争に反対していたというだけの理由で持ち上げる気はありません。 より重要なのは、戦争を阻止する方法を、彼らがどこまで具体化・言語化できていたか、です。 土御門院はともかく、弦斎についてはそろそろまとめを書け…

五味文彦・本郷和人編『現代語訳 吾妻鏡 8 承久の乱』(吉川弘文館 2010)

土御門院は当時の史料でいかに語られていたか。唐突にむしょうに気になりまして、該当箇所を読んでみました。『吾妻鏡』承久3年(1221)10-閏10月小。 ※ 十日、庚寅(かのえとら)。土御門院が土佐国(のちに阿波国)に遷られたという。(略)土御…

村井弦斎『日の出島』「東雲の巻」 その3 「低温度」

村井弦斎の科学知識もけっこう怪しいのですが、私の方もそれに劣らずでして。 以下の記述は、あくまでも明治30年代のSFということでご理解ください。つっこみをいれるだけの能力は私にはありません。 これまでの工業技術は高温で蒸気や電気を起こしてき…

「父さんインタイ宣言」

カツオに怒鳴るのに疲れた波平さんが、ついに引退宣言。マスオさんに叱り役を交替してもらいます。しかし、カツオがテスト用紙を紙飛行機にしていたと知った波平さんは、ついに怒りを爆発…。 メタ的な意味でも「バカモーン!」に注目が集まるこの回ですが、…

村井弦斎『日の出島』「東雲の巻」 その2 超特急

関東発明会の総力を結集し、ついに馨少年の発案した細菌撲殺剤が完成します。 さっそく駿河国静が浦(沼津あたり?)で静養中のお富嬢に届けることになります。 お富嬢のほうも無聊をかこっていたようで、つい交通機関への不満を語ります。 ※ 「是れが西洋な…

村井弦斎『日の出島』「東雲の巻」 その1 華氏八十八度

冒頭の「寒暖計」の章より。明治時代は華氏で温度を表記していたようですが、例外もありまして。 ※ 石橋「左様、三十一度六七分位かネ」 貢生「それは摂氏ですな、何(ど)うも我々素人には摂氏の度が耳馴れません、華氏で九十度とか百度とか云ふと何程の暑…

村井弦斎「石油師」(『文車』(1906)収録)

1906(明治39)年刊行の短編集『文車』の巻頭に収録されたSF短編です。初出は今のところ不明。 親から譲られた三四十万円の財産を油田探しで使い果たし、山師呼ばわりされるほど落ちぶれた男、堀井沸蔵(ほりゐわきぞう)。その数少ない理解者である…

『ワンダと巨像』(PS2)

「最も確実なのは、前進する巨人をしっかり見失わないことです」と、ヘーゲルの書簡にもありました。 そんな感じで、草原のあちこちに潜む16体の巨像を探し出して破壊する、ボス戦に特化したアクションゲームです。 「一点に精神を集中し、馬上から世界を…

『文学』「《特集》 浅草と文学」(岩波書店 2013年7、8月号)

もう半年も前の特集号ですが、見ようと思っていながらつい機会を逃していました。 近場の図書館には置いてないもので。今週の雪は大丈夫でしょうか。

「父さんインタイ宣言」(予告)

茶風林波平の記念すべき一回目だというのに、早くも不穏な次回予告が。

村井弦斎『鎧の風』(1897)

単行本刊行は1897(明治30)年となっていますが、日清戦争期の『都新聞』紙上に『朝鮮征伐』の題で連載されたものの改題です。 文禄・慶長の役(1592~1598)を舞台に、対馬の領主の子金王丸(後の宗義秀。おそらくは架空の人物)と、朝鮮女性…

村井弦斎『芙蓉峰』(1897)

久しぶりに村井さんの小説の紹介に戻ります。今回は電力業界が舞台です。 何やら黒いサーチライトを浴びる女性の挿絵2連発で開幕。『日の出島』と同様、発明熱にとりつかれた明治のお嬢さまが主人公です。 沼津に住む令嬢福田お秋は、富士山に巨大な照明施…

マグマがどーん!(『ごちそうさん』2月14日放送分)

本日は室井さん回でした。 お国のために、自作の童話「おでん皇国戦記」を朗読することになった室井幸斎。 検閲のお役人さんもいることだし、どうせ神風でおでん皇国が勝つ話だし…と思いきや、突然のアドリブで「マグマがどーん!」。敵国ポトフ帝国のみなら…

さんすうまんがなど

昔の学習雑誌によく載ってた算数まんが。少年忍者や冒険少女が、次々に襲い来る危機を分数や少数のかけ算割り算で解決していくやつ。あの手の話が大好きでした。 一つだけ鮮明に思い出せるのは、例によって内山安二先生のブタまんがです。。江戸の捕り物帳っ…

星新一『つねならぬ話』より タヌキとは

星新一の創作神話、『つねならぬ話』中の一節より。原文が手元にないので、引用は必ずしも正確ではありません。 「タヌキとは、イヌ、ネコ、クマ、ブタの合体である。言われてみれば、そうかと思う人もいるはずだ」 そうだったのか。やはりブタ要素は不可欠…

権左武志『ヘーゲルとその時代』(岩波新書 2013) その2 世界精神がゆく編

フランス革命後のヘーゲルとその時代。年表形式で要約します。 1801年 「ドイツ国制論」。「ドイツはもはや国家ではない」で始まり、古代アテネのテセウスのごとき「征服者の力」によるドイツ統一を提唱(52ページ)。 1806年 神聖ローマ帝国崩壊…

サザエさん「波平、親切騒動」

永井一郎氏の最後の演技、しかと聞き届けました。 特にお別れの言葉などはなく、サザエさんは来週もふつうに続くようです。

権左武志『ヘーゲルとその時代』(岩波新書 2013) その1 時代背景編

2013年11月20日第一刷。ほやほやです。ヘーゲルの哲学はもうおなかいっぱいですが、その時代背景にはちょい興味があり、読むことにしました。 ヘーゲル(1770~1831)自身も書いてますけど、当時のドイツは一つにまとまった国家ではありませ…

内山安二まんがの朝星棒つっこみ

そのむかし、「4年の学習」「5年の科学」とかによく載ってた、内山安二先生の学習まんがシリーズ。 とぼけたブタが常連でして、しょっちゅう棒状モーニングスターで「ゴチ!」とつっこまれてた記憶があります。以下に数例を。 (高層ビルの窓にある赤い三…

朝星棒(ヘーゲル「歴史哲学講義(下)』(長谷川宏訳 岩波文庫 より)

今回は批判ではなく小ネタです。 ハプスブルグ家がスイスで圧制を敷いた時代の記述で、「農民たちはこん棒や朝星棒を持って奮起し」という一節がありました。 ファンタジーRPGでおなじみのモーニングスター。ドイツ語でモルゲンシュテルン。とげつき鉄球…

ヘーゲル「歴史哲学講義(上)』(長谷川宏訳 岩波文庫 1994 原著は1822年の講義録より)

「事実そのままの歴史」ではなく、理性によってとらえられた「哲学的な歴史」というふれこみです。…が、読んでいるとヘーゲルのいう理性というやつに、疑問を感じずにはいられません。 たとえば序論中の、以下のアフリカ人の記述。 ※ 黒人は道徳的感情がまっ…

『ごちそうさん』2月6日放送分

甲子園は中止となり、鉄筋コンクリートが竹筋になるご時勢。 室井幸斎の恋愛小説も、検閲で発売禁止になりました。特に反戦的だからではなく、砂糖をなめるシーンがぜいたくをあおるというだけの理由で。 「ムダこそ文化なんだよ」。室井の言葉が重く響きま…

Yahooブログで歌詞の投稿が可能になりました。

つい替え歌を書いたりしないよう、肝に銘じておきます。 ※ いつもYahoo!ブログをご利用いただきありがとうございます。 この度Yahoo!ブログにおいて、一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)と許諾契約を締結いたしましたのでお知らせいたします。 これに…

貸本屋に向かない小説

去る1月15日、私は森銑三氏の著作から、『国民雑誌』(1911(明治44)年4月号)を引用し、ある貸本屋の「よく読まれる小説」リストに、村井弦斎の『食道楽』が入っていないことを残念がりました。が、よく考えたらあさはかだったかもしれません。 …

日本社会文学会・シンポジウム「戦争と文学を考える――「戦争×文学」(集英社)を読む」

シンポジウム情報。行けるかわかりませんが一応貼ります。 ※ 日本社会文学会・ シンポジウム「戦争と文学を考える――「戦争×文学」(集英社)を読む」(2014年3月8日(土)、共立女子大学神田一ツ橋キャンパス本館) 学会情報です。 ------------------------…

室井幸斎の今後

数日前に、「どうしても、ここ数回の「ごちそうさん」の室井幸斎の描かれようには納得できません」と書いてしまいましたが、ネット上で未確定ネタバレ情報を見てると、ちょっと今後に期待したくなってきました。現金なものです。 ただ、2014年の政治情勢…

福地桜痴『選挙競争 嘘八百』(1894(明治27)年)

テレビばっか見てたわけではなく、前から気になってた福地桜痴の政治小説も読んでみたのですが…これははずれでした。 同じく帝国議会選挙を扱った前作「滑稽妄説 仙居の夢』(1890)では、現実の暴力事件や金権政治を批判しつつも、そうした腐敗に非暴力…

「波平、親切騒動」(予告)

ついに来週で永井波平も聞きおさめ。刮目して待ちます。

トレーシー兄弟の見分け方

スコット 長男。1号。黒髪しわ。 ジョン 次男。5号。金髪。 バージル 三男。2号。黒髪のっぺり。 ゴードン 四男。4号。老け顔。 アラン 五男。3号。関根勤。 …兄弟順と機体名が一致してないのがややこしいところです。