核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

事大主義について。

議論を進める前に、私の立場について表明しておきます。 「このアンタルだか菅原健史だとかいうやつは、小林秀雄の言うことならなんでも気に食わなくて、あらさがしをしているだけじゃないか」と思われるかもしれませんが、そうではありません。 私が本当に…

歌の後に

まあアリストパネス『蛙』の時代から、この展開はあったわけですが。 http://www.youtube.com/watch?v=7SM59kxvTOE 作成者さまから苦情が来るようでしたら削除します。

ポー「メルツェルの将棋差し」(1836 小林秀雄・大岡昇平訳)

『機械のある世界〈ちくま文学の森11〉』(筑摩書房 1988)より。 19世紀のからくり器械をいくつか紹介した後、問題の将棋ロボの考察に入ります。 ※ (バベェジ氏の印刷機能つき計算器の性能は)有限であり、決定されているからである。ところが、「…

小林秀雄「常識」(1959)についての中間報告

(注意 今回の記事は、昨年6月4日に書きました、「小林秀雄『常識』(『考えるヒント』)」(http://blogs.yahoo.co.jp/fktouc18411906/archive/2011/06/04)の補完、およびお寄せいただいたコメントへの弁明となっております。あわせてお読みいただければ…

もし私が百道楽を書いたら

百道楽という壮大なシリーズを企てた作家村井弦斎は、以下のメモを残していたそうです(現物未見)。 ※ 釣道楽、酒道楽、銃猟道楽、読書道楽、大弓道楽、研究道楽、玉突道楽、媒酌道楽、囲碁道楽、小言道楽、将碁(ママ)道楽、芝居道楽、着道楽、寄席道楽、…

元号批判論

何度も書いたように私は無神論者であり、イエスが神の子であるとも、天皇家がアマテラスの末裔であるとも、ムハンマドがアッラーの預言者であるとも信じておりません。にもかかわらず、私が論文やブログで西暦年を主に使用し、元号は文脈上必要な場合にのみ…

石川淳「アルプスの少女」(1952(昭和27)年)

以前にも紹介した、日本人文学者によるハイジの続篇。引用は『石川淳全集』第5巻によります。初出は同全集によれば『文藝』1952年11月特別号(未見)。ついでがあったら確認してきます。 「戦争が起こり、ペーターは兵士となる。平和が戻ったとき、ペ…

古代ギリシアの貨幣制度その2

昨年の12月14日にもとりあげました、古代ギリシアの貨幣制度。日本円換算の部分は私の勝手な憶測なので、あまりあてにしないでください。 1オボロス(約1000円)が最小単位。1日の最低賃金が2オボロス。民会・裁判出席の日当が3オボロス。 1ド…

アリストパネースの『プルートス』を読んでたら

「一万三千年もの間、男を追いまわしてきたような女」という一節がありました(『ギリシア喜劇全集4』岩波書店 2009 175ページ)。惜しい。

小林秀雄 「我が闘争」初出(大容量画像) 『朝日新聞』1940(昭和15)年9月12日

拡大すれば、全文解読可能です。議論はここからです。 (2021・3・31追記 ブログ移転に伴い、拡大しても読みづらくなっていたので、拡大画像を添付し直しました。元の記事は同じものです)

小林秀雄 「我が闘争」初出 『朝日新聞』1940(昭和15)年9月12日

1940年当時の朝日新聞を読める図書館というのも、思ったより少なかったので。 保存して拡大すれば、文字は判読できるはずですが、やっぱり読みづらいですね。いずれもう少し鮮明な画像を用意します。 (2021・3・31追記 鮮明な画像に置き換えまし…

博士論文完成。

さあ、あとは郵便屋さんの仕事だ。

本日の一言。

絶対的非戦論、 何時の世にも、人の心の真底には必ず此の声がさゝやいて居る 木下尚江 「愛と労働(思潮史論)」 『新生活』 三号 ( 一九〇八(明治四一)年三月五日)

馬場のぼる 『ぶたたぬききつねねこ その2』(こぐま社) 追記

前にも一回取り上げたしりとり絵本ですが(http://blogs.yahoo.co.jp/fktouc18411906/archive/2011/06/24)、このたび再読しまして、新たな魅力に気づきました。 墜落炎上する「ひこうき」から「ぱらしゅーと」で脱出する「まんとひひ」の表情とポーズがすば…

イランの反体制派、公開状で最高指導者批判(2012年2月16日)

イランの反体制派、公開状で最高指導者批判 ウォール・ストリート・ジャーナル 2月16日(木)10時20分配信 イランでは最高指導者ハメネイ師に向けた公開状を発表する運動が広がるなど、これまで禁忌とされてきた宗教および政治上の最高権威に対する批判が公然…

藤子不二雄A 『サル』(小学館 1999~)

「わいはサルや!プロゴルファー猿やー!!」 の前口上でおなじみのゴルフまんが、『プロゴルファー猿』の続編です。 前作の時点では、「プロゴルファーと自称する非合法賭けゴルファー」だった猿の20年後は。 ※ 「それでサルさんはプロテストに合格したの…

核兵器および 通 常 兵 器 の廃絶

こういう題のブログをはじめて約一年になるのですが、なぜ誰もつっこんでくれないのでしょう。 「核兵器および 通 常 兵 器 の廃絶 をめざすブログ」であることに。 「無理だろ」というつっこみを待ち続けて一年。

『別冊太陽 子どもの昭和史 少年マンガの世界Ⅰ 昭和20年~35年』

真珠星人。地底機関車。ターザンの野球王。空中都市東京。火を吹く円盤。物言う小判。プロレスの助。力道山はつよい。ピストルをあたまにのせた人びと。スーパー太平記。地球の最后・・・ 題名を見ただけでもわくわくしてくる、ゆかいつうかいな冒険まんがの…

何をゴールに決めて、何を犠牲にしたか

私にとって音楽とは曲の良し悪しがすべてであり、歌詞はたいていどうでもいいのですが、松任谷由美のノーサイドは数少ない例外です。 「何をゴールに決めて、何を犠牲にした」か。私が人間を評価する基準はまさにそれです。歌の舞台は高校らしいけど、対象が…

森崎光子「近眼鏡の時代--近代文学に描かれた眼鏡 」ほか(題目のみ紹介)

「眼鏡をかける女・かけない女--二葉亭四迷『浮雲』から太宰治「女生徒」まで」の著者森崎氏のご業績をciniiで検索したところ、目をひくタイトルがずらずら出てきました。今度国会図書館に行くときは、最優先で『近代文学論創』をコピーします。特に下記2本…

森崎光子「眼鏡をかける女・かけない女―二葉亭四迷『浮雲』から太宰治「女生徒」まで」

どんな研究にも、たいがい先行研究はあるものです。メガネっこ文学研究もごたぶんにもれず、国文学論文検索で以下の論文が出てきます。論文本体は今手もとにないので、今回は題名紹介のみ。 ※ 論文題名 眼鏡をかける女・かけない女―二葉亭四迷『浮雲』から太…

アリストパネスのソクラテス批判をめぐる覚え書き

いや、アリストパネスがソクラテスを批判したこと自体を責める気はないし、アリストパネスにはその資格があると思います。ただ、「信仰や伝統の破壊」ゆえに責めるのは、どう考えても見当はずれだと思うのです。 言っちゃあなんですけど、アリストパネスは初…

二葉亭四迷『浮雲』のメガネっこ描写

「言文一致小説の元祖」とか称される『浮雲』。実はメガネっこ小説の元祖であることは、その筋の人間にはよく知られた事実です。 ※ 或一日(いちじつ)、お勢の何時になく眼鏡を外して頸巾(くびまき)を取ッているを怪んで文三が尋ぬれば、「それでも貴君(…

できるかな

コピー用紙を束ねて穴をあけて、といった作業を延々と繰り返していると、ついこの歌を連想しまして。1970~80年代に子供時代をすごしたあなたなら、一度は聞いているはず。 http://www.youtube.com/watch?v=RSlVCmDPrCo ゴン太くんの体を張ったボケや…

世の中にこんな楽しいことは―村井弦斎『釣道楽』(1905)より

究極の幸福シリーズ第二弾。『少女の友』誌に村井弦斎関係の文献があることを知り、予習してみたところ、以下の一節を発見しました。 ※ 「京都の取引先からごく上等の生き人形を貰って、毎日それを眺めていたことがある。年若な娘の人形だが実によくできてい…

究極の幸福―三島由紀夫『奔馬』より

核兵器および通常兵器の廃絶をめざす私ですが、実は三島由紀夫大好きなんですよ。あの表現力と人間観の豊かさは、大江健三郎やなんかがたばになっても及ぶものではありません。 そんな三島にとって「究極の幸福」とは。財界の黒幕と呼ばれる男、蔵原武介氏の…

国立国会図書館のデジタル化資料

神保町のオタどんさまもお薦めの、国会図書館のデジタル化資料。 http://dl.ndl.go.jp/ 「館内限定公開資料を含める」にチェックを入れてあれこれ検索したところ、弦斎関係の未読資料がいくつも出てきました。 7 info:ndljp/pid/1537900 月刊食道楽. 1(4) 館…

ブタトンクエストⅣ―導かれし豚たち

エビプリを倒し、ピサロとの和解もひとまずは成ったわけですが、攻略サイトによると、この世界にはあと三匹のブタがいることが判明しまして(ソレッタ在住のブタを入れると四匹)。もうちょっとだけ冒険の書を消さずにおくつもりです。それにしても、なんで…

吉岡公美子「選挙と仙居の間―新聞小説と雑報の言説」(『立命館言語文化研究』1995年7月 89号)

まさか福地桜痴の『仙居の夢』(1890)に先行研究があろうとは。Ciniiや国文学論文検索には引っかからなかったのです。博士論文を大量印刷する前に気づいたのが幸いです。 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/lcs/kiyou/7-1/RitsIILCS_7.1pp.8…

アルプスの少女(講談社 1949年版)

石川淳の続編が発見できなかったので、とりあえず原作を紹介します。近代デジタルライブラリーより。『アルプスの少女』 スピリ原作,吉田絃二郎著,蕗谷虹児絵。講談社 1949(昭和24)年。 http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1168465/28 「この…