核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

自衛戦争は道徳的に正しいか

私は以前、「自衛のための戦争は許されるか」という題の学会発表を一回、論文を一回投稿したのですが、明確な結論が出せなかったこともあり、高い評価は得られませんでした。いずれ書くであろう「烏の北斗七星」論では、今度こそ決着をつける必要がありそう…

「烏の北斗七星」と、自衛隊違憲論をめぐって

どうも「烏の北斗七星」論を書くとなると、「九条護憲論者にとって自衛隊とは何か?」という、難問に決着をつけねばならなくなるようです。

小森陽一 『ことばの力 平和の力 ―近代文学と日本国憲法』 (予定)

『烏の北斗七星』に一章を割いているとのこと。必読。

宮沢賢治「オツベルと象」

白象をこきつかって儲けていたオツベルという人間が、白象を助けに来た象の群れに踏み潰される、という童話です。 マルクス主義批評ならば、労働者階級の資本家に対する勝利、とかいって済ませるんでしょうけど。人間と動物のあいだを考える立場から、もう少…

言文一致反対派の文学史

去る二〇〇八年、私は「言文不一致派の文学史」と題して、矢野龍渓・福地桜痴・村井弦斎を題材に、なぜ彼らが明治二〇~三〇年代に言文一致運動に迎合しなかったのかをゼミ発表で論じました。 意あまって力たらずの感はありましたが、言おうとしたのは以下の…

幸徳秋水「自殺論」

大逆事件の人として語られがちな幸徳秋水ですが、それを抜きにした彼独自の思想はいかなるものか。一例を掲げます。 ※ 社会は競争に依て進歩する。優勝劣敗の自然淘汰が行はれるので進歩するものだから、此競争場裡に立つことの出来ない不具者は、サツサと自…

幸徳秋水「金銭を廃止せよ」

専門の文学者ではありませんが、日清戦争を題材にした小説を書いてもいる幸徳秋水。その金銭廃止論(初出『万朝報』一九〇〇(明治三三)・二・九、二二。後『長広舌』収録。以下『近代日本思想大系 13 幸徳秋水集』筑摩書房 一九七五 より要約)。 交換の…

太宰治「貨幣」、および坪内逍遥「壱円紙幣の履歴ばなし」

文学で貨幣を論じるとなったら、欠かせない太宰の短編。青空文庫より引用。 ※ 私は、七七八五一号の百円紙幣です。あなたの財布の中の百円紙幣をちょっと調べてみて下さいまし。あるいは私はその中に、はいっているかも知れません。 ※ 擬女性化された100…

夏目漱石「永日小品」より「金」

貨幣論関係で気になっている作品をもう一つ。「永日小品」は身辺雑記や回想を文庫本で各3ページ程度の小品につづった短編集ですが、中には変わったものもありまして。「金」は漱石の貨幣論です。青空文庫より引用。 ※ 「もう少し人類が発達すると、金の融通…

「小さな王国」と『浅草紅団』

現在の私は、研究テーマを反戦文学にしぼっていますが、そこにたどりつく前(おもに静岡時代)は、貨幣論や都市論や差別論と、いろいろ手を広げたものです。それなりに力を注いだつもりではありましたが、どれも雑誌掲載に至るほどの成果はあげられませんで…

「ふ」の字への偏愛

ひらがなの「ふ」が好きです。「ぶ」も。「ぷ」はそれほどでもありません。 特に上のパーツと下のパーツのつながりかたに味わいがあります。 上と下、左と右がつながったフォントの「ふ」もいいのですが、 つながってない「ふ」も嫌いではありません。

読み終えられた物語と、読み進みつつある物語

一日のごぶさたをお詫びします。さて。 夏ばての頭で「物語」についてあれこれ考えました。リオタールのいう「大きな物語」とかではなく、通俗(と言われる)小説とかゲームとかの物語について。 実のところ、パソコンの画面に映った広告の、「今後もコラボ…

戦争の愚かさとはいうけれど

「自衛戦争の愚かさ」となると、ちょっと首をひねる方が多いのではないでしょうか。 今までのところ、平和主義者の側は自衛戦争に代わる非暴力的な案を提示できず、それゆえに「自衛戦争の愚かさ」を批判することができずにいました。 しかし、私は自衛戦争…

幕末クトゥルフ

「五稜郭自体がエルダーサインだったんだよ!」 そして謎の沈没をとげる開陽丸。 ……という不謹慎ネタ。もう誰かやってるかな。

少年ヤンガスと不思議のダンジョン 続報

ひまにあかせて遊んでいるうちに、未踏破のダンジョンもあと三つ(地下庭園・夢幻の宝物庫・魔導の宝物庫)を残すのみとなりました。 鍛えた仲間を連れていける、竜骨の宝物庫は初見でクリアできたのですが。 上記の三つは現金・仲間・アイテムすべて持ち込…

「塹壕の中に無神論者はいない」

「戦争 無神論」で検索したら出てきたことわざです。 このところ、宮沢賢治『烏の北斗七星』がらみで、戦争と信仰の関わりなど考えています。 ミクロ的な兵士の立場からすれば、上記のことわざもうなずけます。死を目前にすれば、それこそマジエル様でも何で…

二日間のごぶさたすみません

戦争や原爆についてもやもやと考えてはいたのですが、文章にまとまらなくて。 昨夜はゴルフの夢を見まして。夢の中でも運動神経のない私は、空振り打ち上げを連発し、十七打目ぐらいで目が覚めました。まあ、私の今後の人生でゴルフ技術が必要になることもな…

『社会文学』52号に

菅原健史「小林秀雄における「政治の文学化」―全集未収録の発言・文献を中心に―」が掲載されました。

山田俊治『福地桜痴 無駄トスル所ノ者ハ実ハ開明ノ麗華ナリ』(二〇二〇年一〇月刊行予定)

岡安著に続き、福地桜痴の伝記が出るようです。ミネルヴァ書房のページより目次を。 ※ はしがき第一章 書く世界から自立の道へ第二章 外国方幕臣として第三章 幕臣の明治維新第四章 翻訳から大蔵省御用掛へ第五章 時事的言論人として第六章 政治の世界へ第七…

三浦俊彦『戦争論理学 あの原爆投下を考える62問』(二見書房 二〇〇八) その5

広島・長崎への原爆投下の正当性を主張するこの本。 華麗に論破できたらさぞ気持ちいいだろうと思いまして。久し振りに読み直してみました。 まず連想したのは、三浦氏の別の本に出てくる「慈悲深い殺人のパラドクス」です(『論理サバイバル』132頁)。…

周艶君『特異の存在 : 矢野龍渓論』

博士論文。この方も積極的に矢野龍渓論を発表なさっていましたが、ついに学位を取得なさったようです。 それにしても、「特異の存在」とはいい題名です。

劣化カリ城の夢を見た。

印象がのこっているうちに書き留めておきます。 赤外線やレーザーの罠を突破し、こぶし大のルビーを盗んだルパン三世。 その赤い背中を、一人の少女が指差します「泥棒!」 現れたとっつぁんから逃げるルパン。しかし少女の手のひらにルビー探知機があるらし…

『山県大弐』ななめ読みレポート

史実に忠実な大弐像を描く、と巻頭で宣言しているように、桜痴らしいユーモアは絶無な代物でした。 では史実そのままの大弐がどう描かれているかというと、桜痴は武力ではなく大義名分による王政復古を大弐が主張していた、と強調しているわけですが、具体的…

福地桜痴『山県大弐』(予告)

やまがただいに。一言でいうと、百年早すぎた討幕論者。 桜痴がこの人物を、「尊王家」として書いているのか、「革命家」としてなのか興味があります。とっつきにくい文章なので今まで敬遠していました。

『クトゥルフ フラグメント』

猫編・古代ギリシア編・幕末編など、5本の追加ルールやシナリオが入った本(注意 旧版『クトゥルフTRPGルールブック』必要)。 『比叡山炎上』での戦国編が終わったら次は幕末編だ!と思って入手しました。 銃火器のデータが詳しく、神話的存在を満載し…