核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

蒲松齢『聊斎志異』より「封三娘」(青空文庫  田中貢太郎訳)にみるセクシュアリティ

清代の怪奇短編小説集『聊斎志異』(りょうさいしい)の一編。 青空文庫で読めます。これはという印象を受けました。コピペしてみます。 ※ 范はん十一娘は※城ろくじょう[#「田+鹿」、330-1]の祭酒さいしゅの女むすめであった。小さな時からきれいで、雅…

板倉 圭佑「戦争と友愛のはざまで : ジャック・デリダと政治的なもの」『 法學政治學論究 : 法律・政治・社会』126 67-100, 2020-09(読む予定)

「シャンタル ムフ」で検索したら出てきた論文です。 読めば今すぐ戦争がなくせる、というわけでもありませんが、原点に立ち返って考える必要はありそうです。

タイトルだけは思いつくんだよなあ

単著も、論文も、TRPGのシナリオも。 羊頭狗肉でない中身にしたいものです。

『日本文学』10月号特集 「文字」と「声」の往還

※ 10月号特集 「文字」と「声」の往還 新型コロナウィルス感染症の長期化もあり、コミュニケーションがメールやSNS等を使用した文字に偏る傾向にある。発音されることを前提としない記号混じりの流行語まで生まれるようになった。一方では、文字の読み上…

『三国志演義』における鍾会

しょうかい。魏の武将で、知識人としても文名があったようですが。今回は『三国志演義』限定の話です。 ついに蜀の征服をなしとげ、よからぬ心を抱いた鍾会のセリフ。 『演義』は今手元にないのでうろ覚えですが。 「この地で割拠すれば天下を狙えよう。まか…

唐突に思いついた、森鴎外「藤棚」論

尊い方々が到着すると、上流階級ぞろいの集りが粛然となる光景を描いた「藤棚」。 「藤」は藤原氏らの華族を、その「棚」は彼らの地位のよりどころである皇室を暗喩しているのではないでしょうか。 絶対、誰かがもう言ってそうだな。

『現代思想』2021年8月号 特集=自由意志(入手予定)

わりと最近の特集なのに気づきませんでした。これは買いです。

小説の作中人物に自由意志はあるか?

夏目漱石「創作家の態度」の、奇妙な一節。 「情操を本位とする文学になると、好悪があり、評価があるんだから、篇中人物の行為は自由意志で発現されたものと判じてかからなければならない」 作中人物に自由意志があるものか。すべて作者が決定した行為に決…

毛利 郁子「『こころ』における決定論と自由意志論 : イッポリット・テーヌとポール・ブールジェとの関連で」

九大日文 33 25-43, 2019-03-31。 ちょうど読みたい論文が見つかりました。「創作家の態度」も引用されています。 テーヌとかブールジェとか、聞きなれない名前が出てきて手こずりそうですが、熟読します。

夏目漱石「創作家の態度」における決定論と自由意志論

修士論文を書いた時にはうかつにも知りませんでした。 ※ 客観、主観両方面の文学には妙な差違が籠っております。純乎として真のみをあとづけようとする文学にあっては、人間の自由意思を否定しております。(略) ところが情操を本位とする文学になると、好…

明治の東京上位5大新聞

1903(明治36)年11月26日『二六新報』記事より。 1 二六新報 142340部 2 万朝報 87000部 3 報知新聞 83395部 4 東京朝日新聞 73800部 5 都新聞 45000部 以上、『明治ニュース事典 Ⅶ 明治36年/明治40年』37…

無神論者の天国

ところどころに穴のあいた、ぼろぼろのコンクリートの橋を渡ると。 ひろびろとして明るい古本屋さんがありました。 中には『現代思想』のバックナンバーをはじめ、欲しかった本がずらりと。 「天国とはこういう場所かもしれないな」で、目が覚めました。

歩兵操典ナド読ンデミル。

戦争のニュースばかりで気分が晴れません。違った角度から戦争というものを見直してみるかと、日本陸軍の歩兵操典、つまりマニュアルを、デジタルコレクションで読んでみました。 カタカナと難しい旧漢字ばかりで、ろくに頭に入ってきません。図解もあります…

プーチンと安倍晋三氏は同じ未来を見ている

かつてロシアのプーチン大統領に、 「ウラジーミル。君と僕は、同じ未来を見ている。行きましょう。ロシアの若人のために。そして、日本の未来を担う人々のために。ゴールまで、ウラジーミル、2人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか」 と媚…

古い資料を整理していると

お目当ての原資料はなかなか出てこないのに、自分が昔発表したレジュメはむやみと出てきて、懐かしいやら恥ずかしいやらです。 精神的に不安定だった時期のものも多く、やり直したい気分にさせられますが、そんな機会はもうありません。『戦争の止め方』に集…

出た出た

探していた『女浪人』の新聞初出コピーが出てきました。

秋山勇造『明治のジャーナリズム精神―幕末・明治の新聞事情』(五月書房 2002 予定)

明治の新聞研究は私の原点なのですが、最近は怠っていました。近いうちに読みたい本です。

資料虫干し

日露戦争の年、1904(明治37)年の雰囲気をつかみたくて、コピーしてあった当時の新聞など読み返してみました。 いろいろと面白い発見もありました。明日にでも。

プラトンとアリストテレスの悲劇観

古代ギリシアの哲学者二人の、対立する悲劇観。 プラトンは対話篇『国家』の第10巻で、いわゆる詩人追放論を展開しています。要約すると、悲劇がえがくような悲惨や不道徳は、観ると真似したくなるものであり、人を堕落させるからダメだという論旨です。 …

これも『日本文学』次号(五月号)予告

「子午線 天皇論の再構築を 工藤 隆」。 こちらも期待です。

戦争の止め方・番外編 松前重義

ぜひ単著で紹介したい人物が出てきました。ウィキペディア「松前重義」より。 ※ 日米開戦後に日本の生産力はアメリカ合衆国に遠く及ばない現実を知り[7]それを各方面へ報告したことから、勅任官であるが二等兵として召集されて1944年(昭和19年)に南方戦線…

『日本文学』次号(五月号)予告によると

「書評 黒田翔大著『電話と文学―声のメディアの近代』 金子明雄」 が掲載されるとのこと。よそごとながら楽しみにしています。

要塞攻略戦からの連想

『機動戦士ガンダム』(第一作)の「オデッサ作戦」も、今後はウクライナ式に「オデーサ作戦」になるんでしょうか。架空の話だからOKかもしれません。

テレビドラマ『二百三高地』(1981年)

私がたぶん、日露戦争というものを知ったきっかけです。 前年の映画のテレビ版だそうです。 筋はろくに覚えていませんが、さだまさし氏の哀切な主題歌は覚えています。 その後、司馬遼太郎の『殉死』を読んだり、当時の反戦小説『火の柱』を読んだりして、わ…

モラン大佐のエアライフル

ホームズネタもういっちょ。『クトゥルフ神話TRPG』ルールブックの武器表70頁にそういう銃が載っていました。 射程20m、価格200ドルとのことです。モリアーティ教授の腹心モラン大佐がホームズ狙撃に使った、世界に1つの特注品のはずなのですが…

日本のバリツで助かった?

シャーロッキアンには有名な話。私は大槻ケンヂ氏の本で知りました。 「最後の事件」(1893)で、宿敵モリアーティ教授と相討ちになり、滝に落ちた(?)名探偵ホームズ。3年後という設定の「空き家の冒険」(1903)でワトソンの前に現れ、「日本の…

札幌バンド

ああ、なんて潅仏会にふさわしい話題なんだ。 ここでいう「バンド」とは、明治初期に日本各地でキリスト教に入信した青年の集団で、横浜バンド・熊本バンド・札幌バンドが三大バンドとされています。 内村鑑三は新渡戸稲造と同じ札幌バンドですが、その後の…

内村鑑三も読み返さなければ

私は、絶対平和主義とキリスト教は相容れない、という意見なのですが、反証もあるかも知れません。 たとえば、日露戦争期の非戦論者である内村鑑三。彼の戦時下の文章だけでも読み返してみたくなりました。

はしがいてみた。

前回のまえがきはどうも長すぎたので、1~2頁の「はしがき」を書いてみます。 本書は、近代日本の文学者たちの、戦争を止めようとした作品を通して、戦争の止め方そのものを考えていく。 なぜ文学者なのか?他にもっと現実的な平和主義者がいたのではない…

まえがけない。

単著『戦争の止め方』の、まえがきを書きあぐねています。 書くべきことはわかっているのですが。箇条書きにしてみます。 ・絶対平和主義と平和優先主義の差異。松元雅和氏の定義。これには同意。 ・絶対平和主義の起源を「宗教、特にキリスト教」にあるとす…