昨年の12月14日にもとりあげました、古代ギリシアの貨幣制度。日本円換算の部分は私の勝手な憶測なので、あまりあてにしないでください。
1オボロス(約1000円)が最小単位。1日の最低賃金が2オボロス。民会・裁判出席の日当が3オボロス。
1ドラクメー=6オボロス(約6000円)。1家が2、3日生活できた。技能労働者の1日分の賃金。
1ムナー=100ドラクメー=600オボロス(約60万円)。大人の奴隷一人を買える値段。
1タラントン=60ムナー=6000ドラクメー=36000オボロス(3600万円)。
アテーナイの年間国庫収入は2000タラントン=7200万オボロス。
1コリュボス=1オボロスよりも小さい貨幣単位。両替商たちが私的に製造した(同書246ページ)
標準貨幣(スタテール)=4ドラクメー=24オボロス(24000円)。金やエレクトラム(琥珀金)、銀(31ページ)
ペルシアの1スタテール金貨=20ドラクメー=120オボロス(12万円)。アテーナイでも流通(156ページ)
ペルシアの1スタテール金貨=20ドラクメー=120オボロス(12万円)。アテーナイでも流通(156ページ)
「スタテール」が二回出てきますが、同名の貨幣が二種類あったようです(金貨と銀貨とか)。「ダーレイコス」
は高価なほうの「スタテール」と同額なので、同じものの別名かも知れません。あとは「半オボロス」や「青銅に銀メッキをした悪貨」なんかもあったようです。アテーナイの両替商さんたちも大変です。
アリストパネスについては語りたいことも多いのですが、この4巻収録の『女の議会』と『プルートス』は、いずれも「平和」よりも「平等」がメインテーマでして。経済に暗い私としては、もう少し勉強してから読み直したほうがよさそうです。ただ、現時点での私は、私有財産の否定に対しては反対である、とだけは言っておきます。21世紀の高みからプラトンやアリストパネスを見下すわけではなく、彼らの仕事に敬意を払った上でです。
追記 ウィキペディアの「スタテル」の項より(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%86%E3%83%AB)。いろいろあったわけですね。